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【授業紹介】国際ホテル科「ユニバーサルホスピタリティ」

2022.08.30

国際ホテル科専門科目「ユニバーサルホスピタリティ」では、高齢者や障がいをもつ方など多様なお客様とのコミュニケーションや安全で安心なおもてなしを提供するための知識やスキルを学びます。一学期終了後に授業の総仕上げとして、講師を派遣してくださっている日本ケアフィット共育機構の研修施設にて「サービス介助基礎研修」を受講しました。

総人口の三分の一が65歳以上である日本。まずは加齢による体の変化を学び、高齢の方への接し方を学びます。また、学生たちは白内障ゴーグルを装着し、視界が見えにくくなる感覚を体験しました。高齢者が普段見ている世界に、学生たちから驚きの声があがります。「高齢の方への接客に時間がかかるのは当然のこと。目線の高さを合わせて、ゆっくりと丁寧に応対しましょう」というアドバイスに彼らも納得した様子でした。

次に学生たちは聴覚や視覚に障がいのある方への接し方を学びました。日常会話で使える簡単な手話や筆談を実践し、聴覚障がい者とのコミュニケーション法を身につけます。講義中盤では二人一組になり、視覚障がい者への歩行介助を体験。「段差の高さはどのくらいで、どのくらい進むと目的地へたどり着くのか」など、具体的な情報を提供しながら進みます。学生たちは普段目で把握している情報を言葉のみで伝える難しさを体感したようでした。

▲とっさの場面で手話や筆談を活用できるホテリエに。お客様にあった接客のポイントをおさえておくことで、より快適なサービスを提供できます。
▲視覚障がいのある方には「あちら」「ちょっと前」などのあいまいな表現はNG。周囲の状況を正確に伝えます。

最後は二人一組になり、車いす操作を体験しました。操作方法は学校の授業でも学んでいましたが、彼らが段差のある場所で車いすを扱うのは今回が初めてです。「段差のある場所を走行することがこんなに怖いとは思わなかった」と話す学生も。お客様に安心感を与えられるホテリエになるためには、知識だけでなく経験を重ねることが近道です。学生たちは「今回学んだことを現場で活かせるように、イメージトレーニングを重ねます」と意気込みを語ってくれました。

▲「次に自分の身には一体何が起こるのか」、車いすのお客様には細やかな声がけが不可欠です。

無事に今回のサービス介助基礎研修を修了した学生たち。国際ホテル科の水島先生からは「今回のサービス介助基礎研修を通して、学生には知識・スキルの向上だけではなく『相手の立場に立って考え行動すること』の意味を再認識してもらいたい」とコメントをもらいました。「すべてのお客様に安全で快適なおもてなしを提供できるホテリエになりたい。」彼らは自身の夢に向かって、一歩ずつ着実に歩を進めています。