活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.42/オーストラリア)

“活躍するKUIS在外公館派遣員たち”というテーマで、赴任中または帰国後の様子を紹介するシリーズ第42弾。

元在メルボルン日本国総領事館派遣員の中村 萌美さんをご紹介します

中村 萌美さん(国際コミュニケーション学科国際コミュニケーション専攻2018年3月卒業)

派遣員を目指したきっかけ

私が派遣員を目指したのは、2年の任期が私にとっては自分の人生と向き合う「猶予期間」になるのではと考えたからです。
1〜2年次に履修していた国際関係論や国際平和論で「国境のないジャーナリスト」という非営利団体を知り、自分のように文系で特別なスキルがなくても、言葉で世界平和に貢献できるのかと感動し、国際ジャーナリストを目指すようになりました。その夢を叶えるため、大学3年次にはニュージーランドへ留学し、メディア関係の勉強をしました。しかし、帰国後、初期の就職活動を通して、日本のメディア業界の労働環境が自分が求めるものではないと知り、喪失感を感じると共に、私に何ができるのだろう、何がしたいのだろうという焦りを感じていたところ、久保谷先生の授業の存在を知りました。
最初は一般教養の勉強として履修しようと思っていたのですが、この授業の中で先生や先輩の派遣員としての経験を耳にし、広報活動に携わっている人も少なくないことに気づきました。そこで、留学で経験したことを生かして海外で日本の良さを発信できるのではと思いました。働きたいという意欲が湧かない適当に選んだ会社で無難に働くより、少しでも興味のある分野で2年間の任期の間、じっくり自分と向き合うことができれば、という思いで派遣員を目指すことにしました。

派遣員時代の経験

派遣員の業務として一般的な、配車、出張者支援、宿舎留保、フライト手配等の庶務を主に担当していました。2年目からは、1年目にアピールした行動力を買ってもらい、広報文化活動(学校訪問)や邦人援護の業務にも携わりました。
特に邦人援護業務では、ワーキングホリデーでオーストラリアを訪れている若者を対象にしたイベントの企画、運営を任せてもらうなど、入社2年目にして大変貴重な経験をさせてもらいました。自分と同じように海外で活躍したいと志す若者が、安心、安全に生活ができるよう、微力ながら貢献できたというやりがいと社会人としての自信がつきました。
派遣員は、見方によれば何でも「やらされる」ポジションであり、「やらせてもらえる」ポジションでもあります。当初は、こんなことをやらされるのか、と不満に思った時期もありましたが、今はそのおかげで再就職先にも恵まれ、現在も国際関係・外交関係の仕事に従事しています。今となっては、派遣員を経験しなかった自分を想像することすらできません。今後は、大学時代から興味のあった国際関係についてさらに勉強するため、仕事をしながら大学院への進学を考えています。

オーストラリア連邦(Commonwealth of Australia)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:769万2,024平方キロメートル(日本の約20倍、アラスカを除く米とほぼ同じ)
2. 人口:約2,565万人(2020年3月。出典:豪州統計局)
3. 首都:キャンベラ
4. 民族:アングロサクソン系等欧州系が中心。その他に中東系、アジア系、先住民など。
5. 言語:英語
6. 宗教:キリスト教52%、無宗教30%(出典:2016年国勢調査)