第93回外務省在外公館派遣員の壮行会(オンライン)を挙行

第93回在外公館派遣員試験赴任内定者の壮行会(オンライン)が2021年1月21日(木)に開催され、試験に合格した在学生・卒業生が参加しました。当日は宮内孝久学長や浜之上幸副学長、ロバート・デシルバ副学長、久保谷富美男先生(グローバル・コミュニケーション研究所)、また在外公館派遣員を経験した卒業生の江波戸明香さん(元 在タンザニア日本国大使館派遣員)、平塚竜一さん(元 在モザンビーク日本大使館派遣員)、松本梨央さん(元 在東ティモール日本国大使館派遣員)、佐久間真子さん(元 在アメリカ合衆国日本国大使館派遣員)も出席し、これから各国に赴任する合格者と懇談を行いました。今期の合格者は11名(姉妹校・神田外語学院生1名を含む)となります。
宮内学長は合格した学生に向けて祝辞を述べ、今後の活躍を期待する言葉をかけられました。また【「∞」グローカル教養講座】を担当する久保谷先生は、これまでの大きな努力を称え、これから赴任先に向かう学生たちを勇気づけました。
第93回外務省在外公館派遣員に内定し今回の壮行会に出席した在学生・卒業生は、久保谷先生が開講する「∞」グローカル教養講座(最下部参照)に参加して勉学に励んできました。この度の合格者を含め、講座が始まってから現在まで190名の在学生・卒業生(神田外語大学および神田外語学院)が在外公館派遣員として合格し、その派遣先は76ヵ国に上ります。

赴任予定者の紹介

(国際コミュニケーション専攻2年)

渡部 真生子さん
在シェムリアップ日本国領事事務所

この度、ご縁があり在シェムリアップ領事事務所に内定を頂きました。お忙しい中ご指導して下さった久保谷先生、柴田先生、的確なアドバイスを下さった先輩。そしていつも支えてくれた家族には感謝の気持ちで一杯です。 私は高校生の時にこの制度を知り、その対策講義が受けられるということで神田外語大学への入学を決めました。講義を受け始めた頃は自分の未熟さを痛感し、派遣員は夢のまた夢の存在なのかもしれないと感じました。しかし私の尊敬する先輩が実際に派遣員となり刺激を与えてくれたことや、私自身世界に出て成長したいという強い気持ちが派遣員を目指すモチベーションに繋がりました。今回二年生で内定をいただいたことは光栄である反面不安も大きいです。しかし選ばれたことを誇りに思い、更なるステップアップとなるような二年間にしたいです。
(英米語学科4年)

若松 佳那さん
在チェンナイ日本国総領事館

入学前の説明会で、母と「こんな仕事ができたらかっこいいね」と話していた職業に自分が就けるとは、当時は思ってもいませんでした。卒業後の進路を考えた時に、自分の将来と英語とを切り離す事ができず、在外公館派遣員を目指す事を決めました。一年前から勉強を始め、三回目の受験で無事合格を頂き、希望公館に入れていた在チェンナイ日本国総領事館への赴任が決まりました。ここまで頑張ってこれたのも、ずっとサポートしてくださった久保谷先生をはじめ、同じ目標に向かい切磋琢磨し合った仲間やどんな時も応援してくれた友人・家族のおかげです。やっと掴んだこの機会を全力で楽しみながら成長していきたいと思います。二年間、頑張ります。
(英米語学科4年)

広瀬 満莉乃さん
在フィリピン日本国大使館

在学中に一年間休学しアイルランドのホテルで働きました。国際色豊かな環境の中で、英語を使用し多くの人と繋がり、そして様々な体験を出来たことがきっかけとなり、将来は英語を活かし海外で働きたいという気持ちが一層強まりました。私の周りで、派遣員として活躍している人が多くいたという縁もあり、帰国後は就職活動と並行しながら派遣員を目指し日々奮闘しました。そしてこの度、在フィリピン大使館から内定を頂くことができました。今までサポートして下さった久保谷先生や友達にとても感謝しています。2年間の赴任となりますが、人との出会いを大切に過ごし、どんなことがあっても私らしさを忘れずに精進していきます。
(国際コミュニケーション専攻4年)

