もやもやをきっかけに、言語と世界を探究しよう~国籍を超えた共通言語、スポーツの可能性を探求したい。~

神田外語大学の学びは、語学の修得だけではありません。
言葉の学びから広がる、新たな出会いと経験が待っています。
そこには驚きや発見、疑問や葛藤があることでしょう。
自分自身のもやもやを探究し、気づきと共に成長した先輩たちの「もやたん」ストーリーをご紹介します。

なぜ人々がチームのファンとなり、
熱心に応援するのか。
スポーツの可能性を探究


浅田 瑛 Asada AKIRA
外国語学部 国際コミュニケーション学科 講師
  • 恩師との出会いにより、スポーツを学問として学ぶ奥深さに気づく

幼い頃からスポーツが好きで、スポーツ関連の仕事がしたいと考えていました。現在では、スポーツを学べる大学や学部も増えていますが、私が大学受験をした当時は、学べる領域や進路も限られていました。
そんな中、進学した大学でスポーツマーケティングの研究者である恩師と出会えたのは、とても幸運だったと思っています。大学卒業後は、フロリダ大学の大学院でスポーツマーケティングの研究を続けることになったのですが、仮説を立てても思うような検証結果が得られず、悩みながら試行錯誤する日々が続きました。毎日、論文を読み、仮説を立てては検証し、先輩たちにも厳しく問われるという繰り返しでしたが、その経験によって研究者に必要な根気強さと、何事にも疑問を持つ思考を養うことができたと思います。
  • 文化としての側面を持ち、自然に変化していくおもしろさ

スポーツマーケティングは、スポーツ関連企業(スポーツチームやスポーツブランドなど)が提供する製品・サービスやその価格、販路、プロモーションなどを分析する研究領域です。スポーツは「製品・サービス」という側面だけでなく、「文化」という側面も持っています。そのため、チームや競技団体が一方的に提供するものではなく、一般の人々が集まってコミュニケーションを取りながら、ルールを決めたりイベントを運営したりする中で、自然に変化していきます。以前、「人気のあるスポーツとそうではないスポーツの違いは何によって生まれるのか」という問いを設定し、さまざまな競技団体にインタビューを行いました。検証前は「人気があるスポーツは競技団体が効果的なマーケティング戦略を持っていて、人気のないスポーツにはそれがないのだろう」と予想していました。しかし実際には、ほとんどの競技団体が「人気は自然発生的に生まれ、普及戦略・普及活動はその後整備された」と回答しました。この例からもわかるように、企業や団体がコントロールできないところでさまざまな働きかけや取り組みが起きており、そこに多くの謎が存在しているのです。私はそこにスポーツマーケティングの本質や奥深さを感じています。

【episode】
良い理論は、わかりやすく、実用的です。一見複雑な事象も「こういう観点で見ると、わかりやすくなるよ」という視点を提供してくれる。そのような理論を構築することも、研究者の役割だと思っています。
  • スポーツは、国を超えて共有できるグローバルコミュニケーション

スポーツマーケティングには、他の領域で使われる理論も積極的に取り入れるという特徴があります。私自身も、政治学の分野でよく使われる代表性の理論が応用できることに気づき、「チーム代表性」という概念に関する論文を発表しました。チーム代表性とは、スポーツチームが地元コミュニティの代表として住民から認識される度合いを指します。日本のスポーツ業界では「地域密着経営」という言葉が広く浸透しており、多くのスポーツチームがチーム名に地元の市や県の名前を冠し、その地域の代表であることをアピールしています。しかし、必ずしもすべてのチームが地域の代表として住民から認識されているわけではありません。では、そのチームには何が欠けているのか。それを、明確に理解出来ていないケースが多いのが現状です。そこで現在、地元チームと連携し、チーム代表性を確立するために重要な要素や施策を研究しています。具体的には、地元チームと共同で住民調査を実施し、そのデータをゼミ生とともに分析し、その結果を基にそのチームに戦略や施策を提言しています。この研究により、スポーツチームはより効率的にファンを獲得・維持でき、持続的な経営が可能になります。スポーツチームがより多くの住民から愛される存在となれば、住民の帰属意識や社会的なつながりが生まれ、スポーツが持つ社会的なポテンシャルが最大限に発揮されることにつながります。また、顧客をファンにするという取り組みは、現在スポーツ・芸能以外にも、アパレルや飲食業といった業界にも広がりを見せており、ファンに関する研究の重要性は今後さらに増していくでしょう。いずれにせよ、スポーツは年齢や国籍を超えて多くの人と共有できる共通言語であり、グローバルコミュニケーションを専門とする神田外語大学の学生にも関心を持ってもらえると嬉しいです。

【episode】
ファン心理・ファン行動もゼミの研究テーマであり、地下アイドル、鉄道、お笑い芸人、YouTuberなどのファンを対象に、ファンになるきっかけや推しとの関係性などを分析しています。
※記載内容は取材当時のものです

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