活躍するKUIS在外公館派遣員たち(Vol.57/タジキスタン)

“活躍するKUIS在外公館派遣員たち”というテーマで、赴任中または帰国後の様子を紹介するシリーズ第57弾。

元在タジキスタン日本国大使館派遣員の増田 アシラフィ キヤヌーシさんをご紹介します

増田 アシラフィ キヤヌーシさん(英米語学科3年)

タジキスタンでの日々

中央アジアに位置するタジキスタンは、国土の9割を山岳地帯が占める、猛しくも美しい自然に富んだ、小さな山岳国です。
私はイランと日本のハーフで、それこそタジク人(タジキスタンの主要イラン系民族)のような顔立ちをしているので、赴任してからあっという間に現地人に溶け込んで、日常生活を送っていました。新型コロナウイルスの感染拡大以前は、日本語を学ぶ現地学生とフットサルをしたり、市場の露店を冷やかして回ったりと、実に充実したプライベート生活を送っていました。しかし、赴任後半年も経たぬうちにパンデミックの影響を受け、日本への空路が7ヶ月以上にも渡って遮断される事態に陥りました。
長期間先の見えない自粛生活を余儀なくされる中で、精神的に辛い日々がかなり続いたので、こうした不測の事態にも適応出来るストレス耐性がないと、開発途上国での暮らしは一筋縄にはいかないように感じます。

仕事の様子

担当業務は主として、便宜供与と官房業務に大別され、便宜供与では、出張・赴任者の宿舎留保、空港送迎、官房業務では館内資料作成、翻訳・通訳業務、航空券手配、配車表管理や会計補佐、弁護士案件(現地職員の労務管理)など、実に多種多様な業務に携わらせて頂きました。本官職員、現地職員と合わせて20人にも満たない小規模公館でしたが、毎日ほぼ全員と顔を合わせるので、とてもアットホームな雰囲気に包まれた職場でした。そんな大使館勤務を送る日々の中で、最も印象的な出来事があります。
私がペルシャ語を解するという理由で、イラン大使、アフガニスタン大使等が一堂に会する公邸会食の場に、大使に通訳としてお招き頂く機会がありました。国家の代表者同士が、一つの卓を囲んで外交政策について語り合う。まさに外交の最前線に立ち会えた、大変贅沢な時間でした。こうした貴重な経験ができる(かもしれない?)こともまた、小規模公館で勤務することの魅力と言えるのではないでしょうか。

「∞」グローカル教養講座の想い出

本講座では、久保谷先生に教養試験のためだけではなく、国際人として、また社会人として働く上でのマインドと基本を徹底的に叩き込まれたほか、本学出身歴代派遣員の体験談を直接聞く機会にも沢山恵まれたので、自身のモチベーション維持に大きく役立ちました。仲間と励まし合いながら、皆で内定を目指す。そんな一体感に溢れた空間に身を置けたことで、自分は決して一人ではないのだと、大変心強く感じられたものです。

派遣員を目指す皆さんへ

本官職員と現地職員との間に立ち、語学力と潤滑油としての役割の双方を期待される派遣員の仕事は、決して容易ではありません。私自身何度も失敗し、挫けそうになりました。しかし、それでも諦めずに仕事と向き合う姿勢を貫いたことで、自然と私の周囲には常に、手を差し伸べてくれる人達で溢れていました。例え躓くことがあっても、自身の人間力を絶えず発揮すれば、きっと2年間の任期を立派に全うし、皆に惜しまれながら、離任出来る筈です。
私は一度きりの人生で、このような貴重な経験を積めたことに大変感謝していますし、一生涯の財産を手に入れることができました。是非本制度を、ご自身の人間力を飛躍的に向上させる絶好の機会と捉え、大きな一歩を踏み出してみてください。

タジキスタン共和国(Republic of Tajikistan)

【外務省HP/一般事情より】
1. 面積:約14万3,100平方キロメートル(日本の約40%)
2. 人口:970万人(2019年:国連人口基金)
3. 首都:ドゥシャンベ
4. 民族:タジク系(84.3%)、ウズベク系(12.2%)、キルギス系(0.8%)、ロシア系(0.5%)、その他(2.2%)
5. 言語:公用語はタジク語(イランのペルシア語やアフガニスタンのダリー語などとともにイラン語派の西方方言群に属する。)。ロシア語も広く使われている。
6. 宗教:イスラム教スンニ派が最も優勢。パミール地方にはシーア派の一派であるイスマーイール派の信者も多い。

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