【資料請求】

この一冊に神田外語学院のカリキュラム詳細、先輩の声、学費を総まとめ! 

世界遺産検定とは?試験概要~各級の難易度など、例題も交えて解説

世界遺産検定 モンサンミッシェル
男性

世界遺産検定ってどんな試験なの?

女性

世界遺産検定を取得することでどんなメリットがあるの?

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今や日本では富士山も世界遺産に登録され、「世界遺産」を知っている方は多いと思いますが、「世界遺産検定」については、ご存じない方もいるかと思います。

世界遺産検定とは、世界各国の世界遺産を学ぶことで、幅広い知識と教養を身につけられる試験です。受験者は、小中学生から社会人まで幅広い年代に渡り、2019年までの累計受験申込者数は、252,435人にのぼります。

資格を持っていることで、進学や就職、ビジネスにも役に立つことからこれだけ多くの方が受験しています。また、世界遺産を通じて、さまざまな国の歴史や文化、地理の知識をつけることは、異文化理解にも繋がります。 

そのため、大学受験を控えている高校生、就職を有利に進めたい大学生などにお勧めの資格です。

そこで今回は、皆さんが資格取得に向けて準備ができるように

■世界遺産検定の概要
■世界遺産検定資格取得のメリット
■世界遺産検定のサンプル問題と勉強法

全く知識がないという方でも、この記事を読めば世界遺産検定資格の取得にグッと近づきます。
ぜひ、この記事を読んで世界遺産検定の資格取得に役立ててください。

1.世界遺産検定とは国際的な教養が身につく資格

世界遺産検定は、世界193ヵ国に登録されている1000件以上もの世界遺産を学びます。その性質上、歴史や文化、地理の知識が身につき、異文化理解やグローバルな視点を育むことができます。

以下の表で資格の概要をまとめました。

世界遺産検定は、NPO法人 世界遺産アカデミーによって運営されている民間の検定試験です。文部科学省後援の資格で、年間の受験者は年々増加傾向にあり、2019年で約3万人となっています。
※2020年は、新型コロナウイルス感染拡大のため、さまざまな検定試験が中止になる影響を受けていましたが、第39回~第42回試験は「公開会場試験における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」をもとに感染拡大防止に配慮しながら、実施されました。

受験資格は、上位の級を除き特別な制限はなく、どなたでも受験可能になっています。資格は、4級~マイスターの5段階に分かれており、それぞれ対象となるレベルがあります。

世界遺産検定試験合格に向けて、学習を進めていくことで、幅広い一般教養を身につけることができるでしょう。

 

では、実際に世界遺産検定に合格すると、どのような利点があるのでしょうか。
次章では、取得することで得られるメリットについて解説していきます。

2.世界遺産検定を取得するメリット

世界遺産検定を取得することで、以下の5つのメリットがあります。

それぞれ詳しく、解説していきます。

2-1.2級以上で就職活動でアピールできる

世界遺産検定を取得していることで観光業界への就職に有利になる場合があります。

実際に以下の企業では世界遺産検定を社内推奨資格として認定しており、入社前に取得していることは一定の評価に繋がるでしょう。

・JTBグループ
・KNT-CTホールディングスグループ
・阪急交通社
・日本旅行 など

ただし、就職活動で有利になるには一定の基準があり、神田外語学院 国際観光科の教員によると2級以上が必要だと言われています。世界遺産検定が採用の決め手になるというわけではありませんが、2級以上を持っていれば勉強意欲がある、知識があるという点で印象がさらに良くなります。

2-2.大学入試で優遇措置を受けられる

世界遺産検定は全国230以上の大学・短大の入試で優遇措置が受けられる資格として採用されています。
世界遺産を通じて、さまざまな国の歴史や文化、地理を学ぶことは、学部を問わず大学での学びの基礎教育となるからです。 

具体的には、「点数加算」「学科試験免除」「判定優遇」「出願条件」などになります。

優遇措置 大学名・学部 入試区分 備考
点数加算 拓殖大学 全学部 推薦 評価する場合有り
学科試験免除 流通経済大学 経済学部/社会学部等 自己推薦 2級以上(作文試験免除)
判定優遇 東洋学園大学 全学部 全て 級の指定なし
出願条件 文京学院大学 人間学部 推薦 2級以上

