活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.78/ミャンマー)

元在ミャンマー日本国大使館派遣員の市原 壮真さんをご紹介します

市原 壮真さん(英米語学科3年)

はじめに

ミンガラーバー!

英米語学科3年の市原壮真です。2021年から2023年までの2年間在ミャンマー日本国大使館で勤務しておりました。大使館の業務やヤンゴンでの生活について、ご紹介します。派遣員を志す方に参考にしていただくとともに、ミャンマーについて知っていただける機会となれば幸いです。

大使館の業務

官房班に所属し、旅費等の執行管理、航空券やホテルの手配、館用車の管理、館員の離着任支援などを主に担当していました。

新型コロナウイルスや政変の影響で出張者対応などはほとんどなく残念ではありましたが、その分会計業務により広く携われたのではないかと思います。3年生の前期が終わった時点で休学して勤務を開始し、初めは右も左もわからない状態で苦労しましたが、経験豊富な先輩方のおかげで徐々に業務に慣れていくことができました。たくさんの尊敬する人に出会えたことは大使館で勤務して良かったことの一つで、社会人としての振る舞いや業務に対する姿勢などたくさんのことを学びました。

言語という観点からは、残念ながら私はミャンマー語ができないので(着任してから勉強しました)英語で業務を行っていました。英語圏ではなくアジアで英語を使うとはどういうことか、勉強になった部分でもあります。共通語としての英語そして言葉が持つ力を改めて実感しました。

また、特殊な状況下で日本の「普通」が通用しない中、柔軟に対応する力や諦めずに困難を乗り越える力が鍛えられたと思います。各国政府や日系企業の動向などを含め、日本と全く異なる政治・経済情勢を肌で感じながら働くことは刺激的で、あっという間の2年間でした。

ヤンゴンでの生活

大使館が置かれているヤンゴンはミャンマー最大の都市であり旧首都です。(首都は2006年にネーピードーへ移転されました。)

私は海外に長期滞在するのが初めてでしたが、物価は安く、日本食レストランも複数あったため、生活はそこまで大変ではありませんでした。ただ、様々な制約があることも事実ですし、日々生活する上でもアンテナを高く張り、最新の情報を把握することは当然必要で、そのような環境で学んだことは多かったように思います。

週末はゴルフ、テニスやミャンマー語の勉強をしたり、現地の日本語学校の授業にお邪魔したりしていました。(政情不安や雇用情勢などから外国での就労や留学を目指す若者が増加しており、中でも日本は主要な行き先の一つになっています。)学校ではミャンマーの若者と実際に話をする中で国のリアルな現状を感じることも多々ありました。厳しい状況で日本に興味を持ち、そして国の未来を担うことになる彼らに対して何ができるのか、そんな問題意識を持った任期でもありました。実際に現地で奮闘する方々に心を動かされたことも少なくありませんでした。

連休にはミャンマー国内や東南アジア各国を旅行することもできました。国内でも場所によって違った魅力・課題があり、ミャンマーという国の奥深さを感じました。各地にはパゴダと呼ばれる仏教の建造物がたくさんあり、中でもヤンゴンにあるシュエダゴン・パゴダの黄金に輝く姿は圧巻で、何度も訪れました。(ぜひ写真をご覧ください!)業務以外にもミャンマーに住んでいるからこそできる経験がたくさんあり、なんでも挑戦してみることでより充実した任期になったと感じます。

最後に

大使館員を含めミャンマーでお世話になったみなさま、そして挑戦を支援してくださった久保谷先生をはじめ数多くの方々に支えられ、この貴重な2年間を過ごせたことを大変嬉しく思います。この場をお借りして改めて感謝申し上げます。異国での2年間は挑戦と学びの連続で決して簡単なものではありませんでしたが、自分を大いに成長させてくれたことは間違いありません。学び得た多くのことを活かせるよう、これからも目の前のことに一生懸命取り組み、自分の可能性を信じて努力していきたいと思います。これから派遣員を目指される方は様々な困難が待っているかと思いますが、思い切って一歩を踏み出してください。応援しています。

ミャンマー連邦共和国

【外務省HP/一般事情より】
1. 68万平方キロメートル(日本の約1.8倍)
2. 5,114万人(2019年推計(ミャンマー入国管理・人口省発表))
3. 首都:ネーピードー
4. 言語:ミャンマー語(公用語)、シャン語、カレン語など
5. 宗教:仏教(90%)、キリスト教、イスラム教等