活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.17/ドミニカ共和国)

“活躍するKUIS在外公館派遣員たち”というテーマで、赴任中または帰国後の様子を紹介するシリーズ第17弾。

元在ドミニカ共和国日本国大使館派遣員の加藤光樹さんをご紹介します

加藤光樹さん(スペイン語学科2013年卒※現 イベロアメリカ言語学科スペイン語専攻)

在外公館派遣員になった理由

高校時代からスペイン語を学ぶこと、そして将来は日本から遠く離れたスペイン語圏で働くことに強い憧れがありました。2年生の時には交換留学でスペインに行くこともでき、磨いたスペイン語を使える在外公館派遣員の存在を知り、その憧れを実現できる機会だと思い応募しました。

ドミニカ共和国について

ドミニカ共和国と聞くと、多くの日本人は質素な街並みを想像するかもしれません。農村部は確かにそうなのですが、首都サントドミンゴの街並みは圧巻です。高層ビル、大型ショッピングセンター、マンションが立ち並び、高級車も日本よりもずっと頻繁に見かけます。ラッシュアワーには街のいたるところで渋滞が発生します(私もそんな交通事情に適応するために毎日クラクションを鳴らし、割り込みもしたりと大分運転が荒くなりました(笑))。
この国について紹介したいことだらけなのですが、長くなってしまうので、私が好きな歴史について紹介いたします。首都サントドミンゴには国内で唯一世界遺産に指定されている旧市街地(Zona Colonial)の歴史地区があります。コロンブスが1492年に新大陸に到達したのは有名ですが、最初に植民地として入植したのが、現在のドミニカ共和国が位置するイスパニョーラ島でした。16世紀前半はメキシコやペルーなど、鉱物資源が豊かな大陸部とスペインをつなぐ中継地として非常に重要な役割をサントドミンゴは担いました。その繁栄の時代の名残を感じ取れる場所がこの旧市街地であり、歴史、特に大航海時代が好きな人にはたまらない場所かと思います。

赴任中の仕事や生活~帰国後

他の派遣員の方々と同様に、便宜供与、現地人運転手と連携しての配車業務、翻訳通訳を中心に担当しました。その他にも大使公邸でのレセプションの準備やその他雑多な業務も行っておりました。辛いことも沢山ありましたが、今では全て良い思い出です。プライベートでは、エメラルドグリーンのカリブ海側のビーチでゆっくりしたり、一方では波が荒い大西洋側のビーチでサーフィンをしたり、現地の日本人やドミニカ人と集まって食事したりと、楽しく過ごせました。
3年生終了時に赴任したため、帰国後は復学し、その後一般企業への就職の道を選びました。大手電機メーカーに就職し海外営業として働いた後、転職も経験し、現在はシンガポール本社のIT系企業で国内営業しています。仕事でもプライベートでもそうなのですが、「ドミニカ共和国の日本大使館で働いていた」と言うと、皆さん私のことを結構覚えてくれます。社会に出て思いましたが、仕事していく中では如何に自分のことを覚えてもらえるか、自分をアピールできるか、というのが大事だったりしますが、その上で「ドミニカ共和国」というのはかなりインパクトがあるみたいで、便利に使ってます(笑)。

ドミニカ共和国の経験を意味あるものにするために

普通は行かないような国にせっかく2年間も暮らしていたので、その経験を意味あるものにしたいと思い、今では「一般社団法人 日本ドミニカ共和国友好親善協会」という組織でイベントを開いたりしています。この活動を通じて、日本人の方々にドミニカ共和国に少しでも興味を持ってもらえればと思っていますし、それがドミニカ共和国への恩返しをなるかとも思っています。あとは何より、大使館員、JICAボランティア、他の派遣員の方々など、沢山の素敵な人たちと出会えたことも本当に大きな財産だと思います。

ドミニカ共和国(Dominican Republic)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:48,442平方キロメートル(九州に高知県を合わせた広さ)
2. 人口:約1,076万人(2017年:世銀)
3. 首都:サントドミンゴ
4. 民族:混血73%,ヨーロッパ系16%,アフリカ系11%
5. 言語:スペイン語
6. 宗教:カトリック