ただし、優遇措置があると記載してあるほとんどの大学が「その他」の優遇措置となっており、面接時の参考として使われたり、資格を取得した努力を考慮される程度のため、大きなメリットを感じられないことも多いです。

志望している大学に合わせて、必要であれば取得すると良いでしょう。

世界遺産検定の入試優遇措置のある大学・短期大学一覧

2-3.社会人の方は仕事で会話のネタになる

お客様や取引先、同僚など仕事ではどんな場面でも相手とのコミュニケーションは重要になります。そのきっかけや切り口のひとつになってくれるのが、世界遺産検定です。

世界遺産は、年代や性別を問わず、多くの人が知っているため、会話のネタとしてとても有効です。

例えば、取引先の方が旅行先で見た世界遺産についての豆知識をはさんだり、外国人であれば「お客様の国には〇〇〇という素晴らしい遺産がありますよね」といった会話のきっかけになります。それだけでなく、世界遺産を通じて学んだその国の歴史や文化もコミュニケーションに役に立ちます。

2-4.世界遺産の学習を通して、国際的な教養が身につけられる

「世界遺産を知ること」=「世界各国の歴史や文化を知ること」と同じです。

世界各国の歴史や文化を知ることで、自分が生まれ育った環境との違いを認識でき、異文化理解が進みます。

特に海外に行った時に、その国の歴史や文化的背景などについての教養を身につけておくと、現地の人との会話が弾み、コミュニケーションを円滑に取ることが出来るようになります。結果的に、現地に馴染みやすくなり、仕事や留学などをスムーズに進める事が出来るようになるでしょう。

日本で暮らす分には、必要ないかと思われがちですが、今後、再び外国人観光客が増え、役に立つ場面に遭遇することもきっとあるでしょう。

2-5.旅行が楽しくなる

旅先での楽しみが増え、旅行が待ち遠しくなることは間違いないでしょう。

日本でも外国でも、有名な名所や観光地の多くは世界遺産になっています。世界遺産検定の学習を通じて、世界遺産を体系的に学ぶことでその価値や魅力を今まで以上に理解することができます。

また、学習した世界遺産を見に行く目的で、旅行先を決めるきっかけにもなることもあるでしょう。

 

このようにさまざまなメリットがある世界遺産検定。ぜひ、受験して合格したいですよね。
まずは、その第一歩として世界遺産検定試験の概要から理解していきましょう。

3.世界遺産検定試験の概要

世界遺産検定の試験概要は以下の通りです。

それぞれ詳しく、解説していきます。

3-1.試験内容

受験する級によって試験内容が異なります。
4級~1級はマークシート形式で出題され、マイスターのみ記述問題になります。

それぞれの級の出題対象、問題数などは以下の通りです。

出題対象は、日本の全遺産を基本とし、級が上がるごとに世界の遺産の対象件数が増えていきます。

出題分野は大きく4つに分かれており、「世界遺産条約などの基礎問題」「日本の遺産」「世界の遺産」「その他」です。

3-1-1.4級の試験内容

日本の全遺産(2020年7月時点で全23件)と世界の有名な遺産32件が出題対象になります。合格基準点は6割以上、出題数は50問です。その中で、日本の遺産に関する問題が約5割を占めます。

3-1-2.3級の試験内容

日本の全遺産と世界の有名な遺産100件が出題対象になります。合格基準点は6割以上、問題数は60問です。世界の遺産に関する問題数の比率が4割になり、4級よりも高くなります。

3-1-3.2級の試験内容

日本の全遺産と世界の有名な遺産300件が出題対象になります。合格基準点は6割以上、問題数は60問です。3級よりも世界の遺産に関する問題の比率が高くなります。

3-1-4.1級の試験内容

世界遺産全件が出題対象になります。合格基準点は7割以上、問題数は90問です。1級から世界遺産全件が対象となり1000件以上の知識を蓄える必要があります。

3-1-5.マイスターの試験内容

世界遺産全件が出題対象になります。問題数は3問で全て論述形式です。20点満点中、合格基準点は6割以上ですが、問1・2合わせて6点、問3で6点にそれぞれ達していなければ、不合格となります。

各級の具体的な問題例については、5章で詳しく解説していきます。

3-2.受験方法

世界遺産検定の受験方法は、2種類あります。

(1)公開会場試験
(2)CBT試験(CBT-Computer Based Testing)

