第1回 「KUISの庭は美味しい!」

この大学の庭は、ものすごく“美味しい”のでは?

イングリッシュ・ガーデンには小さいながら洒落た雰囲気の散歩道があり、初夏になればバラが馥郁と香ります。そうした道を講義の合間にたどるだけでも心楽しいものですが、造園計画をした人々は、どうやら「食べられる植物」を意識的に植えたようなのです。

私は2008年4月に神田外語大学に着任した、生物学・環境科学担当の教員です。 来たばかりの頃、私は構内の庭にあまり注意を払っていませんでした。「生物屋」の見地からすると、きれいすぎるほどきれいに手入れされていたからです(生物屋の多くは、観察して楽しい生物がたくさんいるような、人工的でない環境を好みます)。 しかし、学生に見せたいものを探して毎月庭を歩き回る内に、私は「この大学の庭は、ものすごく“美味しい”のでは?」と思うようになってきました。 イングリッシュ・ガーデンには小さいながら洒落た雰囲気の散歩道があり、初夏になればバラが馥郁と香ります。そうした道を講義の合間にたどるだけでも心楽しいものですが、造園計画をした人々は、どうやら「食べられる植物」を意識的に植えたようなのです。 以来私は、大学の庭で教材を集めつつ日光を浴び、「食べられるもの」を楽しく味わって元気をもらい続けています。このコーナーでは、そうした食べられる植物(と、その調理法)や香りの良い植物について、また庭で見られる他の生き物についてなども、ご紹介していきます。