中国語を専門学校で本格的に学びたいと考えている人の中には、こんな疑問を持っている人もいるでしょう。実は中国語を専攻として本格的に学べる専門学校は、全国を見ても10校程度しかありません。そうしたことから、大学の中国語専攻を検討している人もいると思います。
そこでこの記事では、全国の中国語を専攻として学べる専門学校の一覧に加え、
- 語学系の大学と専門学校の違い(メリット/デメリット)
- 中国語を学べる専門学校を選ぶときのポイント
などを解説していきます。最後まで読めば、自分に合った中国語の学校が見つけ方がわかり、進路が定められるようになると思います。
目次
1.中国語を学べる専門学校一覧
最初に、中国語を学べる専門学校をまとめて紹介します。全国に10校程度しかありません。
※ここでは、卒業時に「専門士」の称号が付与される認可校のうち、学科・コース名に「中国語」が含まれ、中国語科目を主としたカリキュラムが設置されている学校のみを対象としました。
所在地 | 学校・学科/コース名 | 特徴 | |
東京都 | 千代田区 | 神田外語学院 (アジア/ヨーロッパ言語科 中国語コース) | 小人数制クラス。英語と中国語を両方学ぶ。日本人講師と中国人講師が在籍。 |
駿台外語&ビジネス専門学校 (中国語学科) | 初心者から中級者を対象とした「中国語コース」と、検定の高級取得を目指す「留学コース」の2コース。 | ||
新宿区 | 日本外国語専門学校 (アジア・ヨーロッパ言語科 中国語+英語専攻) | 英語と中国語を両方学ぶ。日本人講師と中国人講師のダブルティーチャー制。 | |
東京観光専門学校 (外国語コミュニケーション学科 中国語コース ※2021年4月新設) | 中国語の授業と観光系の実習が半分ずつ。中国語は基礎から学べる。 | ||
文京区 | 日中学院 (中国語本科) | 中国語のみを初歩から2年間学ぶ。2年次に1か月の短期留学が必修。 | |
新潟県 | 新潟市 | 国際外語・観光・エアライン専門学校 (中国語コミュニケーション科) | 日本人講師と中国人講師が担当。中国語の他、中国文化・英語も学ぶ。 |
大阪府 | 大阪市 | 大阪外語専門学校 (アジア言語ビジネス科 中国語・英語ビジネス専攻) | 中国語と英語を学ぶ。中国語授業のほとんどは中国語で実施。 |
大阪観光専門学校 (グローバル語学学科 英語・中国語コース など) | 英語に加え、接客に必要な中国語の基礎から応用までを学ぶ。 | ||
京都府 | 京都市 | 京都外国語専門学校 (中国語学科) | 1クラス15人程度の少人数制。授業は一部を除き中国人講師が担当。 |
語学系のほか、観光系の専門学校にも中国語専攻が設置されているところがあります。
学校名の部分に各学科/コースのページへのリンクを張っているので、それぞれの詳しい特徴などはそちらからご覧ください。
2.中国語を学べる専門学校と大学の違い
中国語を専門学校と大学どちらで学ぶほうがよいか迷っている人もいると思います。そこで、中国語を学ぶ場合の専門学校と大学の違い(メリット・デメリット)をまとめました。
2-1.専門学校で中国語を学ぶメリット・デメリット
専門学校で中国語を学ぶメリット
■2年間の短期集中学習で中国語を習得できる
専門学校は2年間で一定レベルの中国語を習得するカリキュラムが組まれています。学校にもよりますが、専門学校の2年間の中で中国語に触れられる時間は、大学1~2年次の2年間よりも相対的に多い傾向にあります。中国語に触れられる時間的な密度が濃く、短期集中型で学べるのは専門学校のメリットです。
■会話など実践的な授業が中心
専門学校の中国語授業は、会話などの実践的な授業が中心です。これは、中国語を学問ではなく職業訓練として実践的に学ぶためで、「読む・書く」技能だけでなく、日本人が苦手としやすい「聞く・話す」技能も磨けます。
■学費が2年分で済むため経済的
語学系の学校はコミュニケーション重視で従来より少人数のクラス編成を行ったりする関係で、学費もやや高めになりがちです。大学の語学系学科も同様のため、4年制の大学に比べ、2年制の専門学校の方が経済的に学べると言えます。参考までに、私立大学の平均的な学費は4年間で約460万円、専門学校は2年間で約230万円です。