居住地や環境に合わせて都合の良い受験方法を選べます。ただし、申し込み後の受験方法の変更はできません。

それぞれ解説していきます。

(1)公開会場試験

従来のテスト方式です。決められた試験日に指定された会場で試験を受けます。インターネットまたは郵便局で申し込みができます。郵便局で申し込みの場合、事前にHPより願書付きパンフレットを請求が必要になります。

(2)CBT試験(CBT-Computer Based Testing)

「CBT」とは、コンピュータを使って世界遺産検定(2級~4級)を受検するシステムです。2020年12月実施の第42回検定より、CBT試験が導入されました。試験期間であれば、好きな時間に全国約280ヵ所のテストセンターで試験が受けられます。こちらはインターネットで申し込みができます。ただし、現在は4級~2級のみCBT試験に対応しています。

CBT試験のメリットは以下の3つです。

(1)自分の希望する日時や会場で受検できること

約15日間の試験期間中から好きな日時を選んで受検できます。また、全国47都道府県に280カ所あるテストセンターから受検会場を選択できます。
※実施日と時間は会場によって異なります。
※テストセンター一覧はこちら

(2)受検の4日前まで申込でき、受検日時と会場の変更が可能なこと

座席に空きがある限り、受検日の4日前まで申込でき、日時と会場の変更も可能です。
※テストセンターにはそれぞれ定員があるため、早めにお申し込みください。

(3)従来の紙で受検する世界遺産検定と同じ効力があること

試験内容・難易度などはこれまでの紙で受検する世界遺産検定と同じで、「同じ資格」として学力の証明に使えます。そのため、従来の試験と同じように内申書や履歴書の資格取得欄に記載することができます。 

3-3.各級の難易度の目安と合格率

世界遺産検定は、前述の通り5段階に分かれており、それぞれ対象となる年齢の目安があります。

高校生であれば3級、大学生であれば2級以上を取っていれば、進学や就職活動の際に役に立つと考えて良いでしょう。

3-3-1.各級の難易度の目安

世界遺産について興味を持ち始めた中学生や高校生にお勧めです。

世界遺産検定の入門としての級です。まずは、世界遺産の成り立ちや魅力を知り、日本を中心とする世界の有名な遺産を通して、世界の広さを学ぶことを目指します。

日本史や世界史などを勉強している高校生や大学生以上の方で、初めて検定を受験する方にお勧めです。

出題範囲も程よく、世界遺産の基礎知識など、世界遺産を学習する上での基本が身につけられる級です。世界遺産条約や、歴史や地理に登場する代表的な世界遺産を学べます。

出題範囲が広がり、問題のレベルも上がるため、3級に比べ、やや難しくなります。

観光系企業の社内の推奨資格としても2級の対策講座があることから、就職活動を有利に進めたい学生は2級の取得を目指すと良いでしょう。

主に観光業界でプロとして働く方が取得を目指す級になります。

まず、受験資格として2級を持っていることが必要です。1級から全ての世界遺産が出題範囲になり、2級の300件から大幅に増えるため、段違いに難しくなります。その他にも世界遺産に関わる概念や登録基準なども出題されるため、合格するのは簡単ではありません。

受験資格として1級を持っていることが必要です。マイスターは、論述形式の問題となるため、世界遺産の理念や世界遺産に関係する出来事を、丸暗記するのではなく、自分の言葉でまとめておくことが重要です。

マイスターを取得するには、かなりの努力が必要です。取得する人は世界遺産についての専門家や、本当に世界遺産が好きな方(世界遺産マニア)といっても過言ではないでしょう。

3-3-2.合格率

過去4回の合格率の推移は以下の通りです。

また、各級の受験者数と合格者数は、第38回試験を例に挙げると以下の通りです。

受験級 受験者数 合格者数 合格率
4級 1,675  1,313  78.4%
3級 4,156  3,178名 76.5%
2級 3,406  1,399  41.1%
1級 895  186  20.1%
マイスター 29  13  44.8%

