第18回グローバル・スタディーズにて吉川前国連大使による特別授業「『国連の歴史と役割、これからの日本、世界はどうなる』 講演会を振り返って」が開催されました

グローバル・コミュニケーション研究所(GCI)が開催する第18回グローバル・スタディーズ(6月10日)において、吉川元偉(よしかわ・もとひで)前国際連合日本政府代表部特命全権大使(本学客員教授)による特別授業が行われました。今回は新型コロナウイルス感染症対策として、メール等を利用した遠隔授業となりました。
吉川大使が以前に神田外語大学で講演した「国連の歴史と役割、これからの日本、世界はどうなる」を題材とし、受講生は自分自身の意見や考えを文章にまとめ、吉川大使に送りました。吉川大使はそれを読み、このような困難な状況下でも勉学に励む受講生に向けて、一人ひとりに丁寧なコメントを送りました。受講生は吉川大使からのフィードバックにより、これまでの学びについて振り返るとともに、グローバル社会に対する新たな知見を得られた様子です。
(写真は過去のグローバル・スタディーズで撮影したもの)
第19回(次回)のグローバル・スタディーズでは、吉川大使によるオンライン形式での特別講義を予定しています。
受講生は、吉川大使と意見交換ができることを非常に楽しみにしています。

吉川大使による総評

グローバル・スタディーズ履修生の皆様

今学期(前期)がオンライン授業になったため、今回の講義は以前に神田外語大学で行なった講演会記録を読んで感想文を送って頂き、私がコメントするという方法に変更いたしました。
その講義録を送ったところ、その日のうちに3人の方から感想文が届き、驚くとともにその熱意に感激しました。その後も感想文の提出は続々と続き、40通を超えました。
なお、これまでに受け取った感想文は、いずれも講演の内容をよく理解され、学んだ点や疑問点を自分の言葉で表現し、更にこれからの進路に関連させている方が多いのを高く評価します。

吉川元偉

吉川元偉(よしかわ・もとひで)
前国際連合日本政府代表部特命全権大使
神田外語大学 客員教授

1951年、奈良県生まれ。
国際基督教大学教養学部社会学科を卒業後、1974年に外務省に入省。
国際連合日本政府代表部特命全権大使・常駐代表、在スペイン日本国大使館特命全権大使、初代アフガニスタン・パキスタン支援担当大使、経済協力開発機構(OECD)日本政府代表部特命全権大使等を歴任。
英、仏、西3カ国語を話す。

受講した学生の感想・コメント

全体を通してとても理解しやすく、国連を中心に近現代の世界の動きについて考えることができました。また大学3年生という時期に読んだことで、改めて自分に何ができるかを問うきっかけになりました。世界は今、新型コロナウイルスによる未曾有の事態に陥り、さらに人種差別という難しい問題に改めて直面しています。このような時期に大学生活を送る者として、見聞を広め、見る目を養っていきたいと改めて思いました。
(国際コミュニケーション学科国際コミュニケーション専攻3年)
持続可能な開発目標(SDGs)では、193の加盟国のうち誰も反対することなくSDGsに合意し、世界中の誰ひとりが取り残されることなく、世代を超えすべての人が自分らしく、よく生きられることが目指されています。しかしこの目標は全世界の人々のものではありますが、ヨーロッパ的な価値観がSDGsの枠組みづくりに強く影響を与えていると私は考えています。
(国際コミュニケーション学科国際コミュニケーション専攻4年)
私が生まれた時から日本は発展していて何不自由なく当たり前のように生活してきたが、改めて考えると全く当たり前ではなく、戦後、特に国連に加盟するまでの11年間、国として相当な成長を遂げたのだろうと感じた。国連における日本の役割について、人道支援・開発支援を積極的に行うというのはとても良い考えだと思う。
(英米語学科3年)

神田外語大学グローバル・コミュニケーション研究所における「グローバル・スタディーズ」とは

本学グローバル・コミュニケーション研究所ではリベラル・アーツ(教養)を推進する一環として、その柱の一つであるグローバル・スタディーズをオムニバス形式で開催しています。
この講座で学ぶことの本質は、机に向ってテキストの問題を数多くこなすことではなく、日ごろ耳にするキーワードや日々起こりうる事象に対し、如何に関心が持てるかの感性を鍛えることです。この感性は勉強や本だけでは補うことはできないと考え、グローバル社会で実際に活躍された経験豊かな方々に講師をお願いし実施しています。本学4年間でこの講座をとおし、物事に対して不思議・疑問(wonder)を一杯(full)に感じ、互いが議論できれば、大学生活もよりwonderfulになることでしょう。
(グローバル・コミュニケーション研究所 久保谷富美男 先生)