「連続講義〈食べる〉ということ―「食」と「文化」を考える」刊行のお知らせ

連続講義〈食べる〉ということ―「食」と「文化」を考える

人間にとって「食べる」ということは生きていく上での基本的な行為ですが、それには栄養を摂るということ以上の意味があります。いつ、どこで、誰と、何を、どのように食べるかは、文化によって異なっていることから、世界の国や地域に個性的な「食」の文化が育まれてきました。気候や土壌によってできる作物も違いますし、主食や料理に使う食材にも特色がでてきます。宗教や風習などによる食物禁忌も様々です。また、調理法や食事方法にも変化が見られるなど、食文化は長い歴史の中で変容してきました。普段何気なく行っている「食べる」という行為も、文化という視点から見ると、これまで見えなかったものが見えてくるに違いありません。本書が異文化理解を深め、文化としての「食」を考える機会となれば幸いです。

「連続講義」について

神田外語大学では、「文化とは何か」「人間とは何か」に関心を持つ学生に向けて、「文化について考える」というオムニバス形式の講義を開講しています。この講義では、文化研究に携わる教員たちが文化に関わる共通のテーマについて、自らの専門分野から様々なアプローチを試みることにより、文化の多様性や面白さを伝え、学生の知的好奇心を育むことを目的としています。本書は、専門を異にする13人の研究者が「〈食べる〉ということ」について、それぞれの視点から行った講義をもとに執筆したものです。