4級から2級までは、比較的合格率が高く、1級は一気に合格率が下がっており、難易度の高い試験になることが分かります。

マイスターの合格率が高く出ているのは、受験資格が1級認定者のため、受験者数が極端に少ないためです。

3-4.試験日程・時間

3-4-1.試験日程

世界遺産検定は、1年で年4回(2月、7月、9月、12月)行われます。その中で、上位級である1級とマイスターは年2回のみの実施となります。

※2020年は、新型コロナウイルス感染拡大のため、さまざまな検定試験が中止になる影響を受けていましたが、2020年2月以降の試験は「公開会場試験における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」をもとに「試験教室ごとの収容人数を、定員の 50%以下を目安に制限する」などの感染拡大防止対策を行いながら、実施されました。

また、受験方法によっても、申し込み期間や試験日程は異なります。

それぞれの申し込み~結果発表までのスケジュールは以下の通りです。

例:第43回試験のスケジュール
■公開会場試験(第43回試験は郵便局での申し込みは行っていません)

受験申込期間 インターネット
2020年12月16日(水)~2021年1月29日(金)17:00
検定日 2021年3月14日(日)
合否結果 インターネット発表日 2021年4月12日(月)
結果通知到着日 2021年4月26日(月)

■CBT試験(CBT-Computer Based Testing)

受験申込期間 2020年12月16日(水)~2021年3月10日(水)
※試験最終日の4日前まで申し込みが可能
試験期間 2021年2月28日(日)~3月14日(日)
合否結果 インターネット発表日 2021年4月12日(月)
結果通知到着日 2021年4月26日(月)

※「合否結果 インターネット発表日」はインターネットから申込された方のみ確認できます。

3-4-2.試験時間

当日のスケジュールは以下の通りです。
公開会場試験では、試験時間がかぶらない「3級と4級」「2級と3級」は併願受験が可能です。CBT試験は試験時間に関わらず、4級~2級の間で併願受験が可能です。

■公開会場試験

受験級 事前説明 試験開始 試験終了 試験時間
4級 10:30 10:40 11:30 50分
3級 12:20 12:30 13:20 50分
2級 14:20 14:30 15:30 60分
1級 14:20 14:30 16:00 90分
マイスター 14:20 14:30 16:30 120分

■CBT試験(CBT-Computer Based Testing)

試験期間中のテストセンターに空きがある時間を自分で指定。
当日は、受験開始時間の30~5分前までは入場可能。

受験級 試験時間
4級 50分
3級 50分
2級 60分

3-5.受験地・費用

3-5-1.受験地

■公開会場試験(例:第42回試験)

4級~2級:全国約30都市で実施。
1級:全国約19の主要都市で実施。
マイスター:東京23区、名古屋、大阪北のみの実施。

■CBT試験(CBT-Computer Based Testing)

全国約280カ所のテストセンターで受験可能。

3-5-2.費用

単願受験 公開会場試験 CBT試験
4級 3,500円 4,500円
3級 4,900円 5,900円
2級 5,900円 6,900円
1級 9,900円

実施なし

マイスター 19,400円
併願受験 公開会場試験 CBT試験
3級・4級 8,200円

実施なし

2級・3級 10,300円

※金額は全て税込みです。
※CBT試験は併願可能ですが、併願受験による受験料の割引はありません。

※1級には知識のブラッシュアップのために、「リスタ(re-study)受験制度」があり、1級認定者は4,100円で再受験できます。万が一、不合格でも資格の剥奪にはなりません。

 

ここまでは、世界遺産検定試験の概要を解説していきました。
次章では世界遺産検定試験を学習する前に知っておきたいポイントを解説していきます。

4.世界遺産検定試験を学ぶ前に知っておきたいコツ

世界遺産検定の試験問題は、4級~2級であれば、8割以上公式テキストから出題されます。公式テキストを使って学習することが、合格への1番の近道になります。

■世界遺産検定2級 公式テキスト

(画像引用元)NPO法人 世界遺産アカデミー
1級から4級の公式テキスト・過去問題集

各出題範囲も「日本の全遺産+世界の遺産〇〇件」となっていますが、実際に出題される遺産は、かなり数が限られています。4級が日本と世界の遺産を合わせて54件、3級が日本の遺産17件と世界の遺産100件、2級が日本の遺産20件と世界の遺産300件の中から出題されます。つまり、4級~2級においては、日本や世界の遺産を全て学ぶ必要はないのです。

しかし、1級とマイスターについては、全ての世界遺産を網羅する必要があります。文字通り世界遺産に登録された1,121件(2020年7月時点)から出題されます。全ての世界遺産についての知識が必要になるため、根気よく学習を進める必要があります。

 

