自信へとつながった専門学校での学び

ジャカ)私はインドネシア出身で小学生のころから大学生まで英語を勉強しました。大学に入学してから日本のアニメに興味を持ち、大学卒業後に国際ことば学院外国語専門学校に入学しました。インドネシアでは小学校から英語を学ぶ機会はありましたが、専門学校に入学し、日本語、韓国語、英語の3か国語を学びました。英語だけでなく、日本語、韓国語でもプレゼンの授業があるので、本選に出場できたのも専門学校の授業がすごく役に立ったのだと思います。

プラビン)私はネパール出身で、私も英語の授業は小学生のころからありましたが、スピーキングは全くできませんでした。大学を中退して働き始めたのですが、どうしても勉強したいという気持ちが強く、留学しようと思いました。最初は英語圏の国に留学するつもりでしたが、友達から日本の話を聞いた時に、日本の生活や季節がネパールに似ており、日本人の性格も自分に合っていると思い、日本の専門学校に入学をしました。専門学校でプレゼンや自分の意見を伝えることができるようになり、英語に対して自信を持つことができるようになったと思います。

ベアトリス)私は幼い頃から日本のブラジル学校に通っていました。小学生の頃からずっと英語が苦手で、高校に入学するまで全然英語ができませんでした。しかし、15歳の時にロンドンに9日間留学に行き、英語を勉強したいと思うようになりました。ハリーポッターが好きなので、ハリーポッターを目的に旅行に行くような感覚で留学に行ったのですが、現地の大学のキャンパスで、さまざまな国籍の学生が英語で流暢に話しているのを見て、衝撃を受けました。その時に本格的に英語を学びたいと思い、高校卒業後にすぐに専門学校に入学しました。授業内でプレゼンをする機会が多いので、プレゼンで余裕を持てるようになりましたし、ジェスチャーを意識することもできるようになりました。

チームだからこそ達成できた本選出場

ジャカ)ベアトリスさんと私はプラビンさんに誘われてコンテストに参加しました。最初は誘いを断ったのですが、学生生活の最後に3人で良い思い出を作りたいと思い、参加を決めました。役割分担をしてプレゼンを作ったのではなく、一つ一つみんなで意見をまとめながら、協力して作り上げていきました。チームワークが凄く良かったのだと思います。自分に足りていない部分が多くあったので、二人がいたからこそ、本選に出場することができたのだと思います。

プラビン)最初に過去の入選者のプレゼン動画を見たとき、こんな素晴らしいプレゼンできるなんて凄いなと感動しましたし、自分たちもこんな風にプレゼンができたらと思っていました。もともと自分に自信をつけるためにコンテストに参加したのですが、練習をしていくうちに自分たちの思いや提案を皆に伝えたいという気持ちに変わっていきました。特に私の出身のネパールでは家父長制に基づく考え方も根強く、まだまだ男女平等社会には程遠いので、ジェンダー教育を提案する今回のプレゼンには熱が入りました。結果、本選に出場して、大勢の前でプレゼンをやりきれたことはとても自信になったと思います。

ベアトリス)3人で参加したことがとても大きかったと思います。ジェンダー問題をテーマに選択したということもあり、チームで取り組むことで男女で違う意見も出ますし、3人それぞれ国籍が違うので、文化も考え方も違います。それがプレゼンの内容に大きく影響したと思います。特に私の出身のブラジルでは、フェミニズム活動が盛んで、日常生活や学校の友達との会話の話題でも出てきます。ブラジル学校で当たり前に学んでいたジェンダー問題が、日本では当たり前でなかったという驚きがありました。ピンクレンジャーがいつも女性で赤レンジャーがいつも男の人でリーダー的存在、おとぎ話ではいつも王子様がお姫様を救うのが当たり前といった、幼い頃から感じていた疑問や違和感をプレゼンに生かすことができて良かったです。

子供たちにわかりやすく、楽しんでもらえるワークショップを追求

ジャカ)私たちは子供のころに正しい認識を持ってもらうことが大切だと考えています。だからこそ、8歳~9歳を対象としたワークショップ「DATE」を提案し、職業やスポーツ、遊びに男女の決まりはない、男女で助け合うことの大切さを認識してもらえるようなコンテンツを作りました。「DATE」を経験することで、例えば、男の子が自分の母親が皿洗いをしているのを見たときに、「一緒にお皿洗いするよ」といって手伝いをするようになると思います。日常的なことも「DATE」内で扱っているからこそ、そういった場面になったときに実践できると思います。母国のインドネシアは植民地の時代もあったため人権を非常に重んじる国です。そんな母国でも通じる、私が子供のころにはなかったワークショップを考えました。

プラビン)「DATE」は子供たちにわかりやすく男女平等といった基本的な考えを教えることができ、さらに各学校でも簡単に取り組めるものなので、そういった実現可能性が評価されたと思っています。また、ただ机に向かって勉強するだけというよりは、自分で体を動かしながら学んだ後に勉強することで、効率的に理解できるのではないかと思っています。ワークショップの内容はもちろんですが、男女を想起させる「DATE」といった名前にもこだわりました。

ベアトリス)幼い子をワークショップの対象としているので、自然と子供どうしが仲良くなれ、飽きが来ないように屋内だけでなく、屋外でも楽しむことができるようなものを考えました。ワークリストを使った認識チェックは、実際に私が高校のころやったものです。このワークショップは日本の小学校だけでなく、文化にも左右されないので他の国でも取り組むことができるものになっています。そういった点も本選に進むことができた理由なのかなと思っています。逆に、本選では質問対応がうまくいかなかったと思っており、準備不足だったと感じています。

第9回大会参加学生へのメッセージ

ジャカ)プレコンに参加したい気持ちがあるのであれば、英語が上手に話せないからと言って諦めずに参加すべきだと思います。プレコンに向けて勉強や努力をすれば、きっと何とかなるはずです。結果だけを追うのではなく、そこまでのプロセスが一番大切です。やってみないとわかりません。是非、皆さんも参加してみてください。

プラビン)私はもともと大人しい性格で人前で話すことが苦手でしたが、専門学校での毎日の小さな積み重ねがあって、本選に出場して大勢の聴衆の前でプレゼンができるまでになりました。考えてみると、その小さな積み重ねにも最初の一歩がありました。その一歩が踏み出せるかどうかがとても重要です。結果がどうなるかわかりませんが、まずは一歩を踏み出してプレコンに参加してみてください。

ベアトリス)私も人前で話すことが苦手でしたが、自分の英語力やどれだけ人前でプレゼンできるかを試してみたいと思い、プレコンに参加しました。自分の人生の中でプレコンに参加したことは大きなチャレンジで、当初は参加するかどうかを迷っていたほどでした。しかし、参加してみることで自分は何ができて、何ができないのか、自分の弱点もわかりました。また、チャレンジしたことで成長できた部分が多くありました。いい経験を積み重ねるほど自分自身を成長させることができるはずです。是非、皆さんもチャレンジしてみてください。