親子関係

【インドネシア】親の満足が、子どもの満足
インドネシアの大学生は将来をどう決めるか

インドネシアの若者は、自分の将来を個人的な考えで決めません。親の意見を取り入れ、それによく従うのです。 高校生くらいになると、親が子どもの将来についての環境を整え始めます。具体的には塾に行かせたり、家庭教師を探したりするのです。 大学に入るときも、大部分は親の意見に従います。親は、自分の望んだ理想に子どもを近づけようとしますし、子どもの方もその方向に進もうとするのです。 多くの親は子どもに、自分と同じ職業に就いてもらいたいと思うのが一般的です。子どもが何人かいれば、そのうちの一人には継いでもらいたいと思います。 もちろん、子どもを信頼して子どもの自由にさせる親もいます。でも、そういう親は、インドネシアではまだそんなに多くはないでしょう。 スヨト先生

【タイ】親は子に尽くし、子は親に尽くす
タイの親子関係の現在

タイの大学生はアルバイトはせず、全部親からの仕送りで生活し、勉強に専念します。親の側は、借金してでも子どもの教育費を用意するのが普通なのです。 でも、卒業して就職したら、今度は子どもの方が親の面倒を見るということになります。 大学を卒業して仕事を始めたら、給料の半分くらいは親に送金します。なかには、全部あげてしまう人もいます。それじゃあ困るだろうと思うでしょうが、親にとってはすごく嬉しいことですし、親に尽くすとは子ども自身にとってもいいことなのです。 そういう考えの底には、仏教の影響があります。日本では親の老後や介護が問題になりますが、タイでは子どもが世話をするのが当たり前で、実際そうしています。 タイの学生は旅行に行っても旅先から毎日必ず親に電話するのです。そんな姿を見て、一緒に行った日本の学生はよく驚いています。これも、タイの濃密な親子関係を示す一例でしょう。 ポンシー・ライト先生

【韓国】借金してでも子どもを大学に
現代の韓国社会における大学受験とは

韓国ではいま、8割以上の人が大学へ進みます。女性であっても大学に行かないと、就職ばかりでなく結婚にも差し支えることになるのです。できればソウルの大学に、それが無理なら地方の大学をめざします。 ですから、子どもの教育は、借金してでも行うというのが普通です。残りの1割の人は、どうしてもお金を工面できないか、あるいは大学に行く学力がないと見られます。どちらにしても社会的評価はとても低くなるでしょう。 高校生は1日の授業が終わった後も、6時から10時頃まで自主学習します。その時間まで先生も残っているのです。日本には、私立の付属高校からエスカレーター式に大学に入学できるシステムがありますが、韓国にはありません。 大学受験を控えた子どもがいる家庭は、「あの家には高校3年生がいるから」と、近所でもいろいろなことを大目に見てもらえます。韓国社会では大学受験がそれくらい大変なのです。 印 省熙先生