苦しいばかりだった英語・・・

両親の教育方針で、小さいころから英語を学ばされて(笑)いたんです。母が帰国子女だったこともあり、将来国際的な人間になってほしいと考えていたようです。ところが、これが辛くて。まったく楽しくありませんでした(笑)。思い返せば、やってきてよかったと思うばかりですが、当時は泣きながら練習していました(笑)。教材も海外から輸入し、英語のビデオだけを見させられ…。幼いころは日本のテレビ番組も禁止だったんですよ。私が訴えて、小学生の時にやっと許されたのが、アニメの『コナン』と『ドラえもん』でした(笑)。
その割に留学に関しては、「危ないから」などと理由をつけられ、行かせてもらえなかったんです。現地での教育に触れて、自分の能力がどこまで通じるのか試したかったとは思いますが、短期の旅行以外では海外に行く機会はなく、それだけは少し心残りですね。

最優秀プレゼンテーションの舞台裏!

コンテスト審査員の方は一日に何人ものプレゼンを見るわけですから、インパクトのあるフレーズなど、何かしら惹きつけるものがほしいと考えました。どうしたら印象に残るか、その工夫に力を入れ、一度聞いただけで要点がつかめるようなプレゼンにしたいと思いました。
実は一次予選締め切りの3日前ぐらいまで、内容が固まらず悩んでいたんです。ビデオは概要だけでよかったので救われました。それに撮り直しもできますし、直前まで練習ができます。1回成功しさえすればよい、という感じでやっていましたね。それでもかなりひどかったと思うので、自分では二度と見たくないです(笑)。だって夜中にパジャマで撮ったんですよ(笑)。
今思えば、よく1次予選を通過できましたよね(笑)。それからは毎日夜中までリサーチや練習に追われていました。練習では、どこで間を置くかとか、ここは少し大きい声で話す、などを確認していきました。まずジェスチャーは考えずに、とにかく声だけに集中して練習し、それがほぼできるようになってから身振り手振りを考えていく感じです。

ビジュアルに頼りすぎない

他の参加者の方はステージ上を歩いたり、笑いを取ったりと、非常に自然にできていて、身振り手振りという点も研究し、練習を重ねてきたのだろうと思いました。一方、話だけを聞いたとき、形式的なスピーチという感じが残り、不自然に思えるところがあったように思います。書き言葉としての英語ではなく、どこまで自然な英語にできるか、どこまで生きた言葉で相手に伝えられるか、という点で、私たち参加者にはまだまだ学ぶべきことが多いように思いました。
このコンテスト以外でも、プレゼンテーションをするとき、視覚に訴えるというところに甘えてしまうことは割と多いように思います。スライドや身振り手振りでインパクトを高めることができますが、実際は、話しぶりや話の内容そのものが印象に残るものであることも同じように重要です。どんなに美しいスライドがあっても、ビジュアルに囚われすぎてしまって、話し方や内容にあまりインパクトが持たせられなければ、トータルでの完成度は低くなるでしょう。

失うものは何もない

印象に残る話というのは、何かしら意外性を持っていると思います。聴き手の想像できないような内容から始まって、それに対して一つひとつ理由を与えていくように説明していくと、理解しやすく、かつ記憶に残りやすいのではないでしょうか。そうしたアイディアや筋の立て方も、いわゆる「プレゼンテーション力」の一つだと思います。プレゼンテーション力と言うのは社会人になってこそ必要なので、このコンテストはとてもいい機会だと思います。参加を決めかねている方がいらっしゃれば、逆に「決めかねている」理由を聞いてみたいぐらいです。参加して失うものってほとんどないじゃないですか。失敗して損することもありません。学生の皆さんには、練習だと思ってぜひ気軽に参加してほしいですね。