※大学と専門学校の学費の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
専門学校で中国語を学ぶデメリット
■言語学的に中国語を学ぶ時間はほとんどない
前述したように、専門学校の授業は会話など実践的な授業が中心で、学問として中国語を学ぶ時間はほぼありません。言葉の成り立ちや発音の研究など、言語学的な授業はカリキュラムに含まれていないことがほとんどです。会話の授業の合間に中国文化や歴史などを教えてもらえることもあるかもしれませんが、専門的に学ぶことはできません。
■2年制のため物足りないと感じることがある
専門学校は2年制のため、長く学びたいと思っても2年間で卒業です。一から勉強を始めた場合ではようやく基礎が固まってくる頃なので、もう少し学校で勉強したかったと物足りなく感じてしまう人もいるでしょう。
ただ、卒業後に大学に編入学して勉強を続けるという方法もあります。
※大学編入学とは、専門学校などの卒業者が大学の3年次または2年次に編入学できるという制度です。 以下の記事で詳しく解説しています。
■在学中の長期留学は難しい
一つ上のデメリットにも繋がりますが、専門学校は2年制のため、半年~1年間といった長期の留学は難しいと言えます。留学は夏休みなど長期休暇を利用して、1~2か月程度の短期になるケースがほとんどです。長期留学を希望する場合は卒業後に行くのが現実的です。
2-2.大学で中国語を学ぶメリット・デメリット
大学で中国語を学ぶメリット
■相対的にハイレベルな教育を受けられる可能性が高い
カリキュラムや教員の質、4年間の修業年限という意味で、大学のほうが相対的に教育のレベルが高いということは言えるでしょう。現地の新聞や中国古典などを使って多面的に学ぶことで中国語の質が高まり、それが評価されることで就職も有利になるというメリットがあります。
ただし、全ての大学が専門学校よりもハイレベルな環境が整っているというわけではないので注意が必要です。
■学問としての中国語や、中華圏の文化・歴史も学べる
大学では実用面としての「読む・聞く・書く・話す」技能だけでなく、中国語自体の歴史や古典中国語など、学問としての中国語も学べます。また、中華圏の歴史・文化・政治なども学べるため、中国語への理解をより深められるでしょう。
■大学によっては長期留学もできる
大学は4年制のため、半年~1年間といった中長期の留学に行きやすいという面があります。休学することなく現地での生活を経験できるのはメリットです。1年間の交換留学に行く学生は、1~2年次で基礎を固めて3年次に渡航し、4年次に帰国するというパターンが多いようです。
大学で中国語を学ぶデメリット
■中国語に触れる時間が少ない時期がある
大学は4年制ですが、4年間の中で部分的に中国語学習の時間密度が薄くなることがあります。1~2年次は中国語以外の必修科目も多く取らなければならないため、特に中国語に触れる時間が薄くなりがちです。語学習得においては、毎日継続的に言葉に触れる時間が長い方が望ましいとされているため、より高いレベルを目指すためには、授業以外でも積極的に中国語に触れる時間を作る必要があります。
■実践的な授業の割合が少ない場合がある
大学によっては中国語専攻でも、実践的な中国語を学ぶ授業が専門学校に比べて少なく、「読む・書く・聞く・話す」の4技能を総合的に磨くのが難しいこともあります。自分がイメージする中国語学習を実現できそうか、オープンキャンパスなどできちんと確認しましょう。
■専門学校より学費が高い
前述したように、私立大学の平均的な学費は4年間で約460万円、専門学校は2年間で約230万円と約2倍の差があります。特に語学系の学校はこの平均値よりも高めになる傾向にあります。
※大学と専門学校の学費については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
3.中国語の専門学校を選ぶときの4つのポイント
中国語の専門学校を選ぶ時に確認すべきポイントは以下の4つです。
- 教員の質や学習サポート体制は十分か
- 検定や資格試験の実績は十分か
- 就職などの実績は十分か
- 留学可能な提携校があるか
1つずつ解説していきます。
3-1.教員の質や学習サポート体制は十分か
