一歩踏み出す勇気で培った英語力

本格的に英語の勉強に力を入れ始めたのは大学からです。それまでは文法が得意でインプットばかりでしたが、大学からはいかに英語を使っていくかにフォーカスを当て、インプットの学習からアウトプットの学習へと意識を変えました。
アメリカ留学に必要な英語力をいち早くつけるために、中央大学に設けられた、外国人留学生や日本人学生が気軽に集まれる異文化交流スペース「Gスクエア」に通いました。ここでは留学生が自分の母国語を教える外国語自主学習グループ「ランゲージ・ラボ」も開催されています。最初は外国人留学生がいるコミュニティの中に1人で飛び込むのに抵抗もありましたが、スピーキング力を上げるためには英語を話すことが一番の近道であることが分かっていたのと、外国人の友達が欲しかったということもあって、勇気を出して飛び込みました。その結果、すぐに友達を作ることができ、友達ができたことで「Gスクエア」にも行きやすくなりました。自然に英語を話す機会も増え、例え間違えや理解できないことがあっても誰も責めず、むしろ丁寧に教えてくれるので段々と英語を話すことにも抵抗がなくなりました。
他にもIELTS、TOEICの講座、プレゼンテーション・ディスカッション講座を受講したりと、大学の講座や施設をフル活用していくうちに、英語力が格段についていくのを感じました。

独自の調査で説得力のあるプレゼンに

私は4年生の5月に留学先から帰国をしたのですが、大学卒業前に集大成として何か大きなことをしてみたいと思ったのと、また留学する上で多くのサポートをしてくれた両親に、約1年間の留学の成果を見せたいと思い、コンテスト参加を決意しました。
私はテーマ2を選択したのですが、外国人に馴染みのないもので、日本文化を考えた時に真っ先に湯もみが頭の中に思い浮びました。私自身、湯もみに対する知識があまりなかったので、調べてみると様々な歴史的背景があることや、なかでも草津温泉の「熱乃湯」さんが力を入れて“湯もみ体験イベント”等を行っているということを知り、湯もみをメインに草津温泉を舞台としたプレゼンを作れたら面白いなと思いました。
実際に草津の観光協会の方々に「草津の魅力を伝えたい」とインタビューの依頼をさせて頂いたところ、快く応じていただきました。また「熱乃湯」の皆さんにも協力していただき、湯もみ体験や、湯もみガールズの方々と一緒に歌を歌わせていただいたりと、草津や湯もみの魅力をアピールする上で、非常に貴重な体験をさせていただきました。

聴衆に“伝わる”プレゼンを目指して ~決勝進出の秘訣と反省~

私が決勝に進出できたのは、聴衆を意識した“伝わる”プレゼンをすることができたからではないかと思います。発表をする上では、特に声の大きさやスピード、発音やアイコンタクトを意識しました。コンテストにはもちろん私よりも英語力のある方が多くいましたが、いかに早いスピードで話し、難しい語彙を盛り込んでプレゼンを披露するか、というよりも聴衆がどれだけ情報をキャッチすることができ、彼らに魅力をアピールすることができるか、というほうが大切だと思ったので、それが聴衆の方々やジャッチャーの方々に伝わったのが決勝戦に進めた勝因の一つだったのかなと思います。選択したテーマが売り込みだったので、アピールしたいことが聴衆に伝わるよう、構成も工夫しました。タイムスケジュールは、イルミネーションが最も綺麗に見える時間やお腹が空く時間など、ツアーに参加してくれる観光客の気持ちを考えたものにしました。またプレゼンの最後に自身で作成したショートビデオを入れたのも、草津に行ったことがない人を前提にアピールすることができ、イメージをしてもらいやすいと思ったからです。
逆に反省点もたくさんあります。質疑応答の準備不足や、単純な英語力不足を痛感しました。また他のファイナリストの方々の発表資料は見ていて面白いし、そのための工夫がなされているのが目に見えてわかりました。
一番の反省はステージ上で左右に歩きすぎてしまったことです。実はこれはお世話になった教授にも言われたことがあって、「歩く時は何か目的を持って歩きなさい。緊張を隠すために歩いてはいけない。」と。それが本番で出てしまいました。

一人では成し得なかった決勝の大舞台へ

コンテストに出場するにあたり、友達、教授、両親に多くのサポートをいただきました。大学では、2年生の時にプレゼンテーション講座でお世話になった教授が、プレゼンスキルを非常に多く知っている方なので、もう一度その教授に会いに行き事情を話したところ、2年生を対象にしたプレゼンスキルを学ぶ授業を現在も教授が行っており、ぜひ参加してもいいということだったので、途中から一緒に授業を受けさせてもらえることになりました。授業内でプレゼンを発表した後に、教授とクラス全員からフィードバックを受けて大会に臨みました。フィードバックシートには応援メッセージもたくさん書かれていて、すごく嬉しかったです。両親にもプレゼンの練習を見てもらい、父親は当日に私の決勝進出を信じて、隣の会場に応援に来てくれていました。そういったこともあり、必ず成績を残したいという思いのもと、二次予選に参加しプレゼン発表を行ったので、決勝戦進出者の発表の際に自分の名前が一番にスクリーンに出てきたのを見た時はとても嬉しかったです。
今回、コンテストに参加したからこそ、今まで気づかなかった周りのサポートや温かさを感じることができましたし、そのサポートがなければ決勝に進むことができなかったと改めて思います。決勝に進むことができたことが現在の自信と達成感に繋がっています。