第20回 「見て嗅いで食べて」

初夏、イングリッシュ・ガーデンは花盛りです。

花壇には赤やピンクのヒナゲシ、オレンジ色のハナビシソウ、青いヤグルマギク、白いカスミソウが一面に咲き、毎日写真を撮る人が絶えません。震災や原発の影響を心配している家族や友人に、極彩色の庭の写真を送ってあげると、少し安心してくれるかもしれませんね。

イングリッシュ・ガーデン名物のバラも、盛りを迎えています。遅咲きの品種もびっしりと蕾を付け、これからが楽しみです。 バラは、バラ科Rosa属の植物の総称で、原種は花弁5枚の一重咲き、北半球に分布しています。日本からも数種の原種が知られています。例えばこれは目黒にある自然教育園に生えていたノイバラ。
小さな白い花は清楚で、バラらしい香りもあります。華やかな大型の園芸品種の中には、この日本のノイバラの系統を引くものもあるのだそうです。 イングリッシュ・ガーデンのバラの花は無農薬なので、香りの強い品種を選んでジャムを作ってみました。 この分量で、小さめの瓶2個半くらいのジャムができました。赤いバラを1輪入れたので、色もとても綺麗です。食べると口の中全体にバラの香りが広がります。 クラッカーにクリームチーズを塗って、バラ・リンゴジャムをトッピングしたら、ちょっとお洒落なスイーツになりました。お試しください。 注)切り花として売っているバラは農薬を使っていますから、ジャムには適しません。

バラ・リンゴジャム

材料: リンゴ半分(皮をむいて適当に切る)、レモン半分(絞り汁を使う)、開ききる前のバラの花9輪(赤いバラを1輪、残りはピンク色の花、すべて香りのあるもの)、砂糖大さじ3杯、水適量。 作り方: 1)バラの花を洗い、花びらの根本の白い部分を鋏で切り落とし、雄しべなども取り除く。一番外側の花びらは排気ガスや塵で汚れているかもしれないので、使わず取り除く。 2)リンゴと砂糖と水をホウロウのお鍋に入れて、リンゴが柔らかくなるまで煮て潰す。 3)バラの花びらとレモンの絞り汁を 2)に加え、蓋をして少し煮る。バラの花びらに火が通ったら出来上がり。味を見て、砂糖が足りないようなら足す。