永尾 智美さん
在カンボジア日本国大使館

入学前に在外公館派遣員制度を知ってから、ずっと派遣員になりたいと思っていました。そしてフィンランド留学から帰国後、すぐに久保谷先生の講座に参加させていただき、本格的に派遣員を目指し始めました。その後3回試験に挑戦し、今回、在カンボジア日本国大使館に内定をいただくことができました。2回目の受験で不合格になった際には「自分には向いていないのかもしれない」と深く落ち込みました。しかし、挑戦し続けた結果今回のご縁に繋げることができ、非常に嬉しく思います。カンボジアはODA等で日本との繋がりが強く、また経済的にも急成長している国です。派遣員として微力ながらも日本とカンボジアの外交をサポートさせていただける事、そして大きな変化の最中のカンボジアを間近で見るチャンスをいただけた事を非常に嬉しく思います。初めての地で不安もありますが、カンボジアだからこその経験をたくさん積んで帰ってきたいと思います。久保谷先生には約2年半もの間、何度もご指導いただいたり、相談に乗っていただき大変お世話になりました。また、応援していただいたキャリア教育センターの方々や友人、家族には感謝の気持ちでいっぱいです。これからどんな経験をし、どんな出会いがあるのか、とても楽しみです。いただいたこのチャンスを最大限に活かせるよう、人とのご縁を大切にし、日々精進し続けたいと思います。
(英米語学科4年)

永井 美穂さん
在マラウイ日本国大使館

コロナ禍での就職活動を終え、自らの人生についてあらためて考え直した際に思い出したのが、久保谷先生の講座といつか憧れた在外公館派遣員という道でした。日本からでは分からない途上国の現実を自分の目で見て確かめたいという想いでアフリカを志望し、光栄なことにマラウイ大使館にご縁をいただきました。最貧国とも呼ばれるこの国に赴任する不安は非常に大きいですが、2年間を通じて情熱を燃やせる何かがきっと見つかると信じております。日々感謝の気持ちを忘れず、国際社会の一員として職務を全うできるよう努力を続け、必ず成長して帰ってきたいと思います。
(英米語学科4年)

本郷 素直さん
在アメリカ合衆国日本国大使館

いつも心のどこかで夢見てた海外で働きたいという夢が叶い、とても嬉しく思います。大学入学時からは、私が在外公館派遣員としてアメリカで働くことになるなんて考えられません。今までのボランティアや香港のホテルでのインターンシップでの経験を活かし、毎日元気に働きたいです。6月、コロナ禍で希望していた業種での就活が不可能になり、いきなりの連絡だったにも関わらず、快くサポートしてくださった久保谷先生には感謝の思いでいっぱいです。また、いつも応援してくれる家族や直接会うことができなくても連絡をくれサポートしてくれた友人たちのおかげで今の私があります。2年間しっかりと職務を全うします。
(英米語学科4年)

船山 菜々さん
在デンバー日本国総領事館

派遣員制度のことを知ったのは、3年の後期のことで、そのときはカナダで半年間の留学中でした。昨年2月に帰国し、「もう一度海外へ行きたい」という強い思いを持って勉強や面接練習に励みました。その結果家族や友人の支え、そして久保谷先生のご指導のお陰で第一希望の在デンバー日本総領事館に内定を頂く事ができました。コロナ禍で世界中が大変な状況にあり、普通なら海外へ行くことが困難な中でこうしてアメリカで働くチャンスを掴めたのには何か縁があったのだと信じて、公館での業務を通して沢山の学びを得られるよう精進します。そして、少しでもデンバーと日本の外交発展の力となれるよう、日々の努力を忘れず二年間の役目を全うしたいです。
(英米語学科2020年3月卒業)

田中 詩乃さん
在ハガッニャ日本国総領事館

就職活動中に自分が目指したい将来像を改めて熟考した結果、在外公館派遣員を目指すことに決めました。コロナ渦で不安が大きかったですが、諦めずに2度目の挑戦で在ハガッニャ総領事館に内定をいただくことができました。中学時代から漠然と抱いていた海外で働くという夢への第一歩がやっと踏み出せることに大きな喜びを感じています。今まで自分の進む道を応援してくれた家族や友人、携わってくれた方々に恩返しできるように2年間勤めてまいりたいです。南国を訪れるのは初めてですが、素敵な自然や環境の中でのびのびと自分を成長させていきたいと思っています。
(神田外語学院グローバルコミュニケーション科2年)

