第92回外務省在外公館派遣員の壮行会(オンライン)が行われました

第92回在外公館派遣員試験赴任内定者の壮行会(オンライン)が2020年8月18日(火)に開催され、試験に合格した本学の在学生・卒業生が参加しました。当日は宮内孝久学長や久保谷富美男先生(グローバル・コミュニケーション研究所)、また在外公館派遣員を経験した本学卒業生の江波戸明香さんと吉永眞衣夏ジャネシィさんも出席し、これから各国に赴任する合格者と懇談を行いました。今期の合格者は10名(神田外語学院卒業生1名含む)となります。
宮内学長は合格した学生に向けて祝辞を述べ、今後の活躍を期待する言葉をかけられました。また【「∞」グローカル教養講座】を担当する久保谷先生は、これまでの大きな努力を称え、これから赴任先に向かう学生たちを勇気づけました。
第92回外務省在外公館派遣員に内定し今回の壮行会に出席した多くの在学生・卒業生は、久保谷先生が開講する「∞」グローカル教養講座(最下部参照)に参加して勉学に励んできました。この度の合格者を含め、講座が始まってから現在まで179名の在学生・卒業生(神田外語大学および神田外語学院)が在外公館派遣員として合格し、その派遣先は75カ国に上ります。

赴任予定者の紹介(抜粋)

(国際コミュニケーション専攻4年)

佐藤 万穂さん
在ラオス日本国大使館

在外公館派遣員試験のことは入学前から知っていましたが、当時高校生だった私は大使館で働くなんて夢のまた夢でした。しかし勇気を出して2年生の前期から久保谷先生の勉強会に参加し、一時帰国中の先輩方からのお話を聞いて「いつか私も先輩方のように活躍したい」と思うようになりました。リトアニアにて7月まで交換留学予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で早期帰国したので、今回の受験は本当に予期せぬチャンスでした。派遣員として働くのであれば自分にとって未知の国がいいと思っていたので、今回ラオスへの赴任が決まり非常に嬉しく思います。留学前からサポートしてくださった久保谷先生や、いつも私を信じてくれた家族、励ましてくれた友人への感謝の気持ちを忘れずに、ラオスの発展に貢献し2年間の任期を全うしたいと思います。
(英米語学科4年)

森田 美香さん
在スーダン日本国大使館

将来を考えている中で、この在外公館派遣員の制度を見つけました。当時やりたいことが見えていなかった私にとって派遣員の制度はとても魅力的に感じ、目指すことにしました。今回、ご縁あって在スーダン日本国大使館に内定を頂きました。はじめての地であり、生活も大変なものになると思いますが、憧れの外交という世界に胸を膨らませています。また、このような貴重な機会を頂けて自信にもつながりました。これも久保谷先生はじめ多くの方に支えていただけたからだと思います。
新しい環境で不安もありますが、日々感謝の気持ちを忘れず、学び続け、微力ながらも公館のサポートが出来るよう精進していきたいと思っています。
(神田外語学院 英語専攻科 2016年3月卒業)

橋本 優花さん
在ギリシャ日本国大使館

今回、在外公館派遣員として在ギリシャ日本国大使館の一員として勤務できる機会をいただけたことに、大変感謝しております。今回の赴任は、新型コロナウイルスの流行により、今までの日常とは異なる環境の下、模索しながらの勤務になることが予想されます。しかし、この2年間での職務等を通じて多くの文化や考え方に触れ、いろいろな方々と心を通じさせることができればと考えております。
神田外語学院で学んだこと、社会人として経験したことを活かして、微力ながらも精一杯職務に励み、日本の外交発展に貢献できるよう努めて参ります。
(国際コミュニケーション専攻 2019年3月卒業)

小島 港さん
在アメリカ合衆国日本国大使館

人との出会いと縁を大切に2年間過ごしていきたいと思います。今回試験に合格できたのも、派遣員を経験した友人との縁、久保谷先生とのご縁があったからです。身の回りの事に常にアンテナを張って、未知の世界に積極的に飛び込んでいきたいです。業務上では、職員の方々や部署の間を上手に取り持って業務の円滑化に貢献できればと思います。不安はありますが、任期を終えたときに後悔の残らないよう、常に自分に厳しくありたいと思います。
久保谷先生をはじめ、派遣員制度に関わる方々に良い報告ができるよう、頑張ってまいります。
(スペイン語専攻 2020年3月卒業)

足立 有紀さん
在バーレーン王国日本国大使館

在学中はカナダでのホームステイ、メキシコでの交換留学などを経験し、将来は海外で語学を活かしながら、様々な国で多種多様な人々と仕事がしたいと思っていました。留学から帰国して就職活動もしましたが、どうしても海外で働くということが諦められませんでした。そんな時に出会った、この派遣員という仕事にとても魅力を感じ、挑戦することを決めました。そして今回、ご縁があって中東のバーレーンに派遣が決まりました。中東の国には滞在経験がなく、新たな環境に身を置けることを嬉しく思います。
久保谷先生やキャリア教育センターの方のご指導、応援してくれた家族や友人には感謝の気持ちで一杯です。常に学ぶことを忘れず、この2年間で様々なことに挑戦していきたいと思います。
(英米語学科4年)

