
英語や韓国語、フランス語など、外国語に興味を持った時に進路として思い浮かぶのが語学の専門学校。自分の興味があることを学べるから進学してみようと思いつつ、その先の就職について気になってしまっている人もいるのではないでしょうか。
ご想像の通りかもしれませんが、語学の専門学校からの就職先はやはり語学を活かせる企業や団体が多い傾向です。具体的には航空業界やホテル業界、観光業界や運輸業界などへの就職が多くなる傾向にあります。
一方、意外なところでは、法律事務所で英文の書類を取り扱いながら活躍する人や、外国人対応を担う警察官として活躍する人もいます。語学専門学校を卒業した後には、その磨いた語学力を活かして様々な業界で活躍できる道が拓かれています。
しかし皆さんの中には、「具体的にどんな企業に就職できるのだろうか」と不安を感じる方や、「コロナ禍の影響はどれくらいあるのだろうか」と心配している方もいるかもしれません。
そこで本記事では、
- 語学専門学校出身者の就職先の例
- 業界の実情や就職率
- 就職しやすい語学専門学校の選び方
などをご紹介していきたいと思います。皆さんの進路選択の参考にしていただければ幸いです!
目次
1.語学の専門学校からは多種多様な業界や仕事に就職できる
語学専門学校からは多種多様な業界や仕事に就職できます。以下に業界ごとの具体例を挙げます。
この他にも、商社やメーカー、金融、不動産など、語学専門学校から就職できる仕事は多岐にわたります。
例として、当ブログを運営する専門学校 神田外語学院の2021年卒業生の就職先について、業界別割合をご紹介します。
■神田外語学院 2021年3月卒業生 就職内定先 業界別割合
最も多い業界は「教育/情報/サービス/各種企業」(29.4%)、次に「ホテル/ブライダル/外食」(17.8%)、その後に「航空/空港」や「小売/アパレル」などが続きます。
2021年卒業生は新型コロナウイルスの影響を受け、例年の割合とはやや異なっています。例年は「航空/空港」または「ホテル/ブライダル/外食」が最多となり、これに「観光/旅行」を加えた3業界で50%以上を占めています。
- 参考:2020年度卒業生 就職内定先 業界別割合
「航空/空港」29.4%、「教育/情報/サービス/各種企業」17.0%、「ホテル/ブライダル/外食」16.6%、「観光/旅行」6.9%など
それでは、各業界の詳細や、コロナ禍の影響などを解説していきます。
1-1.航空/空港業界
航空/空港業界は外国人の利用者を相手にすることが多い仕事のため、外国語を話せる人材のニーズが高まる場所です。
具体的には機内でお客様にサービスを提供するキャビンアテンダントや、空港でチェックインや搭乗案内などお客様の対応をするグランドスタッフなどの仕事があります。その他、地上で飛行機を誘導したり貨物室の荷物を扱ったりするグランドハンドリングという仕事や、保安検査場の仕事、免税店等で接客の仕事に就く人も多くいます。
飛行機や空港という非日常的な空間で働くことに憧れる人が多いことから人気の業界です。
※航空業界に興味を持った方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
1-2.教育/情報/サービス/各種企業
教育
民間の英会話スクールや子供向けの英会話教室で英語を教える仕事に就く人も多くいます。中学校や高校の英語の先生になるには大学等に進学して*教員免許を取得する必要がありますが、英会話教室等では教員免許は不要のため、専門学校卒業者でも英語の先生になることが可能です。
*中学・高校の教員免許を取得したい場合、専門学校卒業後に大学2年次に編入して教職課程を履修するという方法もあります。
※教員免許や大学編入学については以下の記事をご覧ください。
情報/サービス/各種企業
情報サービスの企業や特許事務所、市役所や医療法人などにも語学力がある人材へのニーズが存在します。このような企業・組織では、英語の文章を扱ったり、日本語が得意ではない在留外国人が訪れたりすることが多いからです。
この業界は他の業界に比べ、コロナ禍による影響がやや少ないため、直近では就職先として志望する学生も増えています。
■通訳は難易度が高い
という人もいると思いますが、通訳は難易度の高い職業のため、一般的な語学専門学校や大学を卒業してすぐに仕事ができるわけではありません。通訳養成学校を卒業したり、「全国通訳案内士」という国家資格を取得したりして、フリーランスとして仕事を受注するのが一般的です。
