パスポートのいらない
英国留学を。

留学できない学生たちにも、外国の環境で語学を学ばせてあげたい。そう思ったのです。そこで僕は、「バスでも行ける国内に、朝から晩まで英語に浸れるような合宿所を建てたい」「外国の環境を創って、そこで寝泊まりしながら外国の文化と歴史を学べるような施設を創りたい」と考えたのです。これが平成6（1994）年にオープンした「ブリティッシュヒルズ」の始まりです。

すぐに場所探しに取りかかりました。群馬や長野を中心に10カ所ぐらいは見たかな。条件の良い場所もありましたが狭いんです。3万坪ぐらいしかない。外国って、広いじゃないですか。広さの感覚、スケール感も大事なんです。そして、白河の土地に出会った。17万坪あったから、これなら良いだろうと思いましたね。

僕は、日本人に外国の文化をもっと理解できるようになってほしいと思っているんですよ。それも見た目で判断するんじゃなくて、精神性にまで踏み込んで理解できるようになってほしい。そのために、ブリティッシュヒルズを創った。文化の大切さを啓蒙していきたいけれど、ただ知識を教え込むんじゃなくて、体験することで自然に感じて、学べる場所を提供したかったんです。

神田外語グループ
佐野 隆治 会長（ 1934－2017年）
出典 ： 神田外語グループHP
「いしずゑを築く～神田外語とともに歩んできた人々の証言～」