中国語を本気で学びたいけれど、何をどうすればいいかわからない! と困っていませんか?
中国語力がほぼゼロの状態から本気で学ぶなら「中国語学校に通う」か「留学する」のがおすすめですが、実は独学でもできないことはありません。この記事では、中国語をゼロから本気で学ぶために考えられる4つの方法とそのメリット、デメリットを紹介します。
また、2,000人以上に中国語を教えてきた語学講師と、約10年にわたって中国語を学んできた筆者が、独学する場合の効果的な勉強方法を解説します。
最後まで読めば、中国語を本気で学ぶための最適な方法が見つかると思います。
目次
1.中国語を本気で学ぶ4つの方法とメリット・デメリット
中国語をゼロから本気で学びたい場合、以下の4つの方法が考えられます。
- 中国語学校(専門学校)に通う
- 語学留学する
- オンラインレッスンを使う
- 独学する
ゼロから本気で学ぶなら「中国語学校(専門学校)に通う」か「語学留学する」ことをおすすめしますが、時間やコスト面で難しいという人もいるでしょう。
それぞれのメリットやデメリットなどを表にまとめました。
詳しく解説していきます。
1-1.中国語学校に通う
「中国語学校」と一口に言っても、全日制課程で1~2年間通う中国語学校から、週数時間から通える教室まで様々な種類があります。「ゼロから本気で学ぶ」なら必然的に全日制の専門学校を選ぶことになるでしょう。
メリット
・対面授業を受けられる
・仲間と一緒に勉強できる
・中国語検定やHSKなどの試験対策も充実している
また、専門学校(認可校)の場合は、卒業すると専門士の称号が付与され大学編入学*ができるようになるというメリットもあります。これにより大学に編入学し、さらに中国語を深く学ぶ選択肢も出てきます。
*大学編入学:専門学校等の卒業生(見込み含む)が、大学に途中年次から入学すること。
※大学編入学についての詳細はこちらの記事をご覧ください。 【諦めない!】専門学校から大学編入し4年間で大卒の夢を叶える方法 大学編入って難しい?編入サポートのプロが難易度をわかりやすく解説 |
デメリット
- 全日制課程に入学する場合、現在の仕事などを辞めなければならない
- 費用が比較的高い
費用
年間100~150万円(全日制の場合)
こんな人におすすめ
- 1~2年間集中してしっかり学びたい人
- 仲間と一緒に勉強したい人
- 自分で学習計画を立てるのが苦手な人
1-2.語学留学する
中国語圏の大学附属の語学センターなどに入学し、現地で学ぶ方法です。期間は数週間の短期から1年単位の長期まで、ある程度自由に選べます。高校・大学生でも夏休みなどを利用して1~2週間だけ留学することが可能ですが、本気で学ぶのであれば半年~1年程度の長期留学が必要になります。
メリット
- アウトプットの機会が多い(授業だけでなく日常生活も中国語漬けの環境になる)
- 現地の友人や知人ができるため、留学後も交流できる
- 言語だけでなく文化・習慣なども学べる
デメリット
- 中~長期の場合、今の仕事などを休職または退職しなければならない
- 経済的負担が大きい
費用
年間150~200万円(1年間留学する場合。学費の他、生活費など含む)
こんな人におすすめ
- インプットとアウトプットを毎日繰り返しながら成長したい人
- 日本語が使えないことに抵抗を感じない人
- 経済的・時間的に十分余裕がある人
1-3.オンラインレッスンで学ぶ
イーオン(AEON)やECCなど、オンライン英会話は知っているという人は多いと思いますが、中国語のオンラインレッスンもあります。好きな時間帯や講師を選んで、低コストで始められる勉強方法です。
メリット
- 1対1レッスンが基本のため、手厚く教えてもらえる。質問もしやすい
- 講師を選んで受講できる
- 都合のよい時間に受講でき、費用が比較的安い
デメリット
- 会話中心のため、読み書きは自分で勉強しなければならないことが多い
- 容易にキャンセルできるため、サボり癖があると続かない
- 講師の質にムラがある
費用
レッスンは1回30分~1時間程度で数百円~と、非常に低コストで受けられます。但し、大手スクールや人気講師のレッスンでは1回数千円かかる場合もあります。
こんな人におすすめ
- 読み書きよりも会話力重視の人
- 勉強時間などの自己管理ができる人
- 都合のいい時間に低コストで勉強したい人
1-4.独学する
こうした場合には、独学も選択肢として考えられます。
メリット
- 費用がほとんどかからない
- 空き時間を活かして勉強できる
- 完全に自分のペースで勉強できる
デメリット
- アウトプット(会話)の機会を得るのが難しい
- 発音などを間違えて覚えていても気付かないことが多い
- 根気がなければモチベーションの維持が困難
