英語と将来がマッチした高校時代

高校2年生の時に経験した3週間のイギリス留学が私の人生において大きなターニングポイントになりました。それなりに英語に自信があり、校内で選抜された上での留学でしたが、現地ではまったく言葉が出てきませんでした。それに加え自身の知識の浅さも思い知り、私という存在がちっぽけに感じました。これがきっかけとなり「英語を話せるようになりたい」と明確に思うようになりました。
また、この頃から将来英語教員になりたいと思い始めました。英語学習を通じて、努力をすれば結果が返ってくるというプロセスが好きになったことに加え、常に学問に触れ続けることができる教員という職業に魅力を感じたからです。大学生になってからは塾講師のアルバイトや教育実習を通して様々な生徒と接し、良い意味でも悪い意味でも生徒へダイレクトに影響を与えられる仕事だと感じています。卒業後は教員として中高一貫校で英語を教えます。反面教師としてでもいいので、私の行動から何かを感じ、それが生徒の将来に繋がり、卒業しても頭の片隅に私の存在が残ってくれたら素敵なことだと思っています。

決して折れない心をもって成長し、大舞台にチャレンジ

国際基督教大学(ICU)入学後はディベート部に入部し、英語で主張する力を身につけていきました。学内でも一目置かれるほどレベルの高い部活動で、毎日ディベートの練習をしていました。大学の授業で自分の英語力の無さを痛感したので、さらに英語を嫌でも使う環境に身を置くことで、少しずつ話せるようになっていったと思います。それでもディベート部には自分より英語が出来る人がたくさんいるため「英語がおかしい」と言われたり、私が苦手な英語表現の真似をされたりと、からかわれることが度々ありました。みんなにとっては軽い冗談だったので悲しい気持ちにはなりませんでしたが、これが本当に悔しかったので向上心に火がつき、それまで以上に努力することができました。ほかにも、アルバイトで貯めた40万円を使って英会話塾に通ったり、ICUにいる留学生へ勇気を出して話しかけ友達を作ったりして、英語を使う機会をさらに増やしていきました。その結果、ディベート部では自分が納得できる良い結果を残すことができましたし、英語の様々な資格試験でも良い成績を残すことができました。
そんな中、第9回プレコンの案内を見つけました。これからの教育のあり方を問うテーマだったので自分の想いを込めてプレゼンできますし、既存の枠組みから外れたところを見つめることは教員としても必要不可欠だと思い参加を決めました。参加を決めたのは8月頃で1次予選までそこまで時間があったわけではないですが、教員になるにあたって今後どういう授業をすべきかを常日頃から考えていたので、それを形にできる最高の機会でした。

コロナ禍における教育への想い

優秀賞を受賞したことは本当に嬉しいことでしたが、それ以上に自分の想いが聴衆の皆さんに伝わったことが嬉しかったです。私のプレゼンはICT機器を活用した新しい教育システムの提案であり、ウィズコロナを想定しています。教室で先生が生徒に教えるというこれまで当たり前だったことが難しくなった世界で、どうすべきかを具体的に考えました。コロナ禍で生徒同士が直接関わることが難しい状況の中でも生徒たちが楽しめるような授業をしたいという想いをプレゼンに込めることができたと思っています。
また、アイデアを練る上でICUの授業で身につけた批判的思考力が役に立ったと思っています。既存のものをすべて疑ってみる姿勢が、今あるものに捉われずに新しい発想が浮かんでくることに繋がります。学校教育のスタイルにおいても「教室で教えるのではなく色んな場所があるのではないか」「必ずしも先生が教えなくてもいいのではないか」「生徒同士でも教えられるのではないか」といった発想が生まれたのはICUで培った批判的思考力のおかげだと思っています。さらにそこから派生してどんな状況になったとしても「悪い方に捉えずに生かす」という思考が身につきました。コロナ禍も一般的に考えればマイナス要素が多いものですが、それをプラスに捉え何ができるか考える力を身につけられたのはICUで学んだからだと思っています。

自信をもって次のステージへ

今回コンテストで成果を出せたことで将来に対して自信がつきました。教員になったときにどうすればより自分の想いを伝えやすいかを、英語の大切さと共に教えることができると思います。教員としての将来の目標は、生徒たちに勉強する目的を持ってもらうことです。なぜ勉強しているかわからないままだと、テストで悪い点を取っただけで、その途端に勉強が嫌いになり心が折れてしまいます。反対に何か大切にしたい目標や目的があれば、途中で何かあっても簡単には心が折れることなく頑張れると思います。私も英語教員になるという明確な目標があったのでこれまで努力を続けることができました。ただ、自分が納得できる目標を探し、見つけることはとても難しいことです。例え小さな目標であっても何かを見つけることができるよう、生徒が納得するまでその手伝いをすることが私の役目だと思っています。その中で英語を好きになってくれたら嬉しいですが、結果として別の分野に興味を持ってくれても良いと思っています。
英語でプレゼンをすること自体が非常にハードルの高いことで、プレゼンの内容を考えることも大変なことです。ただ、そのプロセスが糧となり自分の中に残ると思います。参加して他の参加者のプレゼンを見るだけでも刺激を受けて、学びを得られると思いますので、ぜひ多くの人がプレコンに挑戦してほしいと思っています。