それぞれのやり方で英語力を伸ばした幼少期

ホーリー)わたしはインドネシアの出身で、小学校1年生から英語の授業を受けていました。学校の授業に加え、家庭教師による英会話レッスンも受けていたので英語はかなり身近なものでした。中学校にあがると、英語の授業は先生も生徒も英語で話すというルールになっていたので、文法を勉強する時間よりも、話す時間がメインでした。13歳で来日してからは、日本語も勉強しなければならなかったのですが、英語もこれまで通り伸ばしていこうと思い、英語の本を日常的に読み、スマートフォンの設定を英語にするなど、英語を使う環境を周りにつくっていきました。

佐々木)わたしも小学4年生から英会話教室に通い始め、中学校3年生のときにカナダへ2週間の語学研修にいきました。初めての海外経験で強い印象を受けましたし、さまざまなことを経験したのでそれまで考えもしなかった将来における選択肢が増えていきました。高校受験の時期だったため、国際系の高校に行きたいと思うようになり、都立国際高校へ進学。ただ、帰国子女がとても多い学校で、それまで得意だった英語が突出しなくなっていきました。1年生の時点で英語に対するモチベーションが下がってしまったことで、5段階ある英語のクラスは3~4番目でした。英語漬けの日々でしたので英語力は伸びたと思うのですが「このまま卒業しては、自信をもって英語を話せない。留学に行けばもっと伸びるかもしれない」と思い、高校3年生の8月からアメリカのノースカロライナ州で1年間の留学をしました。

コロナ禍で夢を断念するも、すぐに次の目標へ

ホーリー)日本に住んで数年経った高校3年生のとき、進路について考えるタイミングになりました。日本では、インターナショナルスクールではなく、一般的な中学・高校に進学したため、初めはクラスメイトの会話についていけず苦労しましたが、毎日浴びるように日本語を聞いていたので、早く覚えることができました。英語も継続して学んでいたので、インドネシア語・日本語・英語を話せるようになり、将来これらを生かしたいと考えていました。
当時の担任の先生の影響でエアライン業界の仕事を知ったわたしは、キャビンアテンダントとして国際線に乗れば色々な国に行け、色々な国籍の方と関われることから、自分に合っていると思い、エアライン業界に将来進みたいと決心しました。エアライン業界について学べる専門学校として神田外語学院を選んだ理由は、外国人教員が多い点や自立学習施設やラウンジといった英語を自主的に楽しく学べる施設が魅力的に感じたからです。
入学後は国際エアライン科で日本のマナーや話し方、立ち居振る舞いなどを学んだ他、内面を磨く授業で人間力を鍛えられました。2年生になってから受講した「接遇力養成講座」では、先生が心理学を踏まえて接遇について教えてくれたので非常に勉強になりました。一方、新型コロナウイルスの影響でエアライン業界の採用はほぼ無くなってしまいました。それを知ったときは、残念な気持ちになりましたが、同時期にアルバイトをしていたケーキ屋さんで接客業が好きなことに気づき、逆に良い機会と捉え、エアライン以外の業界も見るようになりました。早い段階で気持ちを切り替え次の目標に進むことができたと思います。

佐々木)わたしはアメリカ留学から帰国後、国際社会について学びたいと思い大学へ進学しましたが、やはり言語を専門に学びたいと思い、神田外語学院に入学しました。出願の際、キャビンアテンダントへの憧れを高校時代からもっていたので、まずエアライン科が頭をよぎりました。そんな気持ちで神田外語学院のオープンキャンパスに行くと、国際エアライン科の先生から「国際エアライン科は人間力を鍛えるところであり、決してエアライン業界についてのみ学ぶ学科ではない」というお話を聞くことができ、どの道にも通じる力をつけられると思ったため、国際エアライン科への進学を決めました。そういった考え方だったので、エアライン業界の採用がストップすると聞いたときは「どうしよう」といった気持ちにはならず、どちらかといえば「そういう運命なんだ」と受け止めて、他の進路を考えるきっかけとなりました。

常に前進するふたりが選んだプレコン挑戦

ホーリー)プレコン出場を決めたのは佐々木さんが声をかけてくれたからです。佐々木さんとはクラスが同じで、色々なことを相談し合うほど仲良くなりました。わたしは基本的に人前で話すことが得意ではないので、こういった大会に出場したことがなかったのですが、佐々木さんが誘ってくれたとき、学生最後の挑戦をする機会だと思ったので「ぜひ一緒にやらせてください」と伝えました。予選も本選もプレゼンテーション直前は緊張しましたが、話し始めた瞬間に緊張が消え、楽しいと感じました。勝つためにプレゼンテーションをするというより、わたしたちのアイデアを伝える機会と考え、アイコンタクトをとりながら話すことを意識したことで、相手によく伝わったのだと思います。楽しむことができたから気持ちを乗せられました。最優秀賞受賞を母に報告すると泣いてしまい、「日本に来てから、日本語にも苦労があったのに英語の勉強も頑張ってくれてありがとう。日本に連れてきてよかった。」と言ってくれました。

皆が共に成長する教育環境を提案

ホーリー)わたしたちのプレゼンテーションでは「障がい者」に焦点を当てています。わたしが中学生のとき、特別学級に通っている同級生がいて、いつも別のクラスで授業を受けていることに疑問をもっていました。既述のとおり、わたしは来日してから一般的な公立中学校へ入学したので、うまくコミュニケーションが取れず、孤立感を感じていました。それでも日々の勉強と、日本語を浴びるほど聞いていたことで少しずつ理解できるようになり、友達もできました。一方、どれだけ時間が経っても交わることのない特別学級の同級生のことが常に引っかかっていました。そのとき感じていた疑問から、障がい者と健常者を「分ける」のではなく、障がいについて理解し、ともに成長していける教育環境の構築をしたいと考え「I Hear U」を提案しました。3Dホログラムを活用することで、聴覚障がいをもった方でも健常者と同じ教室で学ぶことができます。3Dホログラムのアイデアは、最近韓国でデビューした、人間とアバターが組み合わさったアイドルグループがステージで踊っているのを見て、着想しました。

自分が「やりたい」と思ったときがチャンス

ホーリー)プレコンで結果を出せたことで、自分の英語力に自信をもつことができました。以前は日常会話をフランクに話していただけでしたが、今回の提案でビジネス英語を磨くことができたと感じています。「迷ったらやる」が私のモットーで大事にしていることなので、これからも結果を気にせずチャレンジしていきます。卒業後はホテルに就職しますので、得意な語学を生かして多くのお客様をサポートしたいです。

佐々木)自分が挑戦したいと思ったときに挑戦することが大事です。周りから「やってみなよ」と勧められても気持ちが決まらないと動けないですし、人それぞれタイミングがあると思います。何かに対し少しでも「やりたい」と思ったら、そのタイミングを逃さないでください。