①コロナ禍でも何かを残したい、英語力を試す挑戦へ

(雨宮)高校生の頃は、英語がそこまで得意というわけではありませんでしたが、文京学院大学には留学生や外国人の教員とコミュニケーションをとれる環境があるので、できるかぎりそういった環境に身を置き、英語を使う時間を作っていました。留学生と話すのは初めの頃はかなり緊張しましたが、何度も通って顔を覚えてもらううちに楽しく話せるようになりました。コロナ禍の影響もあり、留学経験はこれまでありませんが、失敗を恐れないで外国人と話す度胸を身につけられました。そんな中、プレコンについてゼミで知り、これまで以上に困難なチャレンジとなるため、自分が成長できるチャンスだと思い、参加を決意しました。
(谷口)小学生の時からダンスを続けていて、いつか海外のスタジオで踊りたいと思っていたこともあり、大学1年生の終わり頃にアメリカ・ロサンゼルスに短期のダンス留学をしました。語学留学も兼ねていたので、英語力も少しは身についたと思います。これを機に、英語学習のモチベーションがアップし、英語力を磨くことはもちろん、チームで一つのことに取り組むことは社会に出る前に必要な経験だと感じ、プレコンへの参加を決めました。
(春日)小さい頃から英語に触れていたので、英語力は自然と身についていたと思います。そのため、中学・高校は英語の塾に通い、オーストラリアへの短期留学も経験しました。大学では留学生と話せるチャットラウンジを毎日のように利用して、アウトプットする力を身につけていきました。これまで英語を磨いてきたので「英語で何か功績を残したい」という気持ちがあり、プレコン参加を決意しました。また、コロナ禍で就職活動において生かせるようなことを経験していなかったので、ここで何かを残したいという想いもありました。

②実体験をもとにした実現性の高い提案

(雨宮)夜間中学に関する報道をテレビや新聞で目にしたことがきっかけとなり、夜間学校に焦点をあて、SDGsの4つ目の目標「質の高い教育を」に寄与するプレゼンテーションをしようと考えました。夜間中学がどういったものか誰も知らなかったため、調べていくと、さまざまな理由で義務教育を修了できなかった方が学べる重要な役割をもつ場でありながら「学校の数が少ない」「ボランティア教員の高齢化」「学生が学ぶ目的の差異」など課題が多く、若い世代が今後関わっていく必要があると思いました。そこで、私たちのプレゼンテーションでは、大学生を夜間学校の教員として派遣し、受講者の目的別に授業を展開する「Bloom School」を提案しました。単にネットなどで調べたことを提案するのでは理解を得られないと思ったので、実際に自分たちで夜間学校を開校し、そこで得た学びや経験を盛り込んでいきました。経験をもとにした提案が、審査員を納得させるポイントになったと思います。
(谷口)夜間学校について現状を知るため、夜間中学やNPO法人へ取材に伺ったところ、どの取材先からも「学校数が少なく認知度が低いので広めていきたい」という言葉が聞かれました。夜間学校で授業をもつボランティア教員には10年以上教えている方もいらっしゃいます。ボランティアにも関わらず、自分の時間を費やして支援する姿勢に心を打たれました。プレゼンテーションの際は夜間学校のこういった現状を聴衆が理解し易いよう、意識してスライドを作成しました。現状・課題・解決の流れがきちんと説明できているか客観的に分析してブラッシュアップしていきました。
(春日)実際に夜間中学を開講してみて、通ってくださった方の学習意欲がとても高いことが印象的でした。戦争によって学校に通えなかった方が最もご高齢で90歳を超えていましたが「勉強が好きなのでこういった場があることは嬉しい」などの声を聞くことができ本当に嬉しい気持ちになりました。プレゼンテーションでは、どれほどの時間で夜間中学を簡潔に説明できるかを検証しながら、聞き手に対し提案の具体性を感じさせることが難しかったです。ただ、横着せずに仮説と検証をおこなったことが評価に繋がったのだと思います。

③自信はあとからついてくる~プレコンを通じて成長した自分を実感~

(雨宮)プレコンに出場して、一番成長を感じたことは自信をもてるようになったということです。本番までの9カ月間で、意見が合わないことや、思うようにいかないことがたくさんありましたが、それらを乗り越え本選に進出し、奨励賞という結果を得ることができました。新しいことに挑戦して最後までやり遂げる経験は自信に繋がり、今後社会に出てから壁にぶつかったときの前に進む力になると考えています。
何かに興味があってやりたいことがある方は、まずやってみることをおすすめします。チャレンジすることは怖いと誰もが最初に思いますが、やってみると案外できてしまうことが多いので、軽い気持ちでいいのでとにかくやってみることが大事だと思います。実際プレコンにチャレンジしてみて、英語や提案力だけでなく、チームで協同する能力や人間力も鍛えられたので、学ぶことはたくさんありました。何でも恐れずにやってみてください。
(谷口)プレコンに参加するまではこのチームでうまくやっていけるのか不安でしたが、やってみれば何とかなり、良い結果をおさめることができました。初めは自信がありませんでしたが、とにかく行動してきた中で、自信はついてきました。自信がなくてやっていないことがあれば、思い切ってチャレンジしてみたほうが自分の為になると思います。
今回テーマにした夜間中学のボランティア教員の方々のように、人のために行動したいと感じるようになったため、私も今後は自分のためだけでなく、人のために行動できるようになりたいと思っています。今回の本選出場もゼミの教授や他のメンバーに支えてもらったおかげなので本当に感謝しています。
(春日)プレコン出場前までは個人的な活動が多く、あまり周りと協力せずに自分で何とかできると思っていましたが、今回2人と協力して進めてきたことで「人間1人には限界があって、個人の限界を超えるには他人の力が必要」と感じ、チームワークの重要性を痛感しました。社会に出てチームに入ったときに、どのように他のメンバーと協同しながら進めていくか考えて動いていくことが重要だと思うので、そういった時に今回学んだことを発揮できればと思っています。また、社会ではどれだけ自分がチームの中で貢献できるかが大事なので、失敗を恐れないでやっていけば、社会でも必ず良い方向に進むと思っています。