次章では、世界遺産検定試験のサンプル問題を例に挙げて、どのような問題が出題されるのか解説していきます。 

5.世界遺産検定試験の試験問題から見る出題傾向 

世界遺産検定試験は、級位が上がるにつれて出題範囲が広がり、広範囲にわたる知識が必要です。しかし、あらかじめ過去問を解き、出題のポイントをおさえていれば、十分に合格点を取ることも可能です。

では早速、それぞれの級ごとにどのような問題が出題されるか確認していきましょう。

5-1.4級は日本の遺産に関する基本的な問題が多い

問題のレベルも正誤問題や穴埋め問題、名称(遺産名・人物名・地名など)を問う基本的な知識問題が多く、出題範囲も狭いので、例年同じような問題が繰り返し出題されています。地図から遺産の場所を問う問題も出題されるため、遺産の位置も覚えておくようにしましょう。 

“世界遺産検定4級 サンプル問題”

ギリシャ神話によると、守護神の座をめぐって海の神ポセイドンと知恵と戦いの女神アテナが争い、結果的にアテナが守護神となりました。守護神となった女神アテナにパルテノン神殿がささげられました。

5-2.3級は世界の遺産に関する基本的な問題が多い

こちらも4級と同様に正誤問題や穴埋め問題、名称(遺産名・人物名・地名など)を問う基本的な知識問題が多く出題されます。近年どこで世界遺産委員会による世界遺産会議が開催されたか、されるか、今後日本が世界遺産登録を目指している遺産などの問題も出題されることが多いです。

“世界遺産検定3級 サンプル問題”

1722年のイースター(復活祭)の日に発見されたことからイースター島と呼ばれています。正式名称はチリの公用語であるスペイン語でイースターを意味する「パスクア」島。モアイ像が作られた理由は諸説ありますが、先住民の貴族階級の先祖を祀るため、という説が有力です。

5-3.2級は応用問題も出題されはじめる

文化的景観や伝統的な集落、ヨーロッパの建築様式など、各国の遺産をテーマに沿って複合的に出題される傾向があります。組み合わせ問題や引っ掛け問題が数多く出題される傾向にあるので、丸暗記ではなく、遺産の内容を理解するようにしましょう。

“世界遺産検定2級 サンプル問題”

アメリカのコロラド州にある『メサ・ヴェルデ国立公園』は、12世紀末に築かれた住居群の遺跡です。全部で3つの住居群のうち、最大のクリフ・パレス※は崖下にあり、200~250人が居住していました。

5-4.1級は遺産についての詳細な知識まで求められる

出題範囲が非常に広く、過去問と同じ問題が出る可能性は少ないため、出願傾向を絞ることは難しいでしょう。全ての世界遺産をまんべんなく学習し、理解する必要があります。

テキストでは要点とされていない部分も問われることが多く、出題内容が非常に細かい傾向にあることは言えるでしょう。

“世界遺産検定1級 サンプル問題”

岐阜県と富山県に点在する3つの集落。白川郷と五箇山は、約20km離れているが、南北に走る庄川によって結ばれ、ひとつの文化圏を形成していました。合掌造り家屋は、雪の重みと風の強さに耐えるため、釘などの金属物は一切使用しません。まさにこれは、環境や風土に合わせて生み出されたものです。ウスバリとは、小屋組の底辺(床)を構成する部分で、これにより小屋組と軸組は、構造的・空間的に分離されていました。

5-5.マイスターは事実に基づき自分の言葉で説明する問題が多い

2018年~2020年の過去4回の試験では、問題1は語句の説明問題、問題2は世界遺産条約について、指定された4つの語句を全て使って説明する問題が出題されています。問題3は具体的な事例と共に自分の考えを論じる問題が出題されます。

“世界遺産検定マイスター サンプル問題”

※編集部が「くわしく学ぶ世界遺産検定300」を参考に、上記解答を作成しました。実際の満点解答とは異なる場合があるため、あくまで参考としてください。予めご了承ください。

上記は、指定語句を用いて世界遺産条約を説明する問題です。基本的な問題文は毎回変わらないため、対策が立てやすいです。「世界遺産」ではなく「世界遺産条約」について説明するよう注意することがポイント。また、字数制限があるため、指定語句を中心に肉付けして文章をまとめるようにしましょう。

どのような問題が出題されるか、イメージはできましたでしょうか。
次章では、具体的な勉強方法について、解説していきます。

6.世界遺産検定の勉強方法

世界遺産検定試験に合格するには、受験級に合った正しい勉強法をとることが重要になります。少しでも効率よく学習をして、1回で合格を狙いたいですよね。

また、前提として興味を持って楽しみながら勉強を進めることは、合格を目指す上で必須です!