※全国通訳案内士については以下の記事で詳しく解説しています。
1-3.ホテル/ブライダル/外食
ホテル/ブライダル
ホテルは外国人が多く訪れるため外国語を使う機会も多く、付随するブライダルも含めて活躍する語学専門学校の出身者が多い業界です。特に外資系のホテルでは、非常に高い英語力が求められます。ホテル間での転職も多く、ステップアップも多い業界です。
ホテル業界もコロナ禍の影響を受けており、国内旅行の需要を取り込んで収益改善を図っている状況です。ブライダルに関しては、結婚式には大勢の人が集まるという特性から中止や見送りが相次ぎ比較的厳しい状況ですが、いずれも多くの企業が新卒採用を継続しています。
※ホテル業界に興味を持った方はこちらの記事もご覧ください。
外食
レストランにも外国人客が訪れることがあるため、語学力を持つ人材のニーズはあります。ただし直近では最もコロナ禍の影響を受けている業界のひとつであり、就職先としてはやや厳しい状況になっています。
1-4.小売/アパレル
小売店やアパレルの販売現場にも外国人客は訪れるため、外国語を活かす機会があります。百貨店や家電量販店、化粧品店などの販売職として活躍する人も多くいます。中華圏からのお客様も多いため、中国語で対応できる人材のニーズも顕著です。また、将来的にはバイヤーとして海外で買い付けの仕事をする可能性もあります。こうした仕事を目指す場合、語学力は特に重視されるでしょう。
ただし、コロナ禍の影響は小売/アパレル業界にも波及しており、企業によっては採用活動を縮小させています。一方、家庭内で消費する食品や商品などを扱っている企業の中には、業績が逆に上がっている企業もありますので、直近でこの業界を目指すのであれば、そのような企業を探すという選択肢もあるでしょう。
1-5.運輸/物流
航空便・船便などで国際貨物輸送を担う企業においては、海外とのやりとりに際して外国語で書かれた文書に目を通したり作成したりする機会が多いため、語学力のある人材が重宝されます。
コロナ禍でも運輸/物流はニーズがなくなることはない業界です。インターネット通販などの利用が増えたため宅配便の取扱量が増加し、国内物流を主軸とする企業の多くは業績が上がっています。
1-6.観光/旅行
旅行代理店やツアーオペレーター(ホテルや交通機関の手配を主に行う仕事)も、当然ながら外国人や海外のホテル等とやりとりすることが多いため、語学を活かす機会が多くあります。特に海外ツアーの添乗員や現地在住のガイドなどは高い語学力を求められるため、語学専門学校の出身者が多い職種です。
ただし、ご存知の通り観光/旅行業界はコロナ禍の影響を強く受けています。採用活動も著しく縮小しているため注意が必要です。
※観光/旅行業界に興味を持った方はこちらの記事もご覧ください。
1-7.金融/保険/不動産
金融関係でも外資系のクレジットカード会社などで外国語が必要になる場合や、保険・不動産でもお客様の対応で語学力が求められるケースがあるため、それらの業界に進む卒業生もいます。また学生の中には「語学は好きだけど、必ずしも仕事に活かさなくても良い」と思っている人もいるため、広い視野を持ってこれらの業界を選ぶ人もいます。
いずれもコロナ禍の影響は、そこまで多くない業界といえます。
1-8.商社/製造
運輸/物流業界と同様に海外企業とやりとりする商社や、外国人労働者が多い製造現場など、商社や製造の業界でも語学を活かす機会はあります。特に商社は実際に海外に行って買付けを行うなど、高い語学力を求められることもあるため、より難しい環境にチャレンジしていく卒業生もいます。
コロナ禍の影響については、扱う商品や物によって変わるため、事前の企業研究が必要になるでしょう。
ここまでは語学の専門学校を卒業した人が、どんな職種や企業に就職できるか解説してきましたが、「実際に就職できるのか?」という不安を感じている人もいるかと思います。次章ではその難易度を解説していきます。
2.語学の専門学校からの就職はしやすい
語学の専門学校からの就職はしやすいと言えます。主な理由は以下の2つです。
- 就活のアピール材料になる様々な資格をめざせるから
- 語学力のある人材を求める企業が多いから
2-1.就活のアピール材料になる様々な資格をめざせるから
一つ目は、就活のアピール材料として活かせる各種資格の取得をめざせるからです。多くの学校では、カリキュラムの中に資格試験対策の授業が含まれています。特にTOEIC®については、大手を中心に採用条件や昇進条件としてスコア基準を設定している企業も多く、就活市場で重要視されています。
