①あらゆるバックグラウンドをもつ3人が揃った

(石戸)英語に興味をもち始めたのは小学校へ入学する前で、母から英語の本やビデオを与えられ、英語に触れる機会を沢山得たことがきっかけになります。高校生の時は英語部に所属していたので、プレゼンテーションやディベート、スピーチの大会に出場し経験を積みました。そういった積み重ねにより、すべての授業が英語でおこなわれる国際教養大学の授業にも対応できているのだと思います。
そんな中、インスタグラムの投稿で第10回プレゼンテーションコンテストについて知り、学外の大会に出場して、自分の力がどれほどあるのか、他大学の人と比較してみたいという気持ちから、すぐに応募することを決めました。そこで、自分の伝えたいものをもっている熱い人柄のスカイを誘ってみたところ快諾してくれました。アリアンも入学当初から友人で、スピーチコンテストの出場経験があり、授業での発言回数が非常に多く、弁が立つことから誘いました。
(スカイ)わたしの父がフィリピン出身のため、小さい頃からフィリピンにある父の実家へ行く機会が多かったです。親戚とコミュニケーションをとるときに英語が必要だったため、勉強して実際に話す機会が幼いうちから多かったので英語に親しめたのだと思います。大学入学までは、特に英語でプレゼンテーションをする経験はありませんでしたが、国際教養大学の授業では、プレゼンテーションをおこなうことがとても多いです。2年次まではオンライン授業が多かったのですが、パワーポイントを使ってスライドを作っていくことはさまざまな授業で経験していたので、本コンテストでも、他大学と比べてアドバンテージはあったと思います。プレゼンテーション構成の組み方や進め方には慣れていました。
(アリアン)わたしは神戸出身ですが、父の仕事の関係でアメリカに3年住み、5歳のときに岩手県に引っ越してきました。両親はバングラデシュの出身で、仕事の関係で、結婚と同時に来日しました。自宅ではベンガル語と英語でコミュニケーションをとっているので、3カ国語使えます。英語は普段の日常会話の他、アメリカから教材を取り寄せて勉強していました。
これまでプレゼンテーションの機会は沢山あったので、どういったことをやらなければいけないかはわかっていました。また、大学の授業では、ファイナンスやビジネスの理論を扱うので、うまく論理を組み立てて、発信することは今回のコンテストに生かせたと感じます。

②高校時代に抱いた想いをもとに具現化した金融教育提案

(石戸)今回、高校生の教育カリキュラムに投資ゲームアプリ”UPVEST”を組み込むことを提案しました。UPVESTでは、投資の練習ができ、高校生の金融リテラシーを高めることが目的です。アイデアの醍醐味は実際にゲームの中で使ったポイントが証券口座を開いた時に実際の通貨として使える点です。
これは3人がグローバル・ビジネス課程に属しており、最新のビジネスの流れや課題に目を向けていたことが提案に繋がっていたと思います。わたしはプレゼンテーションの構成作りに集中し、利益計算などはすべて2人に任せていました。プレゼンテーションが得意な人は構成作りに集中し、ビジネス知識がある人はビジネス面で協力するなど、分業制で協力し合うことで、良い形に仕上げられたと思います。
(スカイ)投資に関する教育を提案したのは、自分が高校生の時から「政経や経済系の授業をやればいいのに」と思っていたことに起因します。これらの科目は選択制で必修ではありませんでした。それが根底にあり、プレゼンテーションのネタとして2人に話したら納得してもらい、進めることになりました。同じく高校生の頃に読んだ「アメリカの高校生が学ぶマクロ経済学」から、日本では大学で学ぶようなミクロ経済やお金の管理の仕方を、アメリカの高校生が学んでいることを知りました。こういった実用的な分野を学んだ方が日本のためになるのではと着想しました。
(アリアン)なんとなく日本では、お金に関する教育がタブーになっている部分があると思います。お金は誰しもが直面する課題だからこそ、大人になってからではなく、学校という勉強に集中できる環境で教育を強化した方がいいと思い、スカイの考えに賛同しました。
3人が履修しているグローバル・ビジネス課程では、多国籍企業という前提で、どういうツールを使って自分たちの利益を上げていくか、どういったリスクがあるのか、リスクヘッジの仕方などを学んでおり、その知識が大いに役立ったと思います。

③悔しさと嬉しさが入り混じるインプレッシブ賞

(石戸)二次予選終了後は、本選に進める自信が半分、不安が半分という感じでした。本選出場の結果を知った時は自分たちのプレゼンテーションが評価されたということで、本当に嬉しかったです。一方で、本選でのインプレッシブ賞という結果は悔しかったです。プレゼンテーションの仕方や内容は、二次予選からかなりブラッシュアップしていたので、自信があったからです。テーマ3から3組出場していて、他の2組が最優秀賞と優秀賞をとっていたので、その中でインプレッシブ賞となると3組の中で一番下ということになります。どこがその2組に及ばなかったのかなと悔しい気持ちでした。
それでも学内外の大会に初めて参加したので、非常に刺激的な経験を得られました。今後も同じくこういった機会を求めていきたいと思います。
(スカイ)普段大学にいると他の大学生と関わる機会が無いので、他大学の人と交流して彼らのアイデアや、自分が今まで興味をもってこなかった分野について知ることができて刺激的でした。インプレッシブ賞までもらったので、英語日本語問わず、プレゼンテーションというものに自信がつきました。就職してからも自分の考えをプレゼンテーションする機会は沢山あると思うので、「こうすればオーディエンスは反応してくれる」と細かいところにこだわって、自分のプレゼンテーションをしたいと思います。
(アリアン)インプレッシブ賞を受賞し、自分のやってきたことが間違っていなかったと確認することができてよかったです。今後努力をするモチベーションにもなりました。
現在、起業家を目指して勉強しています。プレゼンテーションコンテストに参加して賞までいただいたことを自信に繋げてますます頑張っていきたいと思います。将来どのような分野に進むかはまだわかりませんが、人と関わる以上、プレゼンテーション能力は重要なことなので、今回学んだ知識やスキル、経験を生かしていきたいと思います。

④大学生に足踏みをする時間は無い

(石戸)大学生に足踏みする時間は無いです。チャレンジすることを悩んでいる人は積極的に進んでほしいと思います。社会人だと責任が伴いますが、挑戦して失敗できるのは、大学生の特権だと思います。挑戦と失敗を沢山繰り返してください。
(スカイ)プレゼンテーションは言葉ではなく気持ちです。英語でプレゼンテーションの機会がある人は怖がらずチャレンジしてほしいと思います。ビジネスコンテストも非常に良い経験になると思いますので、そういった機会は逃さずにチャレンジしてください。
(アリアン)個人的には足踏みしてしまう大学生の気持ちがわかります。できるかなと失敗を恐れたり、忙しい中時間の調整も必要だったりするので簡単ではありません。ただ、そこでチャレンジ精神を燃やすことが重要だと思います。この大会も誘われなかったら出場しなかったと思いますが、失敗を失敗として捉える必要が無いことを学べました。他の出場者のアイデアをインプットし、評価してもらう機会はめったに無いのでこのような大会に出場する機会があればぜひチャレンジしてもらいたいと思います。