この章では受験級別に世界遺産検定の学習方法を解説していきます。

6-1.4級~2級の勉強方法

4級~2級は以下のステップで学習を進めていきましょう。

6-1-1.世界遺産アカデミー公式の学習ポイント動画を視聴し全体感を掴む

まずは、世界遺産検定試験を主催している世界遺産アカデミーの学習ポイント動画を視聴しましょう。

例えば、3級の勉強法の動画では、1分20秒~5分30秒にかけて、学習の流れやポイントを紹介しています。ただ、4級と3級は少し古い動画になり、テキストのページ数などズレが生じていますが、大筋の勉強法は変わっていません。勉強を始める前の参考にしましょう。

10分でわかる世界遺産検定4級の勉強法
10分でわかる世界遺産検定3級の勉強法
世界遺産検定2級学習アシスト動画【前編】
世界遺産検定2級学習アシスト動画【後編】

6-1-2.公式テキストをじっくり読み、知識をつける

4級から2級の問題は8割以上、公式テキストから出題されます。そのため、必ず公式テキスト使って学習を進めましょう。

まずは、太字部分を中心に周辺情報を頭に入れていきましょう。1回で全て内容を理解しようとせず、2~3回繰り返して読み、理解を深めていきましょう。

テキストには世界遺産の写真やイラストがところどころに使われているため、頭の中でイメージと解説を結び付けながら覚えると記憶に定着しやすくなります。

※世界遺産は毎年更新されますので、必ず最新のテキストを購入するようにしましょう。

■世界遺産検定 公式テキスト

(画像引用元)NPO法人 世界遺産アカデミー

【4級】はじめて学ぶ世界遺産50<第2版>
【3級】きほんを学ぶ世界遺産100<第2版>
【2級】くわしく学ぶ世界遺産300<第3版>

6-1-3.公式過去問題集を使って過去問を繰り返し解く

基本的な内容が理解できたら、以下で紹介している公式過去問題集を使って過去問を解きましょう。

問題のパターンはある程度決まっているため、過去問を繰り返し解くことによって、本番の問題形式に慣れることができます。必ず本番と同じ環境にするため、時間をはかって取り組みましょう。

公式過去問題集には、全4回分の過去問が収録されています。それぞれ最低2回は解くようにしましょう。
過去問を解くことで自分の弱点を発見できるため、合格に大きく近づきます。間違えた問題は解説を読み、該当部分をテキストで復習するようにしましょう。

■世界遺産検定 公式過去問題集

(画像引用元)NPO法人世界遺産アカデミー

公式過去問題集

旅行会社のパンフレットや白地図を利用した学習も効果的

神田外語学院 国際観光科の教員によると、旅行会社のパンフレットや白地図を利用した学習も効果的だそうです。

旅行会社が出しているパンフレットは、ツアーの中に世界遺産観光が組み込まれていることが多いです。写真付きで世界遺産や各観光地が紹介されているため、文字だけよりも印象に残りやすいでしょう。ツアーでは、世界遺産だけでなく、芸術や音楽、食も体験するため、その国の文化とセットで学べます。実際に旅行した気分で楽しみながら学習することが継続のコツです。

白地図学習では、地図を1冊用意しておきましょう。国立公園の範囲や観光地や名所などは地図で確認してください。白地図を活用して、以下のような地図を自分で作って地名や名産品などを覚えていく方法もオススメです。

※白地図は以下のサイトなどから無料でダウンロードできます。
白地図専門店

6-2.1級の勉強法

6-2-1.世界遺産アカデミー公式の学習ポイント動画を視聴する

まずは、4級~2級と同様に世界遺産検定試験を主催している世界遺産アカデミーの学習ポイント動画を視聴しましょう。

試験のポイントや覚えるべき内容を具体的な例を用いて解説しています。

世界遺産検定1級学習アシスト動画【前編】
世界遺産検定1級学習アシスト動画【後編】

6-2-2.テキストを徹底的に読み込み付帯情報まで記憶に残す

1級は、予想もしなかったような細かい知識について問われることが多いため、とにかくテキストを徹底的に読み込むことが必要です

もちろん全部暗記できていなくともマークシート形式なので消去法で解ける場合があります。しかし、出題範囲が非常に広く、どこの問題が出題されるかも予想できないため、広く深く知識を付けていくと良いでしょう。