費用
数千円程度(参考書代など)
こんな人におすすめ
- モチベーション維持に自信がある人
- 費用を最小限に抑えたい人
- 数か月単位のまとまった時間が取れない人
冒頭で述べた通り、時間的・経済的余裕がある場合は「中国語学校に通う」か「留学する」のがおすすめです。しかしそれが難しいという方のために、2章では中国語をゼロから本気で独学する方法を紹介します。
2.中国語をゼロから本気で独学する方法
2章ではこれまで2,000人以上に中国語を教えてきた金子真生先生のお話に基づき、学習計画の立て方から具体的な勉強方法、アウトプットの方法までを紹介します。
2-1.独学のための準備
まずは独学のために用意するものを3つ挙げます。この3つだけで独学を始められます。
用意するもの
- テキスト
市販物のものでOKです。おすすめの参考書は2-3で紹介します。 - スマートフォン
リスニング用音声を再生するほか、自分の発音を録音したり、タイマーで時間を管理したりするために使います。 - ヘッドホン(イヤホン)
音声を聴くために使います。
2-2.学習スケジュールの組み方
道具の準備ができたら、学習スケジュールを組みましょう。スケジュールは勉強のペースをつくるものです。スケジュールを組まないと何をすべきかわからなくなり、モチベーションの維持も難しくなってしまいます。
1日の学習スケジュールの例を紹介します。
朝の通勤・通学前の時間(25分程度) – 発音練習
朝は手軽にできる発音練習の時間に充てるとよいでしょう。
学習を始めて1か月程度は、テキストに付いている音節表や、声調の組み合わせなどの発音練習を毎日繰り返してください。慣れてきたら短文などを使って練習しましょう。
電車の中(25分程度×往復) – 単語練習/リスニング
通学・通勤中は単語の暗記やリスニングの時間にします。
ディクテーション(听写)とは
中国語の音声を聞いて、その内容の通りに全て書き起こす勉強法です。耳と手でピンインを覚えるので、非常に効率的かつ高い学習効果が見込めます。
具体的な方法は以下の記事で紹介しています。
中国語検定3級のレベルとは?合格を勝ち取る勉強法をプロが解説
帰宅後(1〜2時間) – テキスト学習
放課後・終業後は学校や自宅で1〜2時間程度の時間を設け、テキストを使って集中的に勉強します。テキスト学習の効果的な方法は2-4で紹介しています。
就寝前(25分程度) – テキストの復習
就寝前はテキストの復習の時間を取ります。先ほどやった内容に加え、前日にやった内容も合わせて復習するとよいでしょう。
2-3.おすすめ参考書5選
金子先生おすすめの参考書をカテゴリ別に紹介します。
メインテキスト
但し、本気で学ぶのであればピンインにカタカナの読み方が振られているものは避けた方がよいでしょう。カタカナがあるものは一見読みやすいですが、中国語の正しい発音が身につきません。
という方のために、金子先生がメイン教材としておすすめするテキストを2冊紹介します。
「Why? にこたえるはじめての中国語の文法書<新訂版>」
著:相原茂、石田知子、戸沼市子
同学社 2,500円(税別)
「中国語解体新書 語彙、文法、読解、リスニング強化が1冊でできる!」
著:丸尾誠、李軼倫
駿河台出版社 2,300円(税別)
続いて、メインテキストの他に補助教材として用意するとよいテキストを紹介します。
発音教本
中国語の音節は「母音+子音+声調」で成り立っています。母音・子音・声調の組み合わせなど発音を細かく勉強するなら、このテキストがおすすめです。
「日本人のための 中国語発音完全教本」
著:盧尤
アスク出版 2,200円(税別)
発音練習は、テキスト付属の音源などを必ず用意して音声を聞きながらやりましょう。独学の場合は発音の誤りを指摘してくれる人がいないので、自分の発音を録音して音源と聴き比べて確認してください。
簡体字練習本
主に中国大陸では、日本と異なる漢字(簡体字)を使用します。簡体字の正しい書き方を練習するなら、このテキストがおすすめです。
「日本の漢字・繁体字と比べて覚える 書き込み式 中国語簡体字練習帳」
著:ALA中国語教室、アスク出版編集部
アスク出版 1,000円(税別)
基本の簡体字302字を書いて練習できるテキストです。
フレーズ集
メインテキストで網羅できない口語フレーズなどを集めた参考書です。教科書的な表現ではない、自然な言い回しを覚えるのに役立ちます。
「気持ちが伝わる! 中国語リアルフレーズBOOK」
著:中西千香、中国語校閲:張一娟
研究社 1,800円(税別)
頻出の口語表現などが543フレーズ取り上げられた一冊です。
2-4.効果的に独学する2つの方法
中国語を独学するときのハードルの一つは、モチベーションの維持とアウトプットの機会が少ないことです。ここでは、以下の2つの方法を紹介します。