語学専門学校で取得をめざせる資格(一例)
語学系資格 |
|
その他関連資格 |
*国家資格 |
※各資格に関する記事はこちら
- 【一瞬でわかる】TOEICスコアの目安を100点ごと7段階で解説
- 【一目でわかる】TOEFLスコアの目安を10点ごと8段階で解説
- 【全国通訳案内士試験】傾向と対策、免除制度も有資格者が完全解説
- 旅行業務取扱管理者とは?資格概要~難易度・例題付き勉強法まで解説
2-2.語学力のある人材を求める企業が多いから
もう一つは、航空業界やホテル業界など、語学力のある人材を採用したいという企業からのニーズが毎年あるからです。そのため、語学専門学校には毎年さまざまな企業から求人票が届きます。
当ブログを運営する語学の専門学校 神田外語学院では、就職内定者のうち8割程度が企業から学校に届く求人票経由で内定を獲得しています。なお、就職率は例年95%前後です。
そもそも大卒が条件となっている職業や特殊な資格が必要な仕事を除いては、通常であれば語学専門学校の出身者が就職先に困るということは多くありません。
※大卒でなければ就けない仕事は以下の記事で解説しています。
【とはいえコロナ禍の影響は大きい】 2021年4月現在、特に語学に関連する業界はコロナ禍の影響を依然として受けており、語学専門学校からの就職が厳しくなっていることは事実です。2022年4月入社の採用も縮小傾向が続いています。 ただし、これから専門学校への入学を検討している皆さんが、2023年4月以降の入社を目指す場合、状況が改善している可能性もあります。 最初から夢を諦めてしまうのではなく、幅広い業界を視野に入れながら準備しておくのがよいでしょう。 |
次章では、語学の専門学校から就職を目指そうと思った時に、どのような専門学校を選んだら良いか、という視点で学校の選び方を解説していきます。
3.就職しやすい語学専門学校の選び方
就職しやすい語学の専門学校を選ぶ際に見ておきたいのは以下の3つです。
(1)就職内定率の実績
(2)就職している業界の多様性
(3)就職のサポート体制
一つずつ解説していきます。
3-1.就職内定率の実績
各学校のホームぺージや入学案内書で紹介されている就職内定率を確認しましょう。ここで必要になるのは、自分が気になる業界や職種に関して、大体何人くらいの人が受けて、何人くらいの人が受かっているのか、実態を確認することです。
自分が進学しようと思っている学科から、どれくらいの人が就職を成功させているのか確認することも大切です。ホームページや入学案内書には情報が載っていないことが多いので、直接学校に電話やメールで問い合わせるとよいでしょう。
※ちなみに、多くの学校では「就職を希望をした人」を母数として就職内定率を出しています。つまり、進学や留学をする人、アルバイトをする人やワーキングホリデーに行く人など就職を希望しない人は母数に含まれていません。このことから、多くの場合は内定率90%以上など高い数字になっています。
3-2.就職している業界の多様性
コロナ禍の影響を受けている現在において、多様な業界に就職実績がある語学の専門学校はおすすめです。
例えばこれまでの就職実績の多くが航空・観光業界などコロナ禍の影響を受けやすい業界に集中していると、現在の状況では就職先が見つかりにくかったり、希望の職を得られない可能性があるからです。
例えば小売業や運輸業など、コロナ禍でも業績が好調となっている業界もあります。多様な業界に就職実績を持つ学校であれば、コロナ禍の影響を受けていない業界とのつながりを活かして就職を目指すことも可能になります。
3-3.就職のサポート体制
就職活動は情報戦になるため、就職のサポート体制も重要です。「こんな企業が募集を開始しました」という情報や、「本学だけに求人票がきています」という案内を早期に知ることができるかどうか、つまり業界との関係性を高く持っているかという視点は重要になります。
サポートしてくれる職員が、あなたが希望する業界の就活ノウハウを持っているかという点も、就職活動の成否を分けるポイントになることがあります。
また、就職活動では、普段の自分をしっかりアピールするためにも精神面での安定も求められます。学校の就職サポートをしてくれる職員が安心感を持って話せそうな人かという点も、オープンキャンパスなどでチェックしておくと良いでしょう。
4.語学の専門学校から就職を目指すなら神田外語学院がお勧め
英語をはじめとした語学力を伸ばし、それを活かせる仕事への就職を目指すなら、当ブログを運営する神田外語学院がお勧めです。