ただし、過去問で出題されたテーマは、繰り返し出題される可能性が高いです。実際に「石見銀山遺跡とその文化的景観」に関する問題が2年連続で出題されることもありました。このように一定の出題傾向が見受けられる場合もあるため、テーマを絞って勉強するのも有効でしょう。

また、世界遺産は単独で存在している訳ではなく、国や歴史、建築様式などと相互に結びついています。横のつながりに注目しながら、セットで学んでいくようにしましょう。

■すべてがわかる世界遺産大事典<上>

(画像引用元)NPO法人 世界遺産アカデミー

すべてがわかる世界遺産大事典<上>
すべてがわかる世界遺産大事典<下>

6-3.マイスターの勉強法

マイスターの試験は全て論述形式になります。1級で学んだ、全ての知識をもとに世界遺産の理念や世界遺産に関係する出来事を、丸暗記するのではなく、自分の言葉でまとめる練習をしましょう。

多くの問題や課題を抱える世界遺産について、常に意識して情報を集めるようにし、それについて自分はどう思うのか考えるようにしましょう。

例えば、毎年出題内容が大きく変わる例題3では、以下の点に気を付けて学習を進めましょう。

・書き始める前に必ず全体のプロットを作成する
・「序論・本論・結論のスタイル」または「結論を書いてから後で説明するスタイル 」を用いる
・全体の流れをみて、キーワードを箇条書きにする
・自分の意見を論理的に述べ、正確な情報で根拠を示す
・最低でも指定された文字数の8割は書く

2020年7月の試験の講評および学習方法
2019年12月の試験の講評および学習方法

神田外語学院 国際観光科では、世界遺産検定の取得はもちろんですが、世界遺産を切り口にその国の観光資源や歴史・文化にも目を向けてほしいと伝えています。それは、政治、経済、歴史といった難しいものだけではなく、芸術や音楽、雑貨、食など、興味のあることがきっかけでも良いです。ぜひ、そんな風にして楽しく、世界遺産を学習してください。

世界遺産検定の勉強法はご理解いただけたでしょうか。
独学での勉強に不安を感じるけれど、将来は観光業界へ就職したいと考えている場合は、学校に入学し、世界遺産検定の取得と観光業界への就職を同時に目指すという方法もあります。
次章では、それが同時に目指せる神田外語学院 国際観光科について紹介します。

7. 観光知識を身につけて、観光業界への就職を目指すなら神田外語学院 国際観光科がお勧め

神田外語学院 国際観光科なら世界遺産検定の取得を活かして、観光業界への就職を目指せます。

観光資源について学び、世界遺産検定だけでなく、観光業界に関する基礎知識や、就職に役立つ「旅行業務取扱管理者」「旅程管理主任者」の資格を取得することができます。
また、外国語専門学校の強みを活かし、これからの旅行業界で求められる英語力も伸ばすことも可能です。

7-1.世界遺産検定をはじめとする観光系資格の取得実績

「旅行業法」「旅行業約款」「国内旅行実務」「国内観光資源」などの授業を通して試験対策を行っています。

7-1-1.世界遺産検定

国際観光科では、世界の観光資源を学んできた仕上げの場として、授業の一環で世界遺産検定を受験しています。

2019年12月の試験では、3級に50人名の学生が受験し、見事50名全員が3級に合格しました。2018年12月の試験では高いレベルを目指し、2級を受験した学生もおり、7名が受験し、6名が合格しています。

7-1-2.国内旅行業務取扱管理者資格

国内旅行業務取扱管理者資格(国家資格) とは旅行会社で国内/海外旅行を販売する上で必要となる国家資格です。営業所に1名以上の旅行業務取扱管理者を配置することが旅行業法という法律で義務付けられています。

2019年4月に国際観光科に入学した学生は、2019年9月1日に行われた「国内旅行業務取扱管理者試験」において、57名中、23名が合格しました。夏休み期間を含み、わずか5ヶ月で合格率40.3%をたたき出し、これは一般社団法人全国旅行業協会が公表している2019年9月の全国合格率が39.1%を上回る合格率となりました。

