活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.26/セルビア)

“活躍するKUIS在外公館派遣員たち”というテーマで、赴任中または帰国後の様子を紹介するシリーズ第26弾。

在セルビア日本国大使館派遣員の川原萌々さんをご紹介します

川原萌々さん(英米語学科2018年3月卒業)

セルビアというと何を想像しますか?凄惨な紛争の歴史、テニスやバレーボールをはじめとするスポーツ大国、西洋と東洋の十字路など色々とあると思いますが、「在セルビア日本国大使館の派遣員に内定しました。」そんな合格通知の電話を受けた時に、あまりに未知の国であったため、合格の嬉しさ以上に不安が大きく泣いてしまったことを今でも鮮明に覚えています。初めての長期海外生活、初めての一人暮らし、初めての仕事。不安な素振りはみせないようにしていましたが、赴任を決意してもなお、久保谷先生には沢山相談しました。「この機会を逃したらセルビアで2年もの貴重な時間を過ごすチャンスは二度と来ない。」先生方からのそんな後押しを受け、セルビアとのご縁を信じて赴任しました。

様々な不安を抱えたまま赴任しましたが、数日間ですぐに適応しました。街を歩くと西洋風の建物と共産主義の時代を色濃く残す建物が混在する町並み、軒を連ねるおしゃれなカフェ、ボリューム満点で素朴で美味しい食事、親日的で明るく暖かい人々のおかげですぐにセルビアが好きになりました。実際に赴任してみたら私が想像していたような重々しい雰囲気とは全く異なっていたのです。まさに「百聞は一見に如かず」でした。
仕事面では大型ロジのため大変な時期もありましたが、館員・現地職員にも恵まれ、「楽しい」に溢れた有意義な毎日を送っております。今では、赴任前のネガティブな私をよく知る久保谷先生から派遣員を「一番楽しんでいる人」と言われています。また、東欧に位置するセルビアは旅行に理想的なロケーションにあります。日本からは遠くて手が出せなかった旅行先が目と鼻の先にあるのです。2年間の間にヨーロッパや中東をメインに15ヶ国訪れました。今までメディアを通して見ていたものや大学の授業で勉強したものを実際に自分の目で、肌で感じることができ、今しかできない充実した時間を過ごすことができました。

今まで全く触れたことがなかった国で生活をしてみて、大学時代に国際関係のゼミで世界に目を向けてきたとはいえ、自分がみていた世界がいかに狭く、自分の好みに偏った世界であったということを実感しました。大学を卒業してすぐのタイミングで、学んできたことを活かしながらも自分の視野を広げる時間を与えられたことは非常に幸せでした。セルビアでの経験が私自身に大きな影響を与えたことは間違いありませんし、ここでの時間なくして今の私はなかったと思います。セルビアに赴任することはまさに運命だったとさえ感じています。

セルビア共和国(Republic of Serbia)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:77,474平方キロメートル(北海道とほぼ同じ)
2. 人口:712万人(2011年国勢調査)
3. 首都:ベオグラード
4. 民族:セルビア人(83%)、ハンガリー人(4%)等(2011年国勢調査)
5. 言語:セルビア語(公用語)、ハンガリー語等
6. 宗教:セルビア正教(セルビア人)、カトリック(ハンガリー人)等