倉持 薫さん
在ニューヨーク日本国総領事館

在学中に1年間休学をし、マルコポーロ香港ホテルにてフロントスタッフとしてインターンシップを行いました。今回は私にとって二度目の海外勤務となります。赴任後は香港で身につけたスキルや、また反省なども活かしながら、様々なことに柔軟に対応できる能力を高めていきたいと思います。
ニューヨークという新しい世界での勤務には、大きな期待とともに少しの不安もありますが、どんなことにも積極的に挑戦し、これから出会う人々との繋がりを大切にしていきたいです。今まで支えてくださった方々への感謝の気持ちを忘れず、二年後に大きく成長した姿を見せられるよう精一杯努めて参ります。
(英米語学科 2020年3月卒業)

鈴木 結衣さん
在カナダ日本国大使館

この度、在カナダ日本国大使館に内定を頂きました。在学中、ケベック大学で交換留学をした時から「せっかくなら英語とフランス語を使って仕事をしたい!」と思っていたので、カナダでもう一度チャレンジする事ができて嬉しく思っております。カナダへ行くのはこれで三度目になりますが、ジェンダー、環境問題、LGBTQなどについても生活の中で学んでいければと思います。また今回は初めての受験、そしてコロナ禍ということもあり、正直不安が募る中で受験に挑みました。そんな中頑張れたのも家族、友人そして久保谷先生のサポートがあったからです。この恩を忘れずに、カナダで社会人として精進していきたいと思います。
(国際コミュニケーション専攻 2020年3月卒業)

上野 真琴さん
在カラチ日本国総領事館

まだ夢が明確ではなかった1年生の頃から、卒業後の可能性や選択肢の幅を狭めたくないという思いで、先輩にまじり久保谷先生のもとで学んできました。その後、留学を通し、やはり自分も4年間学んできた英語を使い、派遣員に挑戦したいと思うようになり、今回在カラチ日本国総領事館より内定を頂くことが出来ました。私にとってパキスタンは訪れたことのない、未知の国ですが、世界に200近くある国々の中から繋がった、このパキスタンとの縁を大切に、これまでサポートしてくださった方々への感謝の気持ちも忘れずに、2年間頑張りたいです。そして、どんな経験も明日の自分をつくると信じ、挑戦し続けていきたいと思います。
(韓国語専攻 2017年3月卒業)

鳥羽 由乃さん
在大韓民国日本国大使館

私は大学で韓国語を専攻している頃から「韓国で働く」という大枠の目標を立て、目標達成への様々なステップを模索しました。大学卒業後は韓国系半導体メーカーに就職し、営業職を3年強経験しました。そこでの経験と自分の語学力を生かす事ができ、且つ目標への次のステップとなる事にチャレンジすべく、学生の頃に説明会へ参加した在外公館派遣員に応募しました。COVID-19の影響で今までとは異なる環境の中、困難は多くあると思います。しかし、この状況だからこそ学ぶ事も多くあると考え、大使館での2年間では常に向上心を持ち、今まで培った経験と語学力を十分発揮して職務を全うします。
他1名
・在ジブチ日本国大使館(スペイン語専攻4年)

第92期派遣員の皆さんへ

グローバル・コミュニケーション研究所
久保谷 富美男 先生(アカデミックフェロー)

      ~在外公館派遣員のすゝめ~
                久保谷富美男

「∞」グローカル教養講座で共に学んだ多くの皆さんが、間もなく内定した想像もしていなかった、運命的な国に赴任することを大変頼もしく、また誇りに思っています。
特に今回は新型コロナ禍で世界中が厳しい環境の中、それでも世界に羽ばたこうとする皆さんは、まさに「∞」の可能性にチャレンジするスタートラインにいます。
皆さんのこれからの永い人生、自分の道をじっくりと見据え、何かに振り回されることなく、これまでの努力を永続「∞」してください。
その先に “プランド・ハプンスタンス/Planned Happenstance(計画された偶然性)” が訪れ、導かれる道が見えてくる。苦しいときこそ希望を持ち続け、自分を信じて歩いて行きたいですね。前に向かって一歩一歩・・・!

      “あせるな いそぐな ぐらぐらするな 馬鹿にされようと 笑われようと
   じぶんの道を まっすぐゆこう 時間をかけて みがいてゆこう”

                       坂村真民 (さかむら しんみん)

お互いが元気に再会出来る日を、今から楽しみにしています。

「∞」グローカル教養講座とは

「∞」グローカル教養講座は、“「∞」の皆さんが、「∞」の領域(内外)にわたり、「∞」に学び続ける” ことを願っての講座名としました。
また当該講座は、2012年から始めた「+α」・「+β」グローバル教養講座を継承するものであり、「+α」と「+β」を融合的に学ぶべく集大成したものです。なお基本的には「∞」も引き続き、以下のことを目的として授業を進めて行きたいと考えています。

1.文理の枠を超えた、グローカル教養として幅広く、出来るだけ多くの分野を統合したものから学ぶことを目的としている。
2.自分と異なる多様な文化的背景を持つ人々との出会いの場を自らが設け、様々なことを語り合うことにより、相手の立場に立って物事を見る目を養うことを目的としている。
3.日本語できちんと筋道を立てて話し・書ける能力の基本を養うと共に、自らがグローバルに発信し、世界の人々にも理解してもらえる説明(プレゼン)力を向上させることを目的としている。

グローバル・コミュニケーション研究所
久保谷 富美男(アカデミックフェロー)
kubotani(@)kanda.kuis.ac.jp