活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.77/ネパール)

元在ネパール日本国大使館派遣員の坂本 大輔さんをご紹介します

坂本 大輔さん(国際コミュニケーション専攻3年)

はじめに

Namaste!
在ネパール日本国大使館で2021年10月〜2023年9月まで勤務していた、国際コミュニケーション専攻の坂本大輔です。
南アジアにある小さい国なので、名前を聞いてもパッとしない国だと思います。そのような国での派遣員生活がどう言ったものなのか、想像する手助けになれば幸いです。

ネパールでの生活

ネパールと聞いて何を思い浮かべるでしょうか。エベレストが出てくる方は多いのではないしょうか。確かにネパールはヒマラヤ山脈が連なる国なのですが、ネパール大使館のあるカトマンズという首都は標高約1300mの盆地です。実は、カトマンズからは綺麗な山々は秋や冬のシーズンに少し見えるくらいです。そんなカトマンズの魅力は山とはまた違う、活気あふれた町並みだと思います。無造作に建てられたビルや家々の中にいきなり寺院が現れたり、常にクラクションが響き渡っていたりと五感が常に刺激されているような街です。

ネパールの公用語はネパール語です。ネパール人は基本的に人懐っこくとても積極的に話しかけてくれる人たちが多いです。中には自称ガイドでお金を請求してくる人もいますが、ネパール語で話しかけるととても喜んでくれます。私は自分の事を表現することが苦手でしたが、彼らもそれを受け入れてくれることで、一歩踏み出すことができました。ネパールで出会えた人はみんな素敵な人ばかりでした。同じ年代の友人もでき、彼らの英語の能力の高さにはいつも驚かされ、同じ第二言語としての英語話者ということで私のモチベーションになっていました。

カトマンズの外には自然豊かなジャングルや、ラフティングのできる川などがあり週末や連休に遊びに行きました。年末には少しですが、6000m級の山々をながめながら日の出を見ていました。

派遣員業務

ネパールは他国に比べると議員の便宜供与などは少なく、主な業務は大使館員の業務のサポートでした。

業務内容
・館内予定表の作成 ・配車管理 ・空港送迎 ・着任者の生活立ち上げ支援 
・離任者の支援(銀行口座の処理・引越し業者の手配など)
・旅費精算 ・ホテル手配 ・航空券手配
・その他(ネパールでの生活状況の調査 ・ネパールに関する資料の作成など)

コロナ禍では、現地職員も含めた館員が感染した場合に物資を届けるなどといった支援や、感染を回避しつつも業務を行うために自宅から職場への配車計画を立てるなどといったことも行いました。どの病院や薬局に検査薬があるのかなどの情報収集は現地職員との協力が必須だったので、密にコミュニケーションをとりながら行なっていました。

コロナが落ち着き、通常の業務に戻りレセプションや日本からの出張者対応も行いました。出張者からの突然の要望などにも最初は戸惑いましたが、後半はやるしかないと割り切って対応していくように気持ちを切り替えることができるようになり、冷静に対応する力を見つけたと感じています。その他にもこれまで話したことのないようなホテルの支配人や空港の管理人とも話す機会があり、そのような場面でも緊張はするものの、堂々と要望や意見を伝えていく度胸をつけることができました。いち派遣員がこのような機会を得られるのは、小規模の公館ならではかもしれません。

この派遣員を通して、何か実用的なスキルが身についたといったことはありませんでした。
しかし、上記に書いたようなメンタリティなどは今後の自分を支えていくものになるのではと考えています。派遣員をやってよかった!そう言えるよう今後も精進していきます。

ネパール

【外務省HP/一般事情より】
1. 14.7万平方キロメートル(北海道の約1.8倍)
2. 人口:3,054万7,580人 (2022年 世銀)
3. 首都:カトマンズ
4. 言語:ネパール語
5. 宗教:パルバテ・ヒンドゥー、マガル、タルー、タマン、ネワール等