10月29日(土)、髙橋一也先生と野田佳彦元総理大臣のライブトークイベント「素敵な大人たち」開催

10月29日(土)、髙橋一也先生と野田佳彦元総理大臣のライブトークイベント「素敵な大人たち」開催

立憲民主党所属の衆議院議員であり、元内閣総理大臣(第95代)の野田佳彦氏と、神田外語大学客員講師で"教育のノーベル賞"と言われる「グローバル・ティーチャー賞」で日本人初のトップ10に選出された髙橋一也先生によるトークイベント「素敵な大人達」が2022年10月29日(土)に開催されました。(社団法人SOLVE主催/首都圏模試センター協賛)

 

最先端の現場で現実問題に取り組んでいる「素敵な大人達」の素顔や生の声をお届けし、先進的な学びのヒントとなるような情報を提供することを目的に開催された本イベント。野田氏と髙橋先生をゲストスピーカーに迎え、本学7号館のクリスタルホールにて開催されました。 ※ハイブリッド型(対面開催・オンライン開催)

 

千葉県船橋市のごく一般的な家庭に生まれた野田氏が政治家を志すことになった経緯や、政治家を志す前に飛び込んだパナソニックの創業者である松下幸之助氏が開いた「松下政経塾」1期生時代の貴重なお話をいただきました。その後、数値で測れない非認知能力を高めて評価することの重要性について語り、日本の教育を今後より良くしていくために何をすべきかを考える時間となりました。参加者から質問を受ける時間も設けられ、今後の教育業界に求めることや豊かな人生とはどういったものかなど示唆に富んだ話題で盛り上がりました。
▲髙橋一也先生(左)と野田佳彦元総理大臣(右)
▲参加者との記念撮影
「素敵な大人達」ライブトークイベント概要
主 催/協 賛:一般社団法人SOLVE/首都圏模試センター
対 象:中高生、保護者、中高教員
日 時:10月29日(土)15:00-16:30
ゲスト:野田 佳彦氏(立憲民主党所属衆議院議員/立憲民主党最高顧問/第95代内閣総理大臣)
    髙橋 一也先生(神田外語大学客員講師/グローバル・ティーチャー賞トップ10選出)
場 所:神田外語大学 7号館クリスタルホール
形 式:ハイブリッド型(対面開催/オンライン開催)

野田氏のお話(1996年の第41回衆議院議員総選挙で他の候補者に105票差で落選した際について)

105票差という全国一の僅差で落選しました。夜も眠れなくて天井を仰ぎながら「なんで自分がこんな負け方をしたのだろう」と考える日々でした。ずっともやもやして、敗因がすとんと腑に落ちない毎日でした。そんな中、こういう仕事をしていると朝の勉強会があるのですが、ある時、アサガオの研究者の話が出まして「早朝にアサガオが可憐な花を咲かせるのに一番必要な条件は何か」と問われました。普通に考えて、陽の光と思ったのですが違いました。陽があたる前の夜の冷たさ、そして暗さが大事だというのです。
当時の私は苦労しながらも順調に当選してきましたが、夜の闇や冷たさを知っていたのかなと思いました。闇を知っているから明るいということが嬉しいのです。冷たさがあるから温もりは幸せに感じるのです。そのことがわかっていなかったのではと感じました。一人一人を大切に、とか言っていたけど、言葉だけだったのではないかなと。そういった反省のもと、また一生懸命街頭演説をおこない、力を振り絞った経験は、負けから得た学びでした。負けて良かったということはありません。ただ、負けても学ぶことはあるというのが感じたことです。

髙橋先生のお話(昨今注目されている言葉「グリット」について)

アメリカの心理学者が提唱した言葉「グリット」(※)は端的に言えば「やり抜く力」のことで、とても重要です。ただ、野田さんのお話を聞いていてもわかるように、実は周りでサポートしてくれる方たちがいたわけですよね。「自分にはこういう力があるからやり抜けるのだ」と思うより先に「自分の周りに支えてくれる人がいるからやり抜けるのだ」という気持ちをもつことで、良い人間性を身につけられると思っています。やり抜く力はもちろん必要ですし、身につけていく必要があるかもしれないですが、それ以前に「周りの人がサポートしてくれていること」と「それに対して感謝するなど適切な対応が必要であること」をきちんと振り返る力がとても大切です。

 

※グリット(GRIT)はGuts(度胸)、Resilience(復元力)、Initiative(自発性)、Tenacity(執念)の頭文字をとったもの。成功者に共通する4つの要素として、ペンシルバニア大学教授のアンジェラ・リー・ダックワース氏によって提唱された言葉で注目を集めている