活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.64/パキスタン・イスラム共和国)

“活躍するKUIS在外公館派遣員たち”というテーマで、赴任中または帰国後の様子を紹介するシリーズ第64弾。

元在カラチ日本国総領事館派遣員の上野 真琴さんをご紹介します

上野 真琴さん(国際コミュニケーション専攻2020年3月卒業)

カラチでの経験

派遣員の試験を受験するか具体的に決めてはいませんでしたが、その先の選択肢を広げたいという思いから1年生のころから勉強会に参加していました。当初は派遣員になられた先輩方の話を少し遠い世界のように聞いていた自分がいました。しかし、その後の勉強会や留学などの経験を通し、やはり自分も在外公館派遣員に挑戦したいと考えるようになりました。

派遣員として赴任する可能性のある国は自分が旅行先などとして思いつく場所よりも遥かに幅の広い地域や国が選択肢としてありました。だからこそ、受験をした際はどんな地域や国も運命、縁だと考えて必ず行くぞ!という強い思いを抱いていました。

皆さんはカラチと聞いてどこの国か思いつきますか?カラチはパキスタンの南部に位置しています。私自身、当時はカラチについてほとんど何も知らない状態であったため、赴任先が在カラチ日本国総領事館であると連絡をいただいた日から出発するまでの間にパキスタン、カラチについて何度も調べました。ですが、情報も限られており、調べれば調べるほど受験時の意気込みに反して不安な気持ちが大きくなっていきました。一歩を踏み出してみたものの大きすぎる不安から気持ちが完全には追いつかないまま、コロナ禍で閑散とした成田空港を出発しました。

総領事館では官房班に所属し業務を行っていました。自分で選び、踏み出した一歩ではありましたが目まぐるしく状況の変わるパキスタンでの業務、治安やインフラの不安定さによる日常生活上の制限には何度も挫けそうになりました。館員の方々を始め、支えて下さった周りの方々の存在、パキスタンの人々の優しさやおっとりとした陽気な雰囲気がなければ乗り越えることが出来なかったと思います。

この二年間に経験したどんなことも今日の自分に繋がっていると感じています。そして、不安に胸がいっぱいになりながらも人のまばらな空港を出発したあのころの自分より、少し勇気が持てるようになった気がします。これからも支えてくださったすべての方々への感謝の気持ちを忘れず、一歩一歩が未来の自分に繋がると信じ、新たな道を歩み続けていきたいです。

パキスタン・イスラム共和国(Islamic Republic of Pakistan)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:79.6万平方キロメートル(日本の約2倍)
2. 人口:2億2,090万人(UNFPA世界人口白書2020)
3. 首都:イスラマバード
4. 民族:パンジャーブ人、パシュトゥーン人、シンド人、バローチ人等
5. 言語:ウルドゥー語(国語)、英語(公用語)
6. 宗教:イスラム教(国教)