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大学院MA TESOLプログラムの学生たちは、ほとんどが現職の英語教員です。開講は週末ですから、普段は学校で教えている先生方も学ぶことができます。そのため、キャンパスは利便性の良い神田外語学院(東京都千代田区)の7号館に設けました。大学院生のなかには、仙台など遠方から通う先生もいました。コロナ禍以降は対面授業とオンライン授業を学期ごとに実施しているので、沖縄から履修する大学院生もいます。
カリキュラムはコロンビア大学のプログラムを受け継ぎましたが、より文部科学省の教育指導要領に沿った内容にして、小学校も含めた学校で実際に教える英語教員のニーズに合った内容に改訂しました。
大学院生たちはTESOLの教授法を学びつつ、実習や授業観察を行い、最終的にはリサーチ・プロジェクトに取り組みます。このプロジェクトでは、自分が行っている授業についての問題意識を取り上げて文献で研究をし、最終的にはその研究に基づいて何が実践できるかという提案まで導きます。ですから、教育現場のニーズに根差した学びがこのプログラムでは行われていると思います。
今、文部科学省は「できるだけ英語を使って授業しなさい」としています。でも、先生方に英語で学ぶ経験がなければ、英語を使った授業はできません。ですから、このプログラムの授業は全て英語で行います。日本人だけでなく、ALT教員の外国人の方も多く履修しているので、より自然に英語で授業ができています。現職教員のティーチャーディベロップメントをサポートするという意味で成果を上げていると思いますね。
私の恩師であるコロンビア大学名誉教授のジョン・ファンズロー先生の言葉に、“Small changes in teaching lead to big changes in learning.(教え方を少し変えるだけで、学び方に大きな変化が起こる)”というものがあります。この言葉にある通り、このプログラムでの学びが先生方の実践に結び付き、生徒たちの自律的な学びへとつながっていく一助になればうれしいですね。
大学院MA TESOLプログラムでの教育は、外国語学部の教職課程の充実にもつながりました。学部でも「外国語評価法」を新設し、「第二言語習得研究」と「外国語評価法」が必修科目となりました。また、高い英語力を持つ教員を育てるため、「英語科教育法」履修時の英語力基準に加え、教育実習に参加するための英語力基準という2段階の基準を設け、英語力の質を保証する仕組みを整えてきました。これらの課程は他大学と比較しても非常に充実したカリキュラムを提供できていると自負しています。