英語を学ぶことが、プレゼンへの漠然とした興味に繋がる

私は幼少期からオーストラリア人、アメリカ人などの生の英語に触れる機会が多く、英語に対しては自然と馴染める環境がありました。幼稚園の時には、母、弟、私の3人でオーストラリアに短期親子留学 なども経験し、中学・高校生の時にはネイティブの先生との会話に壁を感じることなく自然と接することができました。2017年に私の地元北海道で行われた「アジア冬季競技大会」では、 最年少公式通訳者として18日間選手村で勤務 しました。現在は、大学生をしながら、都内の通訳事務所に所属し、通訳士としても活動しています。企業のIR案件や府中市長とラグビーワールドカップ2019™組織委員会との対談の際の通訳など幅広く活動しています。正直、この大会に出る前は英語でプレゼンをする機会などはなく、通訳の仕事をしながら、企業でプレゼンを聞く側になっていました。自分でプレゼンをしたらどうなるのかと興味を持ち始め、まず「プレゼンとは」という様な洋書や和書を10冊~20冊読み込みました。本からはプレゼンがどの様なものなのか、構成の大切さなどを学ぶことが出来 ました。普段の大学生活では、英語でプレゼンする機会などはほとんどないため、そういった機会を求め、第6回大会に出場を決めました。

第6回大会での反省を活かした再挑戦

私が初めてこの大会に出場したのは、大学1年時の第6回大会でした。当時は、ラグビーワールドカップ2019™日本大会の招致をテーマにプレゼンしました。発表を終えた後は、正直、賞を取れたかなという実感はありました。
しかし、結果はそう上手くいくものではなく、奨励賞に留まりました。プレゼンの構成を考える中で、「こうすれば話が繋がる」と無理やり話を繋げてしまい、自分だけが見て分かる作品を作ってしまいました。街の魅力を伝えるばかりで、データなどによる詳細な分析や聞き手への分かりやすさよりも、情熱で押し切ってしまったのではないかと感じています。テーマの求める内容に忠実になっていなかったと思います。
第6回大会のリベンジもあり、第7回大会では友人の出身地である八丈島をテーマに夜の観光ツアーを提案しました。当初は単なる観光のつもりでしたが、八丈島の持つ魅力を知るうちに、この島への観光をテーマにしたいと思いました。島民の方々や都立八丈高校の全校生徒の皆さんにアンケートに協力してもらい、沢山の情報を集められたことにはとても感謝しています。島の方々にしか分からない意見など非常に勉強になりました。

大切にしてきたプレゼンでのポイント&テクニック

第6回大会への参加では色々な学びや気づきがありました。第7回大会では「テーマに対しての忠実性」、「見た目の分かりやすさ」、「調査、データ分析」、「聞き手にとってシンプルな分かり易さ」をプレゼンに求めました。ファイナルまで勝ち進む中で、最終的には英語力以上にコンテンツ、パッション、目線、スライド、話し方などが重要になってきていると感じました。対策の一つとして、英語が苦手な友人に発表を見てもらい、苦手な人だからこそ分かる視点を教えて貰いました。この対策が、自分以外の人にも見やすい内容になっていて、ビジュアルや話しの流れが聞き手にスムーズに入ってくるという効果を生んだと思っています。プレゼン中に使用した円グラフのデータは、聞き手を意識し、細かい数値よりも見てすぐに分かる点を重視しました。1日25分間は必ずコンテスト対策をすると決め、習慣化していました。ビジュアルにも工夫を凝らし、1枚のスライドで今何が行われているかを一目で聞き手が分かる内容に仕上げました。
また、反対に質疑応答対策は全くしませんでした。その理由として、用意した答えですと会場で質問された内容と少し外れた回答になってしまうと思っていました。準備をすればスムーズに言葉が出てくると思いましたが、不自然になってしまうことに違和感を持っていました。そのため、より自然な回答が出来る様、全ての質問にその場で答える様にしました。
東京で通訳士として事務所に所属する傍ら、テレビ局のアナウンススクールに通い、話し方や相手を惹きつける方法などを学んでいたことも活かせたと思っています。

大会を終え、そしてこれから

この話をすると皆さんに嘘だと思われてしまうかもしれませんが、私は人前で話をすることが本当に苦手でした。アナウンス学校に通っていた時にも、原稿読みの際に手が震えていたほどです。しかし、この大会に参加したことで、人前で話をするということが苦にならなくなってきた様に思います。小規模で日本語のプレゼンをする機会はあると思いますが、皆さんにはこういった大会を利用して、何か一つ大学生時代に頑張ったこととしてチャレンジして欲しいと思います。前日までプレゼンの準備を突き詰めて取り組むことは、自信に繋がります。