また、不合格の34名中、11名が実務合格となりました。
※実務合格とは、一部科目合格のことで、来年の試験で「国内旅行実務」の1科目が免除になります。

一般社団法人全国旅行業協会 各年度の実施状況、試験問題と解答、合格者受験番号

神田外語学院の「国内旅程管理主任者」資格取得率

国内旅程管理者とは、旅行会社が企画する「ツアーや団体旅行」に同行するツアーコンダクターが必ず持っていないといけない資格です。

神田外語学院は「国内旅程管理主任者」資格の取得もサポートしています。授業の一環で資格取得を行っているので、取得率はほぼ100%です。

7-2.国際観光科のカリキュラム

今回はそのカリキュラムの一部をご紹介します。

国内・海外観光資源

国内外の地理、世界遺産、地域の行事、絵画・音楽などの芸術、伝統料理や観光に関することなど、日本だけでなく世界の知識を広く学びます。観光資源の背景にある歴史や風土について知識を深め、旅行業界で活躍できるような基礎学力と専門性を高めます。

旅行業法・旅行業約款

国内旅行業務取扱管理者試験の対策講座です。旅行業法の授業では旅行会社が守らなくてはいけない「法令」を理解します。旅行業約款の授業では、旅行会社と旅行者との契約を定型化することにより、旅行者とのトラブルを未然に防ぎ、旅行をより楽しんでもらうための「約束事」を理解します。

ツアープランニング

さまざまな企画制作発表を通して、情報収集力・創造力・プレゼンテーション力を身につけます。JR東日本とのコラボレーション企画「駅からハイキング」、日本人観光客向けの「海外卒業旅行企画」、訪日観光客向けの「国内旅行企画(英語)」などの企画を行います。

ツアープランニング

ツアーコンダクター実務

ツアーコンダクターとして必要な知識、添乗業務の流れ、ホスピタリティを学びます。授業を通し、業務に即した実践的な知識と教養を習得します。ツアーコンダクターなどの人材派遣を手掛ける株式会社TEIと提携を結んでいるため、授業の中で実際にバス添乗員研修をおこない、「国内旅程管理主任者」資格を取得することができます。

ツアーコンダクター実務

 

\神田外語学院の“リアル”を体験!/

\2分で簡単!/

 

8.まとめ

いかがでしたでしょうか。
世界遺産検定について、十分にお分かりいただけたかと思います。
最後に本記事で解説した内容をまとめるとポイントは以下の4つです。

(1)世界遺産検定とは国際的な教養が身につく資格

(2)世界遺産検定を取得することで、就職活動でアピールできる、大学入試で優遇措置が受けられる、営業などの話のネタになるなど、どの世代にもメリットがある

(3)高校生であれば3級、大学生であれば2級以上を取得していれば、進学や就職活動の際に役に立つ

(4)とにかく公式テキストと公式過去問題集を活用して学習を行うのがお勧め

この記事を読んで、世界遺産検定の資格取得に向けて取り組んでいただければと思います。

 

 

直近4年間で観光業界へ
100名超の内定実績!

観光業界を目指すなら神田外語学院

  • ツアーコンダクターに
    なって世界中を
    旅してみたい!
  • ツアープランナーに
    なって旅行の企画がしたい
  • ツアーオペレーターに
    なってお客様の旅行を
    サポートしたい!

観光業界を目指すなら神田外語学院

観光業界で働く姿を想像するとワクワクする気持ちが高まってきますよね!
「将来は観光業界で働くのが夢!」
そう考えている人には、ぜひ専門学校 神田外語学院 国際観光科をお勧めします。

観光業界を目指すなら神田外語学院

■直近4年間で観光業界へ116名の内定者
■就職に役に立つ資格を多数取得可能
■観光業界の経験豊富な教員陣
■座学と実習の両面から実践力を養成
■観光業界で必須の英語力を磨ける

など、あなたの観光業界で働きたいという夢を、力強くサポートする体制が神田外語学院には整っています。
国際観光科の魅力を特集記事にまとめましたので、ぜひ一度ご覧ください。

【学校雰囲気・先輩の生の声・カリキュラムなど丸わかり!】
【学校雰囲気・先輩の生の声・カリキュラムなど丸わかり!】