まず注目すべきは教員の質や学習サポート体制です。それらの差が教育の質の違いを生み出します。例えば、外国人教員と日本人教員がバランスよく授業を持っている学校は好印象です。語学において「話す・聞く」領域では、やはり中国語を母語とする教員のほうが正確な発音などを学ぶには効果的でしょう。一方、文法や検定対策の授業は、日本人が理解しにくい部分を把握している日本人教員が担当していることが望ましいと言えます。
また、同じく会話の授業において、30人~40人など多くの学生が集まって1人の教師と練習してもなかなか効率的な学習につながりにくいでしょう。できるだけ少人数制のクラスを構築している専門学校を選ぶ方が授業の質という意味でおすすめです。
また、自習施設や自由に使える教材、授業以外でも学習をサポートしてくれる相談制度などの環境が整っているかどうかも確認しましょう。
3-2.検定や資格試験の実績は十分か
検定や資格試験の合格実績も重要です。「合格実績が豊富=中国語力を伸ばしてきた実績が豊富」ということが言えるからです。
中国語の検定としては、中国語検定試験(中検)や漢語水平考試(HSK)が有名なものとして挙げられます。2年制専門学校であれば、「中検3級/HSK5級以上の取得者がどれくらいいるか」を見るとよいでしょう。
中検3級/HSK5級以上は、中国語である程度のコミュニケーションが可能なレベルで、就活時に履歴書に書いてアピール材料にできると言えるからです。
※中検のレベルの目安などは以下の記事で詳しく解説しています。
3-3.就職などの実績は十分か
就職実績などもポイントです。専門学校で中国語を学ぶ大きな目的の一つは、将来的に仕事で語学を活かすことだからです。具体的には、航空会社やホテル、旅行・観光関連の仕事、流通・貿易事務など、語学を活かした仕事に就いている卒業生が多いかどうかを確認しましょう。
就職以外にも、大学編入学という進路もあります。大学編入学とは、専門学校などの卒業者が大学の3年次または2年次に編入学できるという制度です。当ブログを運営する専門学校 神田外語学院では、卒業生の3~4割程度が大学編入学をしています。大学進学に興味がある方は、編入学実績もあわせてチェックしてみることをお勧めします。
※大学編入学について気になる方は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。
3-4.留学可能な提携校があるか
学校によっては、海外の学校と提携して春休み・夏休みなどに短期語学留学ができる場合があります。そうした提携校があれば、在学中に学校のサポートを受けながらスムーズに短期留学できるだけでなく、卒業後に編入学できる可能性もあるからです。当ブログを運営する専門学校 神田外語学院では、中国に4つの提携校があり、一定の基準を満たした学生は卒業後に編入学が可能です(4-4.「中国の4大学と連携教育プログラムを展開」で詳しく紹介します)。
なお、在学中の短期留学は任意参加(希望制)の場合が多いですが、全員参加の研修としてカリキュラムに含めている学校もあります。
ちなみに、3章で紹介した4点のポイントを確認する手段としては、
- オープンキャンパス等で直接見る/聞く
- 学校のウェブサイトを見る
- パンフレット等を請求する
- 電話やメール等で聞く
などが挙げられます。
4.専門学校で中国語を学ぶなら神田外語学院
最後に、当ブログを運営する専門学校 神田外語学院の、中国語を一から学べる「アジア/ヨーロッパ言語科中国語コース」を紹介します。
3章では中国語の専門学校を選ぶときに確認すべき4つのポイントを紹介しましたが、神田外語学院はそれらを全て満たしています。
4-1.日本人教員と中国人教員が少人数クラスで教える
授業は全国通訳案内士(中国語)などの資格も持つ日本人教員と中国人教員が担当。会話やコミュニケーションの授業は原則20名以下のクラス編成を徹底しており、教員と各学生が十分にコミュニケーションできるように設計しています。
中国語は発音が最も重要です。神田外語学院の授業では、中国語の発音の基礎である声調とピンインを一からしっかり学び、確実に通じる正確な発音が身につきます。
また、英語についても会話などの授業は外国人教員が担当し、日本語禁止で英語漬けの環境をつくっています。
4-2.2年間で中国語検定2級取得を目指す
