「空港で活躍するグランドスタッフに憧れているけれど、どうすればなれるかわからない!」
そんな疑問だらけで困っていませんか?実は、グランドスタッフになるためには難しい資格などは要りません。必要となるのは、
- 一定の学歴
- 一定の英語力
- 不規則な業務に耐えられる力
この3つだけです。この記事では、これら3つの要素をそれぞれ解説していきます。また、当ブログを運営する神田外語学院の国際エアライン科教員として、多くの学生を航空業界に輩出している太田京子先生のお話に基づいて、
なども紹介します。最後まで読んで、グランドスタッフになる夢を叶えましょう!
※本稿におけるグランドスタッフは、空港で接客業務にあたる人を指します。
※本文中ではグランドスタッフを一部「GS」と表記します。
目次
1.グランドスタッフになるまでのルート
まずは、高校卒業後からグランドスタッフになるまでの一般的な流れを説明します。
1-1.グランドスタッフに必要な学歴は「短大・専門卒以上」
グランドスタッフは基本的に高卒では応募できません。専門学校、高等専門学校、短期大学、大学以上の学歴が必要になります。また、学部や学科、専攻の指定はありません。文系・理系問わず、どの学部でも応募が可能です。高校生の方はまずは進学することを考えてください。
1-2.グランドスタッフになるには「ハンドリング会社」に入社する
グランドスタッフは、「日本航空(JAL)」や「全日本空輸(ANA)」といった航空会社に所属しているわけではありません*。その子会社の「JALスカイ」や「ANAエアポートサービス」といった、グランドスタッフの業務を専門的に請け負うハンドリング会社と呼ばれる企業に所属しています。
*一部、航空会社がグランドスタッフを直接雇用しているケースもあります。
グランドスタッフになる場合は基本的に、航空会社ではなくハンドリング会社に入社することになります。
2.グランドスタッフになるための進路選択
2-1.グランドスタッフを目指す場合、大学でも専門学校・短大でも大差はない
「グランドスタッフになるためには大学と専門学校・短大のどちらに行くべき?」と迷っていませんか? なんとなく大学の方が有利なのかな、と考える人が多いかもしれません。しかし、倍率を考えればどちらも変わりません。
採用試験は「大学生を〇人、専門学校生・短大生を〇人採る」という方式ではなく、「全ての応募者から〇人採用する」という考え方のため、大卒でも専門・短大卒でも倍率は同じです。
ただし、採用者数を比べると、大卒者の方が専門学校・短大卒者より多いのは間違いありません。それはそもそも専門学校・短大生より大学生の数が多いからです。採用率(応募者に占める採用者の割合)を考えれば専門学校・短大も大学と同程度だと言えます。
つまり、グランドスタッフの場合は、進学先によって採用される確率が変わるということはありません。
2-2.大学に行く理由がないなら特に専門学校がおすすめ
という場合は大学に進学するほうがよいかもしれません。しかし、
というように、大学に行く理由が曖昧な場合は、専門学校や短大を考えてもよいでしょう。特におすすめするのは専門学校です。専門学校には、大学にはない以下のようなメリットがあるからです。
2年間ですぐに就職できる
大学は4年制ですが、専門学校は基本的に2年制です。つまり、大卒の場合よりも2年早く就職できます。基本的に高卒ではグランドスタッフにはなれないため、最速でグランドスタッフとして働けるのが最大のメリットです。
学費を抑えられる
修業期間が2年ということは、大学と比べて単純計算で学費を半分に抑えられます。
収入面で有利
2年早く就職できるということは、2年分多く給与を貰えることになります。グランドスタッフの場合、大卒者と専門卒者の給与差は小さい(月数千円程度)ため、早く働き始めた方が収入面で有利です。ここまでは短大の場合も同様です。
航空業界出身の先生が多い
専門学校の大きなメリットは、業界のプロの先生が講師を務めているということです。現場での経験を活かした指導を毎日受けられるだけでなく、就職活動のサポート体制も万全です。
同じ目標を持った仲間と支え合える
航空系の専門学校に入学するのは当然「航空業界に就職したい」という夢を持った学生ばかりです。同じ目標の仲間とともに支え合いながら2年間を過ごすことができます。また、航空業界に就職した先輩や卒業生から多くの情報を得ることもできるでしょう。
Check 大学のメリットは?
