奥田若菜先生が『ジカ熱:ブラジル北東部の女性と医師の物語』共訳本を出版!

奥田若菜先生(イベロアメリカ言語学科准教授)が共訳本を出版!

『ジカ熱:ブラジル北東部の女性と医師の物語』

このたび、奥田若菜准教授(イベロアメリカ言語学科ブラジル・ポルトガル語専攻)の共訳本『ジカ熱:ブラジル北東部の女性と医師の物語』が刊行されました。

著 者:デボラ・ジニス
訳 者:奥田若菜、田口陽子
出版社:水声社
発売日:2019年11月25日

奥田先生にこの本について伺いました

ブラジル人人類学者が書いた本書は、ブラジルで起こった未知の感染症をめぐる物語を速報的に伝えるものでもありました。ブラジルでのジカ熱流行から数年後に出版される今回の日本語版では、著者デボラに新たに「あとがき」執筆を依頼しました。さらに訳者によるあとがきを加え、さまざまな問題を提起する本になりました。

ブラジル、格差、未知の感染症の特定過程、感染症によって不利益を被る社会的弱者、科学的権威と臨床医たち、リプロダクティブ・ヘルス、障碍者のケア、孤立する家族など、興味関心に合わせてお読みください。

ブラジルにジカウイルスがはいったのは、国際的なスポーツ大会が契機だったと考えられています。来年、オリンピックが開催される日本にとって、この話は対岸の火事、でしょうか。ブラジルでのジカ熱感染はまだ終息していません。ブラジルにとって新規のウイルスだったジカ熱は、いまやブラジルに「定住」しています。そして、ラテンアメリカ全土へと広がり、いまもさまざまなな問いを投げかけています。