活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.59/インド)

“活躍するKUIS在外公館派遣員たち”というテーマで、赴任中または帰国後の様子を紹介するシリーズ第59弾。

元在インド日本国大使館派遣員の北住 阿璃紗さんをご紹介します

北住 阿璃紗さん(国際コミュニケーション学科2020年3月卒業)

在外公館派遣員の制度は大学入学以前から存じ上げておりましたが、入学後に派遣員試験の受験は検討しておりませんでした。
就職活動を進めていくなかで、学んできた語学を生かして働くことを強く希望するものの、希望に対して就職活動が難航していた折、友人から派遣員試験を受験予定であると聞き、またキャリアセンターの方の後押しもあり、受験を決意しました。
試験勉強を始めた当時、次の試験まで約3ヶ月で他の受講生から遅れを取っている状況でしたので、時間があれば久保谷先生に対策をお願いしていました。

対策講座の中で、久保谷先生が常日頃仰っている「プランド・ハプスタンス」の言葉が最も印象に残っております。インドでの大変だった2年間はこの言葉に支えられました。
対策講座の受講期間は半年間でしたが、同じ目標を持つ仲間と共に切磋琢磨した時間はかけがえのないものとなっています。

試験受験時には東南アジアを希望していたため、インド大使館への内定連絡を頂いた時、合格の喜びもありましたが不安が大きく、一晩泣き明かしました。不安な心情を正直に久保谷先生へお伝えしたところ、元インド大使館派遣員の方(KUIS生)とお会いする場を設けていただき、お話を伺えたことで渡印の決意を固めることができました。

インド到着から10日後には外出禁止措置が実施され、数日後にはロックダウンが開始しました。任期中は計3回のロックダウンがあり、思い描いていた派遣員業務(特に便宜供与)に携われず、先が見えないロックダウン生活で何度も日本への帰国を考えました。その時支えになったのが久保谷先生から教えていただいた「プランド・ハプスタンス」の考えです。いつかこの経験が必ず糧になる、そう信じて前を向くようにしていました。
人との交流が制限されていたので、常時と比べれば文化に触れる機会は少なったのですが、コロナ禍だからこそ改めて感じたインド人の暖かさと寛容さにも救われました。
任期満了直前には総理大臣訪印ロジに参加させていただき、報道では知ることができない外交の現場に触れたことはとても貴重な経験でした。

派遣員になっても、ならなくても、大切なのは自身の選択をベストに近づけるためにどのように行動するかだと思います。コロナに翻弄された2年間でしたが、派遣員という進路を選んだことに後悔はありません。派遣員になった当初は迷うことも多々ありましたが、任期を終えた今、派遣員という選択肢を自身の中でベストなものにできたと胸を張って言えます。

インド共和国(Republic of India)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:328万7,469平方キロメートル(インド政府資料:パキスタン、中国との係争地を含む)(2011年国勢調査)
2. 人口:13億8,000万人(2020年世銀資料)
3. 首都:ニューデリー(New Delhi)
4. 民族:インド・アーリヤ族、ドラビダ族、モンゴロイド族等
5. 言語:連邦公用語はヒンディー語、他に憲法で公認されている州の言語が21言語
6. 宗教:ヒンドゥー教徒79.8%、イスラム教徒14.2%、キリスト教徒2.3%、シク教徒1.7%、仏教徒0.7%、ジャイナ教徒0.4%(2011年国勢調査)