ちなみに、大学の場合は以下のようなメリットがあります。
・教養科目で幅広い知識を得られる
大学では、自分の専攻する科目の他に「一般教養」という科目があります。専攻の枠にとらわれない幅広い知識は、就職活動でも役立ちます。
・就職活動まで約2年半の時間的余裕がある
入学してから就職活動を本格的に始めるまでは、約2年半の時間があります。インターンシップやボランティア、長期旅行、資格取得など、自分の視野を広げる課外活動に時間を存分に使えます。その経験値は就職活動や就職後に活かせるでしょう。
大学に行く明確な理由がないのなら、グランドスタッフを目指す場合は専門学校に行くことをおすすめします。
3.グランドスタッフの就職活動について
続いて、グランドスタッフの採用試験について解説します。
3-1.採用試験の流れ
採用試験は一般的に以下のように進みます。
図では一例としてANAエアポートサービスの2020年度採用試験の流れを紹介していますが、企業によって選考の回数などは異なります。いずれにしても、グループ面接が中心で、一般的な企業の採用試験と大きな違いはありません。
3-2.英語試験を実施する場合もある
一部の企業では英語面接や英語試験を実施する場合がありますが、極端に難しいものではないようです。内容は年によって変わる場合もあるので、志望企業の情報は常に確認しておきましょう。
4.グランドスタッフになるために必要な能力
この章では、グランドスタッフを目指すうえで必要になる能力やスキルを解説します。
4-1.英検2級またはTOEIC®550点程度の英語力が必要
グランドスタッフは、日本人だけでなく多国籍のお客様を相手にする仕事なので、英語力は欠かせません。
応募時点で英検2級かTOEIC®550点程度を求められる
採用試験では一定の英語力が応募条件として設定されていることが多く、その目安は「英検2級またはTOEIC®550点程度」です。
TOEIC ®運営団体によるスコアデータ「TOEIC® Program DATA & ANALYSIS 2019」によれば、2018年度の大学生の平均スコアは567点です。つまり、応募時点で求められる英語力は高いものではありません。
また、応募条件が明記されていない企業でも、同程度の英語力が求められていると考えられます。
Check
留学経験はなくてもいい
留学経験はなくても全く問題ありません。当ブログを運営する神田外語学院からグランドスタッフになった学生も、留学経験があるのはごく少数です。
実際の業務ではTOEIC®550点以上の英語力が必要
グランドスタッフの仕事はチェックインやゲート業務だけでなく、出発ロビーに立ってお客様の対応をすることもあります。遅延・欠航などのトラブル対応のほか、担当便以外のことや、空港の施設に関する質問を受けることも少なくありません。現場では、TOEIC®スコアだけでは測れないような幅の広い英語力を求められます。
※グランドスタッフに必要な英語力については、以下の記事で詳しく解説しています。
4-2.不規則な業務に耐えられる力も必要
グランドスタッフの仕事は早朝や深夜を含むシフト制です。不規則になりがちな生活と業務に耐えられる力も必要です。
体力と気力
部署にもよりますが、歩くことが非常に多い仕事です。現役グランドスタッフによると、1日で平均2万歩ほど歩いているそうです。必ず運動部出身でなければならないということはありませんが、毎日の業務に耐えられる体力と気力は絶対に必要です。
コミュニケーション力と精神力
また、航空業界は時間厳守の世界なので、常に時間を意識しなければなりません。しかも、安全がすべての仕事ですから、ミスが許されません。時間と正確性に追われるなかで、お客様にも仲間にも笑顔で対応できるやさしさ(コミュニケーション力)と精神力は必須です。
このほか、流動的な状況で臨機応変に動ける対応力なども求められます。
お客さまが何を求めていらっしゃるのか、仲間と協力するには何が必要かを感じ取れる感性やコミュニケーション能力は重要です。そのため交友関係を広げさまざまな方と交流を深めたり、趣味を通じて見識を広めておくことは役立つと思います。
よくある質問 | 採用情報 | 株式会社JALスカイ
就職後に役立つ資格やスキル
英語の他に必要となる資格は特にありません。しかし、多言語の資格があると就職後にとても役立ちます。余裕があれば就活前にチャレンジしてみましょう。
■中国語やスペイン語など
中国語圏の旅行客が多いのはご存知の通りですが、アメリカ南部などでも話されるスペイン語も需要が大きくなっています。「一列に並んでください」など、簡単な表現を知っているだけでも業務にとても役立ちます。
このほか、手話やビジネスマナーの資格なども有用です。エントリーシートには資格の記入欄があるため、珍しい資格を持っていれば、面接時にその内容に関する質問をしてもらえることがあります。
語学や手話など、コミュニケーション力向上を目指して勉強されている方が多いようです。
FAQ | 採用情報 | ANA成田エアポートサービス株式会社
中国語や韓国語など他の言語や、手話もとても役立ちます。
よくある質問 | 採用情報 | 株式会社JALスカイ
※グランドスタッフの仕事内容は以下の記事で詳しく解説しています。
5.グランドスタッフ就職Q&A
Q 男女比率はどれくらいですか?
