活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.62/ブラジル)

“活躍するKUIS在外公館派遣員たち”というテーマで、赴任中または帰国後の様子を紹介するシリーズ第62弾。

元在サンパウロ日本国総領事館派遣員の小林 俊也さんをご紹介します

小林 俊也さん(イベロアメリカ言語学科ブラジル・ポルトガル語専攻2017年3月卒業)

逆算して決めた決断

「プロサッカー選手の通訳になりたい。」
この夢を叶えるために、未知であるポルトガル語の世界に飛び込むことを決め、神田外語大学イベロアメリカ言語学科ブラジル・ポルトガル専攻に進学を決めた。

「プロの通訳になるためには、相手の言葉だけでなく、文化や歴史を知りたい」
その考えを基に大学3年生のときに1年間休学をしてブラジルに留学することを決めた。

留学から帰国して、この在外公館派遣員の制度を知り、直後に試験を受けて、在サンパウロ総領事館の勤務が決まった。本当は卒業と同時に通訳の道に行くことも考えていたのだが、敢えて、「ポルトガル語は使えるけどサッカーとは無縁の道」を選んだ。任期の2年間はサッカーと携わらない分遠回りに見えるかもしれないが、この2年間のうちに総領事館で経験することはプロの通訳になったときに一つの武器になると思ったからだ。もちろんブラジルという国で言葉を使って働ける魅力や留学時代にたくさんの人に支えられた分、総領事館で日本とブラジルの両国のために働きたいという気持ちもこの道を選んだきっかけだ。

総領事館での業務内容

通訳や翻訳業務を主として官房班に配属された。
業務内容はとしては、
1.官用車の手配・修理に伴う見積りの取得や物資調達を含む官用車の管理
2.会議での資料作成
3.館員の住居契約に関する通訳及び契約書の翻訳、現地医療関係者との医療・病院に関する通訳
4.要人対応
などがあげられる。特に4.要人対応に関しては、中南米の入口であるサンパウロは件数だけでも非常に多い。サンパウロ州政府との会議・交渉や空港制限区域内での誘導や出入国審査やチェックイン支援、車輌手配、警備員や運転手へのポルトガル語での指示や宿舎留保やそれに伴う交渉など、様々なことが求められる。

多くの要人対応の中でも特に、
・2017年 サンパウロ ジャパンハウスのオープンに伴う副総理大臣兼財務大臣の来伯
・2018年 ブラジル移民110周年式典に伴う皇族の来伯
 
この二つが最大規模の要人アテンドであったが、それ以外にも数多くの政治家を含む要人の対応があった。

任期終了から現在まで

任期終了後は、かつての夢であった「プロサッカー選手の通訳」の道へ進んだ。帰国後の2019年から山口県をホームタウンとするJ2リーグ「レノファ山口FC」にて2年間通訳として活動した。そして2021年からは現在所属している東京都をホームタウンとするJ1リーグ「FC東京」で通訳兼マネージャーとして活動している。いま求められているのは、通訳だけでなく、マネージャーという役職。兼任しているので、ただ単に言葉を訳すだけでなく、マネージャーとしてチームのサポートをする仕事では、要人対応などでも培ったゴールまでを逆算して組み立てるなどといった派遣員時代の経験が無駄ではなかったと思う。

 在外公館派遣に行くことが必ずしも成功ではないかもしれない。
 それでも他国で過ごす2年間。
本気で仕事して楽しんだ分だけ成長できると思う。
なりたい夢や目標がある人もない人も、価値のある2年間になることを願っています。

ブラジル連邦共和国(Federative Republic of Brazil)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:851.2万平方キロメートル(日本の22.5倍)
2. 人口:約2億947万人(2018年世銀)
3. 首都:ブラジリア
4. 民族:欧州系(約48%)、アフリカ系(約8%)、東洋系(約1.1%)、混血(約43%)、先住民(約0.4%)(ブラジル地理統計院2010年)
5. 言語:ポルトガル語
6. 宗教:カトリック約65%、プロテスタント約22%、無宗教8%(ブラジル地理統計院2010年)

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