活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.19/中華人民共和国)

“活躍するKUIS在外公館派遣員たち”というテーマで、赴任中または帰国後の様子を紹介するシリーズ第19弾。

元在中華人民共和国大使館派遣員の永野陽美さんをご紹介します

永野陽美さん(アジア言語学科中国語専攻2年 ※在外公館派遣員を経験後、復学)

在外公館派遣員を志した理由

私は大学に入学する前から在外公館派遣制度の存在を知っており、神田外語大学では試験対策の勉強会が行われているという理由もあり、この大学に進学しました。私の親族には元中国残留孤児がおり、当時の話を聞くたびになぜ日中両国の間には悲惨な過去が起こってしまったのか、今後日中関係がより良い方向になるためには、私は何ができるのかと考えてきました。考えた結果、将来は外交関係の職場に勤め、日中友好、日中関係改善に向けて前向きな対策を提案していくことに辿り着きました。これらの理由より、キャリア選択の一つとしてこの在外公館派遣制度を利用したいと志しました。

在中華人民共和国大使館に赴任した2年間

在中華人民共和国大使館(以下中国大)は世界にある日本の在外公館で一番大きい公館となっており、日本人職員が約100名、現地のアルバイト含む中国人職員も約100名と全体で約200名の職員が勤務している大規模公館です。館員数が多いということはその分、日本は中国のことをどれほど重要視しているのかがうかがえます。さらに、日本から訪中される国会議員や出張者も多く、政治界に限らず経済界の要人など沢山の方々が中国に来られているため、1年にわたって常に繁忙期といった状態でした。中国大には派遣員が3名おり、3名とも総務部庶務班に配属されていました。主な仕事内容は要人の空港支援をはじめ、航空券・ホテルの手配、館員の外交人員証および外交マルチ査証の取得、第三国ビザの申請、外交貨物等の税関手続き、館用車の管理等を行っております。

私は2年生の前期が終わった段階で、中国大で派遣員として勤めさせて頂きました。着任した当時は20歳になったばかりで社会経験も全くない状態で行きましたが、派遣員の先輩や上司に一つずつ丁寧に教えて頂き、少しずつではありましたが仕事に慣れていきました。最初の頃は仕事に慣れず、ミスをしていた時期もあり、私はこの仕事に向いていないのかなと不安や心配にかられ、辛く苦しい時期もありましたが、今思うとこの辛い時期を乗り越えたことで一歩成長した自分に会えることができました。外国の地で一人で生活し、仕事をすることは容易なことではありません。他方で、普通の学生が体験できないようなことを沢山経験することができました。任期中に安倍内閣総理大臣の訪中が1回、河野前外務大臣と二階自民党幹事長が3回、その他各省庁の大臣や国会議員の便宜供与をさせて頂きました。大型ロジの大変なところは直前になって変更が生じることで、物事が確定しないケースがしばしばあります。例えば、必要な車が現場に来ていなかったり、会場に入るためのバッチを渡され現場に行くと、このバッチでは入れないと言われたり、車番登録をしているにも関わらず会場に入れなかったりと、事前に話していたことと違うことが多々ありました。多岐にわたるロジを重ねるたびに「先を見る力」「急な変更にも柔軟に対応する力」「視野を広くし周りを見る力」を身につけることができました。

北京での生活

私は留学の経験がなかったので、今回が初めての海外長期滞在でした。当初私は中国での生活環境に対してプラスなイメージはあまり持っていませんでした。ところが、いざ生活を始めると、物価は安いし交通の便も良い、なんといっても中国は今キャッシュレス化が進んでおり、光熱費の支払い、病院の受付、料理・食材・薬等のデリバリー、郵便配達の依頼、タクシーの配車など、スマホ一つで何でもできます。日本で流行っているタピオカドリンクも低価格ですぐにデリバリーできます。また、スマホ決済のアプリが広くいきわたっているため、電子マネーで払えない場所はほとんどありません。

3,4年前までは大気汚染に悩んでいた中国ですが、近年は自動車や工場の排気ガス指数を制限するなどの対策を行っており、下に掲載されている写真を見てわかる通り、日本と変わらない青空をほぼ毎日見ることができます。生活面では、中国のほうが過ごしやすく感じます。

今後のビジョン そして派遣員を目指す皆さんへ

現在は2年間の任期を終え、この神田外語大学に復学し、学生生活に戻っております。帰国する前、中国大の館員の皆さんに、もし大学に戻るとしたら、どんな学生生活を送りたいですかと質問したところ、「沢山のことを勉強し学問に励むこと」と「いろいろな国へ旅行すること」という回答が一番多かったです。一見普通のことを言っているかもしれませんが、確かに私もそのように思います。一度社会に出ると自分がどういった点でまだ勉強が必要なのかが分かるようになります。幸い私は大学に戻れますので、学生のうちにその不十分な点をクリアにしていき、高い志を持って勉強に励んでいきたいと思います。そして将来はまた外交関係の仕事に戻れたら良いなと考えております。学生のうちにこのような貴重な経験ができる制度は滅多にありません。この制度への挑戦をサポートして頂きました久保谷先生(神田外語大学グローバル・コニュニケーション研究所)をはじめ、国際交流サービス協会のスタッフの皆様には大変感謝しております。

これから派遣員として赴任される方や派遣員を目指す方は不安や心配があるかもしれませんが、赴任地での2年間は自分を強くさせ、多方面で成長させてくれます。人生のキャリアアップの第一歩として大きく踏み出して頂ければと思います。

中華人民共和国(People's Republic of China)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:約960万平方キロメートル(日本の約26倍)
2. 人口:約13.90億人
3. 首都:北京
4. 人種:漢民族(総人口の約91.5%)及び55の少数民族
5. 言語:漢語(中国語)
6. 宗教:仏教・イスラム教・キリスト教など

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