A 女性95%、男性5%の比率となっています。(2018年7月現在)
6.神田外語学院で英語力と人間力を磨いてグランドスタッフを目指す
当ブログを運営する神田外語学院は、グランドスタッフやキャビンアテンダントを目指す人向けの「国際エアライン科」を設置しています。
TOEIC®対策をはじめとした英語力はもちろん、航空業界に関する専門知識や、航空業界のみならず社会で幅広く活躍できるようになるための考え方や要素(人間力)を2年間で磨き、グランドスタッフを目指せます。
国際エアライン科では、毎年約30名のグランドスタッフ就職者を輩出しています。2020年3月卒業生の就職先企業(抜粋)は以下の通りでした。
※国際エアライン科の募集対象は女性のみです。
6-1.国際エアライン科の専門科目で人間力を磨く
教員の多くはJALやANAなどの航空業界出身で、学生一人ひとりを手厚くサポートします。授業も、就職活動の土台となる人間力を向上させるためのカリキュラムです。その一部を紹介します。
「イメージコンサルティング」
1年次は、表情や所作、身だしなみなどの外面について、周囲に好印象を与えるように磨いていきます。2年次では模擬面接トレーニングを行うほか、マナー・プロトコールの資格取得を通じて、国際人としてより深みのある人間に成長していくことを目指します。
「英語面接・接遇英語」
外資系企業の採用試験にも対応するため、英語面接対策などを行います。このほか、英語での日本文化の紹介や、接客英語なども学びます。
「美しい日本語講座」
採用試験では「お客様に信頼される美しい日本語」が求められています。美しい日本語を身につけ日本語検定の取得を目指すほか、合格するエントリーシートの作成トレーニングも行います。
◆就職活動における手厚いサポート
学生・教員・キャリア教育センターを一つのチームと考え、全員で内定獲得という夢の実現に取り組んでいます。航空業界に内定した先輩が後輩に向けて企画・開催する内定者報告会や、航空業界の現役社員による特別セミナーなど、イベントや研修も豊富です。
6-2.共通英語科目で業務に必要な英語力を強化
1年次から毎週1コマ90分×9コマ(=13.5時間)の英語共通科目で総合的な英語力の強化を図ります。
外国人教員から「英語で英語を学ぶ」
必修共通科目の国際コミュニケーション英語(EIC)では週5回、外国人教員から英語で英語を教わることで、「読む」「聞く」「書く」「話す」の英語4技能を強化します。
授業は20名以下の少人数の習熟度別クラスで、日本語禁止という環境で行われています。授業以外の時間でも留学生と英語で会話ができるECL(English Conversation Lounge)などを活用することで、生きた英語を自分のものにすることができます。
EICについては以下のページで詳しく紹介しています。 リンク:共通科目 EIC(English for International Communication) |
グランドスタッフ応募条件「550点」をクリアするTOEIC®対策講座
TOEIC®対策の授業が週2コマあり、習熟度に合わせたクラス編成で着実なスコアアップを目指せます。神田外語学院2年生のTOEIC®平均点は611点(2023年3月卒業生実績)。グランドスタッフの応募条件の「550点」よりも60点以上高い点数です。
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※神田外語学院の教育の特長については、以下の記事でさらに詳しく紹介しています。
7.まとめ
この記事の内容をまとめます。
■グランドスタッフに必要な学歴は「短大・専門卒以上」
中でも、最速で就職できるのは2年制の専門学校や短大です。
■進学先は大学でも専門学校でも大差はない
大学に行く明確な理由がなければ、早く就職できる専門学校がおすめです。
■英語力も必要。目安は英検2級またはTOEIC®550点
大学生の平均スコアよりも低い基準なので、難しいものではありません。
■パソコンスキルや体力、コミュニケーション力なども必要
定時性と正確性が求められる業務に日々耐えうる力が必要です。
以上を参考に、グランドスタッフに必要な条件を満たせるよう行動を始めてください。
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