創立以来、6万人以上の卒業生を送り出し、学生の語学力を伸ばし続けてきた実績があります。また、2年間英語を集中的に学べる「英語専攻科」、英語力+エアラインの専門知識・スキルを身につけられる「国際エアライン科」、英語力+観光に関する専門知識・スキルを身につけられる「国際観光科」、英語力+ホテルに関する専門知識・スキルを身につけられる「国際ホテル科」など、さまざまな学科があります。
4-1.高い就職内定率
神田外語学院の卒業生の約8割は、学校に届く求人票から就職が決まるため、96.6%と高い就職内定率を実現しています。1957年の創立から半世紀以上の歴史を持つ神田外語学院と、その卒業生が培ってきた実績に、企業が厚い信頼を寄せている証拠です。
また冒頭でもご紹介した通り、多様な業界に人材を輩出しているため安定感もあります。
【過去3年間 就職内定実績(一部抜粋)】
就職だけでなく、東北大学や埼玉大学、東洋大学や神田外語大学など国内4年制大学への編入学においては、直近3年間で合格者915人という実績を残しています。大学に編入学することで、就職先の選択肢がさらに広がります。 |
4-2.キャリア教育センターがしっかりサポート
神田外語学院ではキャリア教育センターが一人ひとりの学生をサポートしています。
- 商社、製造、運輸、旅行、航空、ホテルなど業種別の専門スタッフが常駐
- 業種別の専門スタッフに個別相談
- 最新の企業情報をキャッチ
- 卒業生や先輩の就職活動レポートを閲覧
- 求人情報をリサーチし、相談しながらエントリー
などが可能になっています。
各業界で活躍する卒業生の声を紹介しています。ぜひご覧ください。
4-3.英語力UPにおいて高い実績を誇る
神田外語学院2年生のTOEIC®平均点は624点(2020年3月卒業生実績)と、600点を上回っています。
上のグラフの通り、大学生の平均点は567点ですが、神田外語学院2年生の平均点はそれを上回ります。また1学年に約1000人いる中で、在学中に700点以上を取得した学生数は322人、300点以上UPした学生は324人と、それぞれ約3割の学生が高いハードルをクリアしています。
4-4.外国人教員から英語で英語を学べる
総合的な英語運用能力を育てる国際コミュニケーション英語(EIC)
外国人教員から英語で英語を習う「国際コミュニケーション英語(EIC)」という授業が、全学科(一部除く)必修で毎週90分×5コマあります。「聞く」「話す」「読む」「書く」の英語4技能を総合的に強化します。
授業は20人以下の少人数習熟度別クラスで、日本語禁止のルールで行われています。授業以外の時間でも、留学生と英語で会話ができる「ECL(English Conversation Lounge)」などを活用することで、「コミュニケーションのための英語」を身につけることができます。
EICについては以下のページにて動画で詳しく紹介しています。 共通科目:EIC(国際コミュニケーション英語) |
また、英語発信力を強化するために、プレゼンテーションやディスカッションのトレーニングも日常的に行うため、総合的なスキルアップを目指すことができます。
24か国から集まった129人の外国人教員が少人数クラスで教える
神田外語学院では24か国から129人の外国人教員が集まり、英語だけなくさまざまな言語を教えています。また、多様な国・地域出身の教員から会話やコミュニケーションを習う授業は、20人以下のクラス編成を徹底。外国人教員が各学生と十分にコミュニケーションがとれるように設計されています。
4-5.「英語+α」の力を身につけることができる
神田外語学院では、英語科目と専門科目を1:1の割合で学べる6学科を設置しています。
どの学科でも英語力もしっかりと身につけるだけでなく、航空業界や観光業界、ホテル業界などの専門的な知識やスキルも習得できることが神田外語学院の特徴です。
さらに詳しく知りたい方は、各学科のページをご覧ください。
神田外語学院にご興味をお持ちの方は、教育の特長について紹介している以下の記事もぜひご覧ください。
5.まとめ
今回の記事では以下3点について解説しました。
- 語学の専門学校からは主に8つの業界への就職を目指せる
- 語学の専門学校からの就職はしやすいと言える
- コロナ禍の影響は業界により異なるので、最新情報を確認しながら進路を決めるのがお勧め
- 語学の専門学校から就職を目指すなら神田外語学院がお勧め!
皆さんの進路選択のヒントになることを祈っています!