夏休みの過ごし方

【中国】夏休みに勉強頑張れる?
中国の大学生は夏休みをどう過ごすか

中国の大学は9月が年度の始め。6月後半から8月いっぱいくらいが夏休みとなります。国土が広いので、大学には全国各地から来ています。 長期休暇には、そのほとんどが帰省するようです。ただ、最近は都市部に残って、アルバイトをする学生も増えています。家庭教師をやる人が一番多いでしょう。ファーストフードのお店で働くといったことはしません。 長期休みの過ごし方は、両極端な特徴が出ているようです。遊んでいる人は遊ぶだけ。そして、少数ではありますが、勉強している人もいます。 これは、中国の事情に関係しているかもしれません。勉強してもいい就職に結びつくとは限らないのです。大企業に入るには、「つて」や「コネ」が必要です。留学したくても多くのお金が要ります。実際、就職できない人も少なくありません。そういう状況で、夏休みに頑張るというモチベーションを持つのは難しいようなのです。 高橋 海生先生

【韓国】休みに休んでいる人はいない
韓国の大学生は夏休みをどう過ごすか

夏休みと冬休みの期間は、韓国の大学では季節学期と言われ、特別授業や集中講義が行われます。多くの学生はこれに出席します。理由は、3年生の終わりまでに単位をできるだけ取っておきたいからです。 韓国では、就職活動が日本以上に厳しい闘いです。そのため、3・4年生になると長期休暇を利用して、就職に有利になるような資格や能力試験に挑戦します。 その第一は語学。英語はまず基本で、それに加えて中国語・日本語ができればより有利になります。ある大手企業グループが、「中国語の資格保有者には最大5%の加点をする」と発表したので、中国語を習う人はいっそう増えることでしょう。お金が許せば、短期の留学に行くことも少なくありません。 語学以外では、コンピュータ関係や、公務員試験対策の塾などもあります。長期休暇の間、とにかく遊んではいられません。競争相手と差をつけるため、何かの資格を取るということが基本なのです。 印 省熙先生

【インドネシア】帰省して家の手伝いをする
インドネシアの大学生は夏休みをどう過ごすか

インドネシアの大学では、長期休暇は2回です。前期の休みが2・3月で、後期が8・9月。キリスト教系の大学だけ12月に休みがあります。その他、イスラム教の断食期間のあと2週間の休みがあります。 インドネシアの学生は通学に時間をかけるのを嫌がりますから、みんな大学の近くに下宿しているのです。休みの間に、短い補習授業があるときもありますが、たいていの学生は実家に帰って過ごします。 家の仕事を手伝い、その後、自分の勉強をします。お金持ちの家なら、家庭教師を呼んで勉強させることもあります。インドネシアの大学には飛び級もあるので、頑張れば4年かからずに卒業することもできるのです。 成績優秀な学生は塾のアルバイトをする人たちもいます。そうやって休みのうちに授業料を稼ぐのです。 スヨト先生

【タイ】休みのときくらいは家族と一緒に
タイの大学生は夏休みをどう過ごすか

タイの大学では、3月から5月に長期休暇があります。この時期が一番暑いからで、だいたい27度から36度くらい。40度以上になる年もあります。 休みの間、ほとんどの学生は実家に帰ります。この時期に留学した神田外大の学生に聞くと、寮に残っていたのは日本人学生4人だけだったそうです。よっぽどのことがない限り、帰省するのが普通なのです。 実家に帰って、家業がある場合はそれを手伝います。家業がなくても、おじいさん、おばあさんや兄弟の世話をするなど、家の用をするのです。余暇は、近所の友だちと一緒に、オートバイで出掛けることなどが多いようです。 避暑の旅行に行くときも、家族と行きます。家族のことは親が決めるので、それに従って動くというのが普通でしょう。普段、親と離れて暮らしているので、休みのときくらいは親と暮らすのがタイの大学生の長期休暇なのです。 ポンシー・ライト先生

【スペイン】夏休みは家族と一緒が基本
スペインの大学生は夏休みをどう過ごすか

スペインの大学の長期休みは2回あります。夏休みは、7月始めから9月中旬までの約3ヵ月。そして、冬休みは、12月20日くらいから1月7日くらいまでです。カトリックの国なので、サンタクロースはなく、プレゼント交換も1月6日の公現祭に行います。 日本も同じだと思いますが、夏休み中の大学生は遊んでいるのが一般的でしょう。 ちょっと違うのは、帰省して家族の元で過ごすのが基本ということです。海に行くとか、旅行に行くとかも、家族と一緒に行きます。お金がかかることは家族と一緒にやるということです。 ただし、前の学期で成績が悪かった科目があった場合は、夏休みに補習しておかなければなりません。9月の新学期になって試験があるからです。 カマチョ・ハビエル先生

【ブラジル】ひとびとは街から海に移動する
ブラジルの大学生は夏休みをどう過ごすか

ブラジルは日本と季節が逆ですから、12月から2月が夏休み、そして、7月が冬休みです。 わたしの故郷のポルト・アレグレでは、家族で海に行くというのが夏休みの定番でした。もちろん大学生であっても家族一緒です。 一泊二日とかではなく、別荘などを借りたりして1ヵ月くらい滞在するのです。海には貧富の差に関係なく行きます。その間、街がからっぽになるくらいです。 海に行けば、海で遊ぶか、友だちの滞在しているところに遊びに行くかという感じでしょう。大学生は夏休みですが、父親は仕事に行かなければならない場合もあります。その場合は、父親だけ帰って家族は海に残り、父親も週末は海という生活になります。 エイチャン先生

【メキシコ】ボランティアやインターンシップで仕事の現場を体験する
メキシコの大学生は夏休みをどう過ごすか?

メキシコの夏休みは7月始めから8月10日くらいまでの1ヶ月です。多くの大学生は、旅行したり帰省して故郷で過ごしたりします。12月のクリスマスの休みはみんな家族と過ごしますが、夏休みは絶対家族と一緒というわけではありません。 ボランティアやインターンシップといった活動をする人たちも、少なからずいます。たとえば、わたしはジャーナリズムに関心があったので、17歳から放送局でラジオの仕事をしていました。番組のプロダクションを手伝っていたのです。 はじめの2年間はボランティアで働き、19歳のときからは給料をいただくようになりました。ラジオに夏休みはありませんから、こちらもずっと働きます。学期中も、朝7時から昼までは大学、午後はメディアの仕事をしていました。 経済的な理由で、フルタイムで仕事をしながら大学へ通う人もいます。そのため、大学の夜間授業として夜7時から11時頃まで授業があるのです。 シルビア・ゴンザレス先生