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韓国暮らしと韓国文化

2022.12.07

(プロフィール)
黒田 勝弘先生
神田外語大学客員教授(韓国語専攻)、産経新聞ソウル駐在客員論説委員
共同通信ソウル支局長、産経新聞ソウル支局長兼論説委員を経て現職。

韓国文化/人との繋がり

日本では「親しき仲にも礼儀あり」という言葉を大切にしており、親しい友人や家族であっても相手を配慮することは重要です。
一方、韓国では「親しき仲には礼儀なし」が一般的です。言い換えると、人との距離感が近く、人と人との繋がりを重視する、ということです。
韓国では「オッパ(오빠)」、「オンニ(언니)」を呼称としてよく使用します。
オッパとは韓国語で「お兄さん」、オンニとは韓国語で「お姉さん」という意味で、女性が年上の男性もしくは女性を呼ぶときに使います。
日本では、親族以外には「お兄さん」「お姉さん」という使い方は一般的ではありませんが、韓国では人との距離感が近いこともあり、親しくなるということは親戚のような感覚になるのでこのような呼称がよく用いられているようです。

韓国暮らし

韓国に40年間在住した黒田先生からは「冬は韓国の方が過ごしやすい」というお話も。ソウルの12月から2月は、平均気温が氷点下。 最高気温も零下にとどまることが多く、特に寒い日にはマイナス10度まで下がることもあります。「韓国で冬を過ごすのは大変なのではと思われることが多い。しかし、韓国では家の構造においても冬の寒さを想定しているので床暖房が設置されている場所も多く、室内では快適に過ごすことができます」という在住者ならではのお話に学生たちは真剣に耳を傾けていました。

なぜこれほど長い時間を韓国で過ごされているのか。それは黒田先生の考え出した言葉、「異同感」に答えがありました。
人の外見からはじまり生活、モノの考え方、性格、「似ているようで似ていない」「異なるようで似ている」という異同感の相手だからこそ韓国は日本人にとって飽きない、とても刺激的な国なのです。
今回の特別講演を聴講し、学生たちはますます韓国についての興味、理解が深まったようです。