活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.82/セルビア)

元在セルビア日本国大使館派遣員の遠藤 来夏さんをご紹介します

遠藤 来夏さん(国際コミュニケーション専攻4年)
Dobar dan!
2022年3月から2年間、在セルビア日本国大使館にて派遣員をしておりました遠藤来夏です。派遣員になるまで、セルビアでの生活やお仕事、そして私は休学して派遣員になったので、就活のことなど紹介します。これから派遣員を目指す方のご参考になれば幸いです。 また、私のセルビア生活は久保谷先生や江波戸さん、セルビア大の皆様、セルビアの友人、協会の皆様、日本の家族の支えなしでは成し遂げられなかったと思います。この場を借りて御礼申し上げます。
Hvala!

派遣員になるまで

私が派遣員を本格的に志したのは2021年の夏頃でした。その一番の大きな理由は新型コロナウイルスによる交換留学の中止です。入学当初から交換留学をするために色々準備をしていたのですが、前年に続き2年連続で中止勧告を受け、どうにか海外に出て何かに挑戦する機会はないのだろうかと模索して、コロナに関わらず派遣される在外公館派遣員になろうと決めました。
派遣員になろうと決めてからは久保谷先生の講座には毎回参加し、講座がない日でも先生の研究室で勉強をしていました。私は元々英語が得意な方だったのですが、一般教養の数学が全くできず、久保谷先生とO Gの江波戸さんと3人で一つの問題に2時間かけたこともありました。いま思うと、2時間もその問題に付き合ってくださったお二人には感謝しかありません。その後、一生懸命勉強した甲斐あって無事セルビア大に内定を頂きました。

セルビアでの仕事と生活

セルビアというと、日本ではあまり知名度がなく、未知の国かと思いますが、私自身も全くセルビアを知らずに赴任しました。結論、セルビアは私にとっては天国そのものでした。治安はすこぶる良く(夜も一人で歩けます)、ご飯も美味しく、英語の発音がクセなく聞き取りやすく、何よりベオグラード空港からヨーロッパのほとんどの国に直行便があることが旅行好きの私にとっては最高に好きなところでした。そのため、休日は暇さえあれば海外旅行へ行きました。土日だけでも色々なところに行けました。
セルビア大では日本人スタッフ、現地職員に恵まれ、社会人未経験の私をあたたかく受け入れてくださいました。仕事内容は、セルビアへの出張者はほぼおらず、派遣員といえばの便宜供与はほとんどありませんでした。そのため、会計補佐や現地の旅行代理店とのやり取り、通訳・翻訳、館員の離着任支援がメインでした。他にも公用物資調達でウィーンに行ったり、T I C A Dの際は応援出張でチュニジアに行ったり、大使に同行してセルビア国内の別の都市へ行ったり、本当にたくさんの経験をさせていただきました。また、セルビア大はモンテネグロ大を兼轄していたので、モンテネグロのことについても多く学びました。兼轄国がある公館ならではかと思います。

就職活動と派遣員生活

私は3年生が終わってから休学して、セルビアへ行ったので復学時に就活に出遅れることはあらかじめ想定できていました。そこで、セルビアにいながらオンラインで就職活動をしていました。時差があるので、就活中は毎日2時3時に起きて、インターンをして、仮眠を取り、出勤するというハードスケジュールを送っていましたが、有給を就活に当てたくないという思いで起きていました。派遣員生活とその後の就活に不安がある方でも、今はオンラインで何とかなるよと言いたいです。もちろん、帰国してから就活をするのもありだと思います。

最後に

私自身、コロナのせいで散々苦しめられ、コロナ禍の大学生になってしまったことを嘆いていましたが、ある意味コロナがなかったら派遣員を目指すこともありませんでしたし、オンラインで就活するなんて考えられなかったと思います。また、セルビアは(希望エリアに入っていたものの)志望公館ではありませんでしたが、結果としてセルビアに赴任できてとても光栄でした。セルビアに赴任しなかったら今の自分はいないとさえ思います。2年の任期では満足できないくらいセルビアが大好きになりましたし、これからも第二の故郷として、たくさんセルビアに行きたいと思っています。セルビアがどんなに素晴らしい国か、周りの人にも伝えていきたいです。そして、久保谷先生がよく仰っているPlanned Happenstanceという言葉はこの経験からも本当にその通りだと思いますし、これからもこの言葉を大事にしていきたいです。
これから派遣員を目指す方も違う道を選択した方も、流れに身を任せて自分らしく進めば、何事も最後には良い方向に進むと思います。派遣員を目指される方は、ぜひ頑張ってほしいです!

セルビア共和国

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:77,474平方キロメートル(北海道とほぼ同じ)
2. 人口:693万人(2020年、セルビア統計局)
3. 首都:ベオグラード(人口約160万人)
4. 言語:セルビア語(公用語)、ハンガリー語等
5. 宗教:セルビア正教(セルビア人)、カトリック(ハンガリー人)等