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外国語を学ぶ大きな意義は「他者への想像力」を養うことにあると私は信じています。言葉を学び、自分の意見を述べる。それはコミュニケーションであり、言葉を伝える相手と自分の文化に触れる機会となります。その出会いが学びの意欲となり、自律学習へとつながっていく。
神田外語大学には「他者への想像力」を養う素晴らしい環境があります。その学びは、「言葉は世界をつなぐ平和の礎」という建学の理念に通じると思います。卒業生たち、とりわけ教員として教える皆さんには、ぜひ生徒たちの他者への想像力を養ってほしいと思います。
私が8歳の時に山口県宇部市から福岡市に移住したのは、重度の脳性まひを患っていた姉が、障がいのある子たちが学ぶ施設に通うためでした。この学園では、周りが愛情を持って適切な支援をしていれば伸びるという信念のもと、障がいのある子たちの教育に取り組んでいました。その教育を間近に見ていた体験が、一人ひとりの個性を大切にする教育を目指す原点だったのかもしれません。
英語を学び始めて以来、導かれるように人との出会いがあり、神田外語大学とのご縁が生まれました。そして、大学ではさまざまな英語教育の進化に携わり、最終的には英語教授法の大学院のプログラムまで立ち上げられた。本当に充実した職業人生を送ることができました。教員の職を離れた後は、たくさんの言語を学んでいきたいですね。
※関屋氏の授業への考えは『英語教師のための自律学習者育成ガイドブック』(神田外語大学出版局)に詳しい。
関屋康(せきややすし)
昭和29(1954)年、山口県宇部市生まれ、福岡県福岡市および筑紫郡で育つ。昭和57(1982)年に上智大学大学院外国語研究科言語学専攻博士課程前期課程修了(修士)。昭和58(1983)年コロンビア大学ティーチャーズカレッジTESOL修士課程修了。平成3(1991)年に同博士課程修了。教育学博士号を取得。昭和62(1987)年4月、神田外語大学開学時に外国語学部英米語学科専任講師に着任。平成3(1991)年に同助教授、平成10(1998)年に同教授に就任。同年から平成15(2003)年3月、平成17(2005)年4月から平成25(2013)年3月まで英語学科主任(現在の学科長)を務めた。同年9月に開講した大学院言語科学研究科修士課程TESOLの実現に貢献し、プログラム・ディレクターに就任。令和6(2024)年3月に役職を退任し、同年4月、特任教授に就任した。