第13回グローバル・スタディーズにて吉川前国連大使による特別講義が開催されました

グローバル・コミュニケーション研究所(GCI)が開催するグローバル・スタディーズは第13回をむかえ、今回は吉川元偉(よしかわ・もとひで)前国際連合日本政府代表部特命全権大使(本学客員教授)の特別講義「日本のかかえる領土問題」が行われました。吉川大使は続く7月10日にも登壇予定で、現在の国際社会に起こっている事象について広く講義していただきます。
今回の講義は「日本の位置付けを知る」という副題のもと、領土や経済的水域、隣国との領土問題、世界における日本の評価など国際的な観点からみた日本の姿をお話しされました。
またゲストとして現在、在香港日本国総領事館にて在外公館派遣員として働いている澤井志保さん(英米語学科 2018年卒)が招かれました。派遣員の具体的な仕事内容や現地で学んだ価値観など実際の経験をもとに受講生にお話しいただきました。

授業の感想(抜粋)

今まで領土問題についてあまり深く勉強してこなかったので、今回のお話は日本と隣国との関係性や歴史を含め、俯瞰的に問題を見るとてもいい機会でした。私の中で一番の大きな気づきは、日本周辺の地図を逆さにした時に見えた隣国との関係性です。領海や排他的経済水域の関係で領土問題が発生しているのは知っているつもりでしたが、自分が今まであまりにも主観的な、日本からの目線で物事を見ていたとハッとしました。
(国際コミュニケーション学科国際コミュニケーション専攻2018年卒 渡邊小百合)
日本の外交上、切っても切り離せない課題の一つである領土問題に関して、歴史的面や関係諸国側からの観点で捉えることができ、非常に良い機会になりました。日本側から見た歴史を今まで学んできた私達がこのような問題に直面した際、どうしても相手側の理由を除いた一方的な考えをしてしまうことがあります。この一方的な理解を改善し、多角的面から問題理解を広げるためにも、私は他国が自国のことをどのように捉えていたのかを学んでいく必要があると感じました。
(イベロアメリカ言語学科ブラジル・ポルトガル語専攻4年 大石悠介)
吉川先生の授業を通して、日本の領土問題を分かりやすく学べました。地図を逆さにして日本を見たとき、日本と東アジア諸国の近さに改めて気付きました。特に樺太が普段見ていた地図よりも近く感じました。
現状を維持しつつも妥協せずに(各国と)良い関係を作る外交を政府は必要としているのだなと考えました。次回の講義も楽しみです。
(英米語学科4年 土屋祐太朗)
先生のおっしゃっていたように、領土問題はゆっくり時間をかけて解決していくことが大切なのだと思います。日本に暮らしていると毎日が平和で分かりづらいですが、微妙な領土問題を抱える東アジアという地域は、世界から見れば自分たちが思っている以上に不安定な場所なのではないかと感じました。
(イベロアメリカ言語学科ブラジル・ポルトガル語専攻4年 須田瑠菜)
いかに日本は排他的水域に恵まれているか実感しました。(今回の講義は)領土問題への理解を深めるだけでなく、自分がいかに表面的な情報ばかり知っていて本質を理解していないのか痛感させられる機会であったと思います。この機会をきっかけに報道をそのまま受け入れるのではなく、必ず「なぜ?」という疑問を持ち、多角的に物事を見るように習慣付け、調べるようにしようと思いました。
(イベロアメリカ言語学科ブラジル・ポルトガル語専攻4年 宇田川直道)