未知のテーマへのチャレンジ

大学3年生の8月頃、大学院へ進学することを決めていました。その頃、周囲が就活やインターンシップで有意義に過ごしていました。そんな様子に感化されるものがあって、英語で何かチャレンジできるものを探し始めたんです。そうしたら、このコンテストに辿りつきました。当時、第1回大会でしたし、このタイミングというのも何か偶然ではないような気がして、参加を決めました。大学の授業以外でのプレゼンはこれが初めてでした。
僕は「富士山を世界遺産に登録!」というテーマを選択したのですが、他のテーマに比べて文化の色合いが強くなることから、在籍学部での研究や自分の嗜好に合いそうだと思いました。ですが、富士山と言っても、所在地や標高程度の知識しかなく、ましてや世界遺産に関連した知識は持っていませんでした(笑)。

大量インプットからの取捨選択

当時はそのトピックに関する知識がゼロでしたのでまずはリサーチをしました。本を借りたり買ったりして、富士山にまつまわる情報をとにかくインプットしていきました。こうして情報を取捨選択せず、要不要の判断をすることなく大量にインプットしていくことが、僕の第一ステップです。次に構成を考えていくのですが、その上でインプットした情報の中で重要なもの、コアとなる情報を選んでいき、同時に不要な情報を切り捨てていきます。これがとても重要で、また自分にとっても難しく、当時もここに非常に苦労しました。プレゼンの時間は常に限られていますので、何を盛り込むのかの線引きが構成を組み立てる上で大切だと思っています。

オーディエンスを飽きさせない趣向

このコンテストではテーマが出題されていますから、似たようなロジックでプレゼンする発表者が他にもいるだろうとは想像できました。ですから構成を詰めていく段階で、伝え方・見せ方で差別化を図ることに注意しました。また単なる情報の羅列ではなく、ストーリーを持たせることが重要だと思います。面白い情報でも伝え方次第では面白くなりませんから、面白く伝えるためにもストーリーを描いて情報をつないでいくことが、人の記憶に残りやすく、感情に訴えやすいと思います。

ビジュアル・エイズを巧みに操る

実際のところ当時は上手くできていませんでしたが、どのタイミングでどのように振る舞うかのパフォーマンスの部分までプレゼンでは意識して詰めていくのが良いと思います。ジェスチャーやステージの使い方、話すスピードや声の大きさなどです。伝わるように大きな声で話すときもあると思いますが、逆に小さな声で話す方が聞き手の集中力を促すこともあります。もっと言えば、何もしゃべらない時間、というのもすごく力があると思うんです。そういうことを考えながら練習していきますね。
授業やゼミなどで発表しているプレゼンとコンテストのプレゼンは、聞き手が何を期待しているかという点で大きく違うと思います。こうしたコンテストでは、見せ方や使え方の工夫が重要になると思います。

学生だけに与えられた学びの特権

プレゼンテーションに対する意識は変わりました。また自信がつきましたね。昨年6月にも国際的なプレゼンコンペティションがあったのですが、そういう大会に臨むにあたっても自信を持って取り組めるようになりました。だからより多くの学生さんに”学びの機会”として挑戦して欲しいなと思っています。このコンテストは正に学生だけに与えられた特権ですね。