神田外語グループのいしずえを築いてきた人々

第27回 関屋康神田外語大学外国語学部英米語学科特任教授 進化し、深化し続ける神田外語大学の英語教育

教員が英語の授業を見直す
きっかけを提供した夏期公開講座

神田外語大学では開学当初から教職課程を設けていました。担当は佐々木輝雄先生です。佐々木先生は、中学・高校の教員を経て、千葉県教育庁、文部省(現在の文部科学省)での職務を経験され、幅広い知見をお持ちでした。アメリカ生まれで、日本の英語教育を訳読式からコミュニケーション主体に変えたいという志のもと、文部省で小川先生と共に学習指導要領の改革に当たってきた方です。神田外語大学の開学から携わり、開学3年目からは教職課程の英語科目の担当をされました。

以来、神田外語大学では毎年、英語教員を輩出し、千葉県内で多くの卒業生が活躍するようになりました。今では、現職の英語教員や指導主事、管理職として他の英語教員のPD(プロフェッショナル・ディベロップメント)に携わる卒業生たちが、教職課程の授業にゲストスピーカーとして登壇してくれています。彼ら・彼女らは、現場で培った実践的な知識を教職課程の学生たちと共有し、大きな刺激を与えてくれています。このような取り組みが可能になっているのは、神田外語大学がこれまで築き上げてきた長い歴史のたまものだと考えています。

神田外語大学の開学と同じ昭和62(1987)年4月、コロンビア大学ティーチャーズカレッジ日本校のMA TESOLプログラムが、東京のJR水道橋駅近くのビルで開校しました。私がニューヨークで学んでいた英語教授法の修士課程が日本国内で学べるようになったのです。

私自身は、専任講師を務めながら、平成3(1991)年にニューヨークのコロンビア大学ティーチャーズカレッジの博士号を取得し、同年に神田外語大学の助教授となりました。その年から、コロンビア大学ティーチャーズカレッジ日本校で非常勤講師としても教えるようになりました。

平成4(1992)年、神田外語グループでは、「夏期公開講座」をスタートしました。中学校や高校で教える現職の英語科教員向けに、神田外語学院と神田外語大学の教員が英語教授法の専門的ノウハウを紹介する講座です。

現職の先生方は学習指導要領の改訂などにより、英語の新しい教え方を授業に導入しなければなりませんが、その変化に対応できないのが実情でした。だからこそ、指導法を学びたいという意欲のある先生方も多かった。そんな先生方に授業を見直すきっかけにしてほしいという想いから始まったのが夏期公開講座です。もちろん、神田外語大学が英語教員教育に力を入れていることを知ってほしいという狙いもありました。その後、千葉県の教育委員会からの要請で、県内の英語科教員向けの講座も実施しました。

こういった現場のニーズをリアルに感じる機会があったことも、後に、現職英語科教員のリカレント教育へ体系的に貢献できる場として、神田外語大学がTESOLの大学院を設立することへとつながっていきます。

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写真撮影:塩澤秀樹
取材・文:山口剛

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