第5回 「手袋必携、ブルーベリー摘み」

ブルーベリーが熟しはじめました。

7月下旬からイングリッシュ・ガーデンの煉瓦塀の上で、ブルーベリーが熟しはじめました。ブルーベリーはツツジ科Vaccinium属の灌木です。日本で栽培しているものは北米原産の改良品種で、よく似た植物に、同属のビルベリー(ヨーロッパで自生・栽培)、クロマメノキ(北半球の亜寒帯・本州の高山に自生)などがあります。すべて実はそっくり、味も似ています。

前回紹介したブラックベリーはバラ科Rubus属ですから、ブルーベリーとは分類学的に全く違う植物ですが、英語では小さくて甘酸っぱい果実全般をberryと呼ぶようです。日本語で似たような意味を持つのは「イチゴ」という言葉でしょうけれど(普通のイチゴも含め、キイチゴ、ナワシロイチゴなど)、面白いことに「イチゴ」と名のついている植物は、バラ科で小さな液果(ジューシーな果実)を実らせるものに限定されています。確かに「イチゴ」と呼ぶからには、バラ科の液果特有のぷつぷつした小さな種の歯触りがなければ、物足りませんね。 ところで、ブルーベリーの葉陰にはアオイラガの幼虫が潜んでいます。イラガの仲間の幼虫は背中に毒の棘が多数あり、これに触れると蜂に刺されたように痛みます(経験者は語る)。写真の幼虫も「来るなら来い!」と、やる気満々に見えます。毒の棘はイラガにとって、鳥や哺乳類に食べられるのを防ぐ有効な武器です。触らなければ良いだけですから、ブルーベリーを摘む時には手袋をはめることをお勧めします。 ブルーベリーとブラックベリーを使って、素朴な感じのケーキを焼いてみました。 味はまあまあだったのですけれど、見栄えが悪くて写真はあきらめました。残念。

ブルーベリーとブラックベリーのケーキ

材料: ブルーベリーとブラックベリー合わせてカップ1杯、薄力粉カップ8分目、砂糖カップ6分目、卵2個、重曹小さじ7分目、オイル少々。 作り方: ホウロウのお鍋にベリーと大さじ1杯程度の砂糖、水少々を入れて煮る。果物に火が通ったらシロップごと他の材料と合わせてよく混ぜ、フライパンもしくはオーブンで焼く。フライパンで焼くときにはごく弱火にして蓋をし、表面がある程度固まってきたらひっくり返して少し焼く。