学生による就労支援と障がい理解の実践 ― 人材開発の理論を「支援の現場」で生かす ―
髙濱優子ゼミ(応用演習)では、2025年度前期に「人材開発論」の理論学習と障がい理解を深め、後期にはその学びの結実として、アビリティーズジャスコ稲毛海岸センター(イオングループの障がい者雇用特例子会社が運営する就労移行支援事業所)のご協力のもと、実践型プログラムを展開しました。
理論から実践へ:ゼミでの探究
前期は、教育訓練、経験学習、心理的安全性、インストラクショナルデザイン(学びを効果的に設計する考え方)といった人材開発の諸理論について研究発表を行いました。並行して障がい理解にも取り組み、各種疾患や特性への知識を広げるとともに、「見えにくい困りごと」に対する個別配慮や、視認性(見やすさ)・可読性(読みやすさ)を意識した情報提示の重要性について学びました。
こうした理論的土台の上に、後期は現場のニーズを反映したプログラムを企画しました。2025年8月から11月にかけて、3つの班が順次実施に至りました。
現場での実践:3つのプログラム
各回約15名の利用者様を対象に、就労後の定着も見据えたワークショップを行いました。
A班(8月)「フォロワーシップ・コミュニケーション」
職場で良好な上下関係を築くための雑談術や、笑顔・表情の重要性を扱いました。
B班(9月)「コミュニケーションワーク:新しい会社をつくってみよう」
役割分担と意見交換を通じ、協働してアウトプットを生み出すプロセスを体験しました。
C班(11月)「ビジネスマナー講座(実践編)」
〇✕クイズやロールプレイを用い、電話応対や伝言といった実務スキルの習得を目指しました。
受講者の皆さまからは、「わかりやすかった」「今後に生かしていきたい」「ロールプレイで練習できてよかった」といった声が寄せられました。
学生の内省:支援のあり方への気づき
外部の社会人を対象とした講義は、多くの学生にとって初めての経験でした。資料の視認性、聞こえづらい方も想定した明瞭な発声、聴取しやすさ(聞き取りやすさ)に配慮した話し方、そして相手に伝わる表現や場づくりなど、細部にまでこだわって準備を行ったことは、受講者からの好意的な評価にもつながりました。
事後の振り返りでは、実践を通じて得られた支援の本質に関する気づきが報告されています。
「講師である自分たちが笑顔でいきいきと講義をしないと、緊張している利用者様に『学びたい』という気持ちになってもらえないと感じた。まずは自分たちが安心できる雰囲気をつくる責任がある。グループワークでも、無理に発言を促すのではなく、参加者同士のやり取りをそっと支えるファシリテーション(話し合いや活動を支える関わり)の難しさを痛感した」
こうした関わりの中で、学生たちは「支援と自立のバランス」という重要な課題にも直面しました。
「親切にサポートしすぎることが、かえって相手の成長機会を奪ってしまう可能性があると気づいた。どこまで支え、どこから見守るか。相手に応じた関わり方の引き出しを増やすことが、支援の質を決めるのだと学んだ」
どの学生も真摯に準備を重ね、運営を支えながら学びの場をつくり上げていた姿が印象的でした。
社会的意義:国内・組織内の多様性への視点
本学の学生は、語学の習得や異文化理解を通じて「外なる世界」の多様性を学んでいます。しかし、真のグローバル・リーダーシップには、国籍の違いだけでなく、国内や組織内に存在する「内なる多様性」への深い洞察も不可欠です。法定雇用率の引き上げや合理的配慮の義務化が進む中、障がいのある方を含む多様な人々が共生する組織づくりを学ぶことは、実社会に出る直前の学生にとって、語学学習と並んで重要なリテラシーであるといえます。
この取り組みは、SDGsの以下の目標達成にも寄与するものです。
目標4「質の高い教育をみんなに」
障がいの有無にかかわらず、就労に必要なスキルを習得できる包摂的な学習機会の提供。
目標8「働きがいも経済成長も」
誰もが人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)に就ける社会の実現に向けた、実効性のある就労支援。
目標10「人や国の不平等をなくそう」
社会的・経済的に取り残されやすい人々への能力強化を支援し、不平等の是正を促進。
就職活動を控える3年生が、利用者様と同じく「働くこと」に真摯に向き合い、チームで考え抜いたプロセスは、将来リーダーとして人を育てる際の大きな糧となります。今回の経験は、学生たちにとって、より良いキャリアを築き、多様な人々とともに豊かな社会をつくるための力を培う確かな一歩となりました。
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