中国語検定(中検)対策講座を設けており、1年次は中検3級、2年次は3級~2級の合格を目標に、問題の傾向を学び、対策していきます。継続的に努力することで、入学時は中国語を全く話せない状態でも、卒業までに2級に合格することも可能です。
神田外語学院ニュース – 2年生2名が中国語検定試験2級に合格
※中検の勉強法や資格の活かし方、各級のレベル感は以下の記事で解説しています。
4-3.高い就職内定率
神田外語学院の卒業生の約8割は、学校に届く求人票から就職が決まるため、99.3%*と高い就職内定率を実現しています。創立から半世紀以上の歴史を持つ神田外語学院と、その卒業生が培ってきた実績に、企業が厚い信頼を寄せている証拠です。
*中国語コース単体では集計していないため、神田外語学院全体の就職率です。
このうち、中国語コースをもつアジア/ヨーロッパ言語科の卒業生は以下のように、各業界への就職実績があります。
航空/空港 | ANAエアポートサービス、ANAテレマート、JALナビア、羽田旅客サービス |
ホテル/ブライダル/外食 | ホテルオークラアムステルダム、マンダリン オリエンタル 東京 |
観光/旅行 | JTBグローバルマーケティング&トラベル、国際開発、日本旅行、びゅうトラベルサービス、ユニマットプレシャス |
運輸/物流 | アルプス物流、近鉄エクスプレス、内外日東、日鉄住金物流君津、日本通運 海運事業支店、日本郵便、ヤマトグローバルロジスティクスジャパン |
商社/製造 | カンセイ(タイ)、SMC、岩井化学薬品、リンテック |
小売/アパレル | オンワード樫山、三陽商会、日新堂、三越伊勢丹、ラルフ ローレン |
他各種企業等 | ACN、As-meエステール、旭情報サービス、花王カスタマーマーケティング、警視庁、自衛官一般曹候補生、トヨタカローラ千葉、富士ソフト、ユーシーカード、優正企画 |
※2018~2020年卒業生実績から抜粋(中国語コース単体では集計していないため、フランス語・スペイン語・韓国語・インドネシア語・ベトナム語・タイ語の各コースを合わせた7コース全体の就職実績です)
4-4.中国の4大学と連携教育プログラムを展開
中国の遼寧省・吉林省・広東省・山東省にある4つの大学と提携しており、春・夏休み期間中に個人語学研修が可能です。また、例年春休み期間には1年生を対象として、山東省青島市の青島濱海学院で約2週間学ぶ語学研修プログラム(参加任意)も用意しています。現地の学生や他の国からの留学生と中国語で異文化交流できるチャンスもあり、太極拳や切り紙、書道、舞踊などの中国文化体験や青島市内の観光なども含まれます 。
さらに、一定の基準を満たした学生は、卒業後に提携大学への編入学も可能です。
提携校 | 所在地 | 編入学条件 |
大連外国語大学 漢学院 | 遼寧省大連市 | 3年次編入学:HSK5級以上 2年次編入学:HSK4級以上 |
東北師範大学 | 吉林省長春市 | 年度により異なる |
華南理工大学 | 広東省広州市 | 3年次編入学:HSK5級以上 2年次編入学:HSK4級以上 |
青島濱海学院 | 山東省青島市 | HSK5級以上または相当レベル 学科・専攻によっては、TOEFL500点以上またはTOEIC®800点以上かつTOEIC®S&W120点以上 |
全日本スピーチコンテスト(主催:日中友好協会)
近年はスピーチコンテスト出場にも力を入れ、多くの学生が自主的に参加しています。
- 2017年度 東京都大会 準優勝
- 2018年度 東京都大会 弁論の部 最優秀賞(全国大会出場)
- 2019年度 栃木県大会 1位(東京都大会が台風で中止となったため栃木県大会に出場)
- 2020年度 東京都大会最優秀賞
\神田外語学院の“リアル”を体験!/
\2分で簡単!/
※以下の記事で神田外語学院の教育の特長を紹介しています。
5.まとめ
この記事の内容をまとめます。
■中国語を専攻として学べる専門学校は全国に10校程度
■中国語を学べる専門学校と大学の違い
■中国語の専門学校を選ぶときの4つのポイント
-
教員の質や学習サポート体制は十分か
-
検定や資格試験の実績は十分か
-
就職などの実績は十分か
-
留学可能な提携校があるか
この記事を参考にして自分に合った学校を見つけ、中国語学習を始めましょう。
※中国語学習に興味のある方には以下の記事もおすすめです。