3人でなければ成し得なかったプレコン出場

(大坪)私が夏にプレコンの広告を見つけて江島さんと奥さんを誘いました。二人とも高校時代に仲良かったメンバーです。高校時代は同じクラスではありましたが、私以外の2人は英語が抜群にできていたので、英語のスピーチ大会やプレゼン大会に出場していました。逆に私はリサーチ内容を重視した大会に参加していました。2人に比べると英語力に自信はありません。ただ、自分の企画力やリサーチ力には自信があったので、2人の英語力で押し出せば、今回のコンテストもいいところまでは行けるかなという思いはありました。

(江島)私は兄が第4回大会個人の部で優秀賞を受賞していたので、大会の存在自体は知っていました。いつか機会があったら出てみようかなと思っていた程度だったので、真剣には考えていませんでしたが、大坪さんから誘われて出場しようと思いました。実際プレゼンの準備をしてみると、私だけ大学が違うのでテスト期間が合わず、準備もかなり大変でした。

(奥)準備は本当に大変でした。3人集まって練習したことはほとんど無かったです。本番の一週間前に初めて3人で集まってスクリプトが完成しました。各自で2日くらい練習をして、大会3日前くらいに初めて3人で合わせて練習をしました。この状況で最優秀賞を受賞することができたのは、この3人の信頼関係があったからこそだと思います。

緻密に計算されたアイデアと構成

(大坪)今回、環境教育のテーマを選んだ理由は、一番データに基づくプレゼンができると思ったからです。パッと見て「観光地の夜の魅力を提案」のテーマは一番魅力的でしたが、逆に一番データに基づくことができないテーマでもあったので断念しました。環境教育では今までの自分たちの経験を活かしたアイデア勝負ができ、クリエイティブさと英語力で押し出せば魅力的なプレゼンになると思いました。

(江島)Zero waste campingの発想は小学生の時の自然学校からヒントを得ました。兵庫県の小学校では義務教育の一環で自然学校があり、1週間、山や森の中で合宿をします。自然学校では単にゴミ・環境問題を考えるのではなく、皆で力を合わせて何かを成し遂げて、その延長戦上で環境について考えるといったことをしています。そこから3人で話をしてアイデアを膨らませました。自然学校とは違って、Zero waste campingは森の中ではなく、街でできるものを考えました。

(奥)スライドの構成としてはTED Talksのようなインパクトのあるものにしたいという気持ちがありました。当初、スライドにたくさん文字や情報を入れて作っていましたが、かなりシンプルなスライドにして、私たちが口頭で説明するというスタイルに変更しました。あとはイントロの始めの部分がフックだと思っていたので、インパクトのある数字を、現在進行形で世界のゴミの量が増えているということをカウンターバーで表現し、聴衆に興味を持ってもらえるように工夫しました。

最優秀賞受賞の鍵 ~実現可能性の一歩先へ~

(大坪)私たちが最優秀賞を受賞できたのは、やはり信頼感と経験値だと思います。奥さんはスピーチが得意分野なので、最初のフックとコンクルージョンは奥さん担当など、3人それぞれ話し方に特徴があるので、そこの使い分けもして、スクリプトも誰がどこを読むのかにもこだわりました。あとは実現可能性です。私たちがこの活動をするという考えは全くありません。だからこそ、誰かじゃないとできない、どこかじゃないとできないということにはしない、というこだわりはありました。実現可能性はどのプレゼンをするにしても当たり前のことなので、それよりも普及の可能性を考えました。どこでも、誰でもできるということがポイントだったかなと思います。

(江島)確かに大会終了後、実際に審査員の方々と話をしたときに、アイデア自体も一番実現可能性があるかもしれないという話はいただきました。あとはわかりやすさというのも一つの理由だと思います。Zero waste camping自体がわかりやすいのもありますし、スクリプトもトライ&エラーを繰り返して、とにかくシンプルで伝わりやすいものに変えていきました。

(奥)本番でも質問されたことに対して、的確に答えられたかなと思います。質疑応答はそこまで準備をしたというわけではないのですが、今までの自分たちの経験を活かして答えることができました。質問に対する答え方と情報量が評価された部分であるのかなと思っています。

第8回大会参加学生へのメッセージ

(大坪)英語メインの大会ではあるものの、言語はツールなので、恐れずに自分の持っている能力を最大限に活かしたプレゼンができれば評価はされるはずです。私は、この2人といると英語が全然武器になりませんが、あえて英語のコンテストにこのメンバーで出ることで、自分の企画力やリサーチ力を改めて認識し、自信を持つことができました。自分の好きなことや情熱を持って伝えることができるように是非、頑張ってください。

(江島)プレゼンをする上でリサーチや伝え方など、いろんな面で工夫が必要なので、準備は相当大変でした。諦めたくなる時もありましたが、そういう時こそ、初心に戻ってください。私はコンテストで今しかできないことを経験して、3人で一つの思い出を作ることができたので、参加して本当によかったと思っています。

(奥)私は高校時代からコンテストに参加していましたが、大学生になって何かをしようということは考えていませんでした。しかし、大坪さんにコンテストに誘われて参加してみると、準備期間中も「高校時代、これだけ頑張っていたな」と懐かしい気持ちにもなりましたし、単純に楽しかったです。大学生として、あれだけの大舞台で人前で発表するということも滅多にないことなので、自信にも繋がる、とてもいい経験をすることができました。まだ参加していない学生の皆さんには是非参加してもらいたいです。