挫折から冒険へ

僕は小学校から高校まで、約10年間野球をやっていました。高校野球の夏の大会の2ヵ月前に大けがをして、高校生活最後の大会に出ることができなくなってしまい、この頃から野球以外のことを知りたいと思い始めました。僕の祖父が生前、僕の「今何かできるとしたら何がしたい?」という質問に対し、「冒険がしたい」と言っていました。祖父は戦争経験者で、どこかに行きたいと思っていても、行ける海外は戦地しかない時代を生きた人でした。亡くなる直前に祖父が言った、「俺の時代は選択肢がほとんどなかった。真の場合は、選択肢が沢山あるのだから、どんどん世界に出て沢山の経験をしなさい」という言葉がとても印象的でした。僕はこれを聞いて、自分の行動力は受け継がれたものなのかなと思いましたね。プレゼンテーションコンテスト本番のスライドでも写真を出しましたが、ネタを考えるために直接東南アジアへ一人で調査に行ったり、またその後の留学中もどんどん外の世界へ行くことで様々な知識や教養を高めていこうという意識になれたのは、野球で挫折して、自分から外へ出て学ばねば!という気づきがあったことと、戦争経験者である今は亡き祖父の話をよく聞いていたからです。

世界から学んだ自分に足りなかったもの

僕はいつも「自分の人生を豊かにしていきたい」と考えています。動き出せば、難しいからこそネガティブになりがちですが、結果として良かったという経験が僕自身は、多いと思います。人生で初めての海外経験として行ったオーストラリアでは、世界共通語となりつつある英語の重要性を実感し、勉強のモチベーションが上がりました。ソチオリンピックでの通訳ボランティアとして訪れたロシアでは、英語を母国語としない国では、英語プラスその国言語ができないと、認めてもらえないことを実感させられた貴重な体験をしました。交換留学で1年間滞在したフィンランドでは、子連れのお母さんが、大学の授業を受けていたりする光景は普通で、他の人の人生を柔軟に受け止めることが出来る様になりました。
また、海外の学生たちは自主性が日本人とは大きく異なり、モチベーションが非常に高いです。とくにフィンランドでは、30歳くらいでも学部生として留学しにきていて、高い意欲と目標をもって勉強に励んでいる学生も多くいました。これらの経験から、僕は「人の話に自分から耳を傾ける事」、「明確な目標を持つこと」、「ハングリー精神を持つこと」という3つの大切なことを学びました。

コンテストに参加したことで、気づいたこと

「自分の発表が審査員にはどう見えているのか」、「どう感じられているのか」、「本当に発表内容は社会に通用するのか」という3つを、僕はプレゼンの構成を考える上で大切にしています。結果、優秀賞をいただくことができましたが、本選では、全くリラックスできず、早口になってしまったことが反省点でした。ゆっくり聴衆の反応を伺いながら伝えることが、一番大切なことだと思っていましたので、少し悔しいですね。大会に参加していた時は、ひたすらプレゼン練習に励んでいましたし、自分が一番だと天狗になっていました。自分が変に過信していたことが、敗因に繋がり、人間的に未熟だったのだなと思います。プレゼンが終わって、ランチ会場で沢山の人に会って、人の意見を聞くのはこんなに楽しいことかと再認識することができました。又、同じテーマで競い合うことは非常に重要だと思いました。1つのことに対して、皆それぞれの経験や体験を生かしてプレゼンを構成するので、今まで自分にはなかった新しいアイデアを見つけることができる場ですしね。祖父の言葉もあって、世界を冒険すること、そしてプレゼンテーションコンテストを経験して感じたことは、他の人たちと接し、その人たちを知ることで自身のモチベーションが上がり、かつ思考の幅がますます広がるということです。

【インタビュー動画はこちら】 https://youtu.be/m81kvUbvoGQ