藤木 菜緒さん
在ブルネイ日本国大使館

これまで学んできた英語を使って仕事をしたいという思いがあり、今回こうして海外で働くチャンスを掴むことができ、非常に嬉しく思っています。ご指導してくださった久保谷先生、また一緒に講座で学んだ仲間には大変お世話になり、感謝の気持ちでいっぱいです。ブルネイは自分にとって馴染みのない国でしたが、視野を広げ、様々なことを吸収するチャンスと捉えています。二年間という限られた時間を有意義なものにできるよう、精いっぱい業務に努め、成長して帰ってきたいと思います。
(中国語専攻2019年3月卒業)

太田 彩華さん
在青島日本国総領事館

この度、在青島総領事館に内定をいただくことができました。派遣員として働けることに喜びを感じる一方で、求められるものに応えていけるかという不安もあります。派遣員はゴールではなく、始まりだということを忘れず、日々精進していきたいと思います。また、この大変な時期に海外で働く機会を頂けたことに感謝し、有意義な2年間を過ごしたいです。最後に、卒業後もご指導くださった久保谷先生、本当にありがとうございました。
(ベトナム語専攻3年)

梶原 萌音さん
在ベトナム日本国大使館

新型コロナウイルスにより、目標であった留学がわずか二ヶ月で途中帰国となり、何を目標に頑張ればいいか分からず、途方に暮れていたときに知ったのは、この在外公館派遣員制度でした。 もう一度ベトナムへ行きたいという強い想いと、ベトナム語を専攻したからには学んだことを活かせる進路に進みたいという漠然とした想いが同時に叶えられるこの制度は、私にとって、願ってもないチャンスだと思いました。なかなか対面での授業が難しい中でも、熱心にご指導してくださった久保谷先生、アドバイスや背中を押してくれた元派遣員の先輩方や応援してくれた友人には大変感謝しています。世界的にコロナ禍というご時世ですが、これを貴重な経験と捉え、2年後に大学に戻ってきた際には、派遣員の経験を伝えることができるよう、沢山のことを吸収し、成長して参ります。

第93期派遣員の皆さんへ

グローバル・コミュニケーション研究所
久保谷 富美男 先生(アカデミックフェロー)

      ~在外公館派遣員のすゝめ~
                久保谷富美男

 「∞」グローカル教養講座で共に学んだ多くの皆さんが、間もなく内定し想像もしていなかった、あなたにとって運命的な国に赴任することを大変頼もしく、また誇りに思っています。
 新型コロナ禍で世界中が一変し厳しい環境の中、それでも世界に羽ばたこうとする皆さんは、まさに「∞」の可能性にチャレンジし、自力で自分の道を切り開いて行こうとする若き逞しい日本人であると確信しています。
 皆さんのこれからの永い人生、自分の道をじっくりと見据え、何かに振り回されることなく、これまでの努力を永続「∞」してください。
 その先に “プランド・ハプンスタンス/Planned Happenstance(計画された偶然性)” が訪れ、導かれる道が見えてくる。苦しいときこそ希望を持ち続け、自分を信じこれからの人生においても個々のつぼみを大きく開花させて、たゆみなく自身の将来に向かって力強く歩み続けてください。

      “あせるな いそぐな ぐらぐらするな 馬鹿にされようと 笑われようと
   じぶんの道を まっすぐゆこう 時間をかけて みがいてゆこう”

                       坂村真民 (さかむら しんみん)

お互いが元気に再会出来る日を、今から楽しみにしています。

「∞」グローカル教養講座とは

「∞」グローカル教養講座は、“「∞」の皆さんが、「∞」の領域(内外)にわたり、「∞」に学び続ける” ことを願っての講座名としました。
また当該講座は、2012年から始めた「+α」・「+β」グローバル教養講座を継承するものであり、「+α」と「+β」を融合的に学ぶべく集大成したものです。なお基本的には「∞」も引き続き、以下のことを目的として授業を進めて行きたいと考えています。

1.文理の枠を超えた、グローカル教養として幅広く、出来るだけ多くの分野を統合したものから学ぶことを目的としている。
2.自分と異なる多様な文化的背景を持つ人々との出会いの場を自らが設け、様々なことを語り合うことにより、相手の立場に立って物事を見る目を養うことを目的としている。
3.日本語できちんと筋道を立てて話し・書ける能力の基本を養うと共に、自らがグローバルに発信し、世界の人々にも理解してもらえる説明(プレゼン)力を向上させることを目的としている。

グローバル・コミュニケーション研究所
久保谷 富美男(アカデミックフェロー)
kubotani(@)kanda.kuis.ac.jp