- 集中して効率的に勉強しモチベーションを維持するため方法
- アウトプット機会の少なさをカバーする方法
ポモドーロ・テクニック
集中して効率的に勉強しモチベーションを維持するためには、「ポモドーロ・テクニック」を使います。
ポモドーロ・テクニックとは、「25分集中→5分休憩」のサイクルを繰り返す時間管理術です。短時間の集中と休憩を繰り返すことで、集中力が持続するとされています。
例えばテキスト勉強の時間を2時間設けた場合、
25分集中→5分休憩→25分集中→5分休憩→25分集中→5分休憩→25分集中
という4サイクルで取り組みましょう。
※ポモドーロ・テクニックについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。 ポモドーロ・テクニック:世界が実践する時間管理術はこうして生まれた[ニューズウィーク日本版] |
発音を録音する
独学ではアウトプットの機会を得にくいため、自分の発音の誤りなどになかなか気づくことができません。それをカバーする方法は、「自分の発音を録音して聞くこと」です。
話しているときは正確に発音できていると思っていても、自分の発音を録音して聞いてみると、「有気音と無気音の区別が曖昧」、「鼻母音(-nと-ng)が同じように聞こえる」といった、細かな気になる点が見えてきます。
音源付きの例文などを読んで録音し、正しい発音(音源)と聞き比べて発音の矯正に役立てましょう。
3.学校で学ぶなら神田外語学院
この記事では独学の方法を中心に紹介してきましたが、2年間集中してしっかり学びたい人には、当ブログを運営する神田外語学院のアジア/ヨーロッパ言語科中国語コースをおすすめします。
神田外語学院では全員が中国語をゼロから学ぶことを前提に、1年次でしっかり基礎を固め、2年次に応用力を養っていきます。
3-1.声調・ピンインを一から学び、正しい発音が身につく
中国語は発音が最も重要です。神田外語学院の授業では、中国語の発音の基礎である声調とピンインを一からしっかり学び、確実に通じる正確な発音が身につきます。
この記事で独学方法を解説してくださっている金子先生も、神田外語学院で教壇に立っています。
MOVE多言語センター
(写真は韓国語ブースのものです)
学内には、先生や他の学生と交流できる「MOVE多言語センター」を設置しています。授業以外の時間でも会話の練習や、検定対策・学習計画の相談などが気軽にできます。
3-2.2年間で中国語検定2級の取得を目指す
必修の中国語検定対策講座では、1年次は中国語検定3級、2年次は3級~2級の合格を目標に、問題の傾向を学び、対策していきます。
入学時は中国語を全く話せない状態でも、卒業までに2級に合格する学生が定期的に出ています。
・神田外語学院ニュース – 2年生2名が中国語検定試験2級に合格
※中国語検定の勉強法や資格の活かし方は以下の記事を参考にしてください。 中国語検定3級のレベルとは?合格を勝ち取る勉強法をプロが解説 中国語検定を就職に活かすなら何級?有利になる業界と目標級を解説 |
3-3.文化や伝統、最新事情に触れて中国語圏への理解を深められる
横浜中華街へのフィールドトリップ
授業の一環で横浜市の横浜中華街を訪れます。横浜中華街発展会協同組合から、横浜関帝廟や横浜媽祖廟などの代表的施設について説明を受け、中国の思想や宗教、歴史への理解を深めます。さらに、店員の方々と中国語で話すことで、授業で身につけた会話力を試すとともに、今後の課題を発見します。
中国・青島濱海学院 春季短期研修
一年次の春休みには、中国・山東省青島市の青島濱海学院での2週間の短期研修を毎年実施しています。大学のキャンパス内で学ぶため、大学内の施設を利用でき、現地の学生や他の国からの留学生と中国語で異文化交流できるチャンスもあります。また、太極拳や切り紙、書道、舞踊などの中国文化体験や青島市内の観光なども含まれます。
青島濱海学院は神田外語学院と教育交流の提携を結んでいるため、一定の条件を満たした学生は、神田外語学院卒業後に青島濱海学院の3年次に編入することもできます。
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神田外語学院にご興味をお持ちの方は、教育の特長について紹介している以下の記事もぜひご覧ください。
4.まとめ
この記事の内容をまとめます。
■中国語を本気で学ぶ4つの方法
1.オンラインレッスンで学ぶ
2.中国語学校に通う
3.留学する
4.独学する
■独学の際に有効な方法はこの2つ
・ポモドーロ・テクニック
・発音を録音する
自分に合った方法は見つかりましたか? 最適な方法で中国語学習が始められるよう応援しています!