活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.88/中国)

水谷 有理さん(2023年アジア言語学科中国語専攻卒)
私は中国・広東省にある在広州日本国総領事館に、派遣員として2年間勤務しておりました。
今回は、私が派遣員を目指したきっかけと、中国での生活についてご紹介させていただきます。

派遣員試験を受験したきっかけ

大学在学中、私は台湾でワーキングホリデー制度を利用し、語学学校に通いながらアルバイトをしておりました。
その語学学校には、中南米のニカラグア出身の留学生がいました。彼は台湾政府の奨学金制度を利用して留学していましたが、滞在中に母国が台湾との国交を断絶したため、奨学金が打ち切られ、帰国するか中国へ渡航するかを選ばなければならなくなりました。日本も台湾とは国交がないという点では同じですが、私はコロナ禍の中でも何の心配もなく1年間の滞在を終えることができました。その経験を通じて、日本の外交がいかに自分の暮らしや安心に関わっているのかを実感し、外交の役割に強く興味を持つようになりました。
帰国後の就職活動ではさまざまな業界を見て回りましたが、最終的に「本当に自分がやってみたいことは何か」を考えた結果、在外公館派遣員の試験を受験することを決意いたしました。

広州での派遣員生活

私は領事班に配属され、主に日本人窓口でのパスポートや各種証明書の発給、戸籍関連の手続き、邦人援護業務などを担当しました。
社会人経験がない状態での赴任だったため、不安も大きかったのですが、職場の皆さまが温かく迎えてくださり、その不安はすぐに解消されました。
実際には想像以上に大変なことも多くありましたが、現地職員の方々を含む広州総領事館関係者の皆さま、そして大学の同期で同じく派遣員として頑張っている友人など、多くの方に支えられ、無事に2年間の任期を全うすることができました。
この場をお借りして、お世話になったすべての方に心より感謝申し上げます。

最後に

大学生になってから学び始めた中国語を使って、卒業後すぐに中国で仕事ができるとは夢にも思っておりませんでした。コロナウイルスの影響で留学が白紙になるなど、心が折れそうになることも何度もありましたが、この経験を通して「諦めずに努力を続けることの大切さ」を学びました。そして、在学中に努力を続けられたのは、久保谷先生や、中国語専攻の先生方、家族、一緒に学んだ友人たちのおかげです。本当にありがとうございました。
広州での生活は、たくさんの学びがあり、何より食べ物がとても美味しいので、中国語専攻で派遣員制度の挑戦を考えている方にはおすすめの都市です。ぜひご検討ください。

中華人民共和国(People's Republic of China)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:約960万平方キロメートル(日本の約26倍)
2. 人口:約14億人
3. 首都:北京
4. 民族:漢民族(総人口の約92%)及び55の少数民族
5. 言語:中国語
6. 宗教:仏教・イスラム教・キリスト教など