活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.30/インド)

“活躍するKUIS在外公館派遣員たち”というテーマで、赴任中または帰国後の様子を紹介するシリーズ第30弾。

元在インド日本国大使館派遣員の石原 芙美香さんをご紹介します

石原 芙美香さん(国際コミュニケーション専攻2015年3月卒業)

インド赴任までの道のり

もともとは海外事業に携われる民間企業への就職を目指し、就職活動を行っていました。就職活動の最中、偶然友人から「在外公館派遣員制度」について、大学内で対策クラスがある事を耳にし、「とりあえず、なんとなく」で参加した事が今考えれば人生の大きなターニングポイントになったと感じています。正直なところ、初めのうちは勉強会への熱意が全くなかったと思います。しかし、授業を継続して行くうちに久保谷先生の学生に対する姿勢・熱意・想いを知り、先輩方の赴任経験談に感銘を受け、私の取り組む姿勢も変化し、いつしか「必ず派遣員として大使館で働きたい」という目標へと変わって行きました。残念ながら、在学中は合格することが叶いませんでしたが、民間IT企業にて約3年間の勤務を経て再受験し、インド大への赴任が決定しました。再受験を決めた際に久保谷先生から「石原くんは必ず戻ってくると信じていたよ。」と仰って頂いたことは忘れられない言葉となり、今でも感謝の気持ちで一杯です。

大使館での業務内容

私は総務班兼会計班に所属していました。総務業務では大使館内の生活や業務が円滑に回るよう、各種館内規定の改定やその他必要資料の作成など。会計業務では、離着任者への支援(査証や外交官I Dの取得)等の後方業務、様々な事務作業を行なっていました。同業務に加え、派遣員業務の中で最も重要とされているのは「便宜供与」と呼ばれる業務です。日印間が年々密になっていることもあり、沢山の要人の方がインドへお越しになります。特に宿舎や空港での調整には派遣員はキーパーソンになるので、率先して調整を進める必要があります。インドは事前準備という概念がない国なので「事前調整していたのに当日行ってみたら何も出来ていない・話すら通ってない」なんて事は日常茶飯事です。とにかく、精神のタフさと交渉力、その場でなんとか形にする機転や柔軟性はインド大派遣員において最も大切な能力です。

その他、出張の機会も幾度か頂き、2018年に実施されたAPEC首脳会談(パプア・ニューギニア開催)や秋篠宮殿下御一行のブータン御訪問に参加させて頂きました。特にPNGでは、総務班兼宿舎班として総理大臣及び外務大臣御一行の現場ロジ(宿舎マネージャーとの第一窓口)を務めました。緻密な調整の甲斐もあり、問題なくロジを終えられたこと、最後にホテル関係者が涙して成功を喜んでくれたことは非常に大きな達成感となり、そしてその経験が私の今後の人生に大きく影響を与えたのは間違いありません。

これから派遣員を目指す在学生のみなさんへ

みなさんはどんな想いで勉強会に取り組んでいますか?
心から派遣員を目指している人、世界情勢を勉強したい人、その他に目標がある人、様々な背景から勉強会に参加していることと思います。どんな事情であれ、一生懸命勉強会に取り組んでみてください。単位だけでは測れない大きな知見や考え方を学べるはずです。そして本当に派遣員になってみたいという方は、久保谷先生に食らいつくぐらい熱量を持って取り組んでみてください。もし、失敗してしまった人がいたとしても、本当にやってみたいと思うのであれば、納得するまで挑戦し続けてみてください。どんな形であろうと必ずその先で「あの時、一生懸命頑張って良かった」と思える日が来るはずです。

最後に、もし希望以外の国になってしまってもぜひ、前向きに挑戦してみてほしいです。
きっと尊敬する上司、切磋琢磨しあえる同僚、楽しく過ごせる仲間など一期一会の出会いと経験があなたを待っています。

インド(India)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:328万7,469平方キロメートル
2. 人口:12億1,057万人(2011年国勢調査)
3. 首都:ニューデリー(New Delhi)
4. 民族:インド・アーリヤ族、ドラビダ族、モンゴロイド族等
5. 言語:連邦公用語はヒンディー語、他に憲法で公認されている州の言語が21
6. 宗教:ヒンドゥー教徒79.8%、イスラム教徒14.2%、キリスト教徒2.3%、シク教徒1.7%、仏教徒0.7%、ジャイナ教徒0.4%