
ホテルで働くことに興味がある人の中には、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。フロントやレストランなど代表的な仕事以外はイメージが湧きづらいですよね。
ホテルは大きく「宿泊」「料飲」「宴会」「管理・営業」「調理」の5つの部門に分かれています。各部門にさまざまな職種があります。例えば、「宿泊部門」にはフロント、「料飲部門」にはウェイターなどの職種があります。
この記事では、当ブログを運営する神田外語学院出身の現役ホテルスタッフの方に話を聞きました。そのお話をもとに、みなさんが仕事のイメージを持ち、ホテルの仕事をより理解できるように
■ホテルスタッフの主な仕事内容
■1日の仕事の流れ
■ホテルスタッフのやりがいや魅力、苦労
などについて、詳しく解説していきます。
ぜひ、この記事を読んでホテルスタッフの仕事について理解を深めてください。
目次
1.ホテルの5つの部門とそれぞれの職種の仕事内容
ホテルには、大きく分けると「宿泊」「料飲」「宴会」「管理・営業」「調理」の5つの部門があります。各部門にさまざまな職種がありますが、ここでは代表的な日系ホテルの例をご紹介します。
以下の図をご覧ください。
それぞれ部門ごとに詳しく解説していきます。
1-1.宿泊部門
主としてホテルの根幹ともいえる客室販売と、宿泊客の接遇を担当します。
それぞれ、解説していきます。
フロント
フロントでは大きく分けて以下の4つの業務を行います。
(1)お客様のチェックイン、チェックアウトの手続き
(2)宿泊予約
(3)情報提供(お客様対応)
(4)会計
チェックインからチェックアウトの間に発生するさまざまな手続きを担当します。その他には、お客様の好みや滞在中の出来事などの情報も記録・管理も行います。
ベルアテンダント
お客様の荷物をお持ちして、フロントや客室までご案内する役割です。ロビーとホテル中を行き来することが多いため、他のスタッフとの関わりも多いです。フロント周辺やロビー全体の動きに素早く気付ける目配り、気配りが欠かせません。
ドアアテンダント
お客様を安全かつスムーズに館内へとご案内する役割です。ホテルの入り口や車のドアを開けたり、お客様に代わって車の駐車を行ったりします。接客は短時間ですが、ホテルで最初にゲストを迎えるため、ホテルの顔となる重要な仕事です。
コンシェルジュ
お客様のあらゆるリクエストに対して、最大限希望を叶えるのがコンシェルジュの仕事です。例えば、スポーツの観戦チケットや新幹線の乗車券の手配、レストランの予約、観光情報提供などその仕事は多岐に渡ります。
あらゆるリクエストに対応できる柔軟性や情報収集力、ホテル内外での繋がりを作る社交性が求められます。
ハウスキーピング
客室の清掃・管理を担当します。客室内の清掃やベッドメイキング、備品の補充だけでなく、ランドリーサービスや備品の貸し出しを行う場合もあります。
清掃は、外部の業者に委託しているホテルも多く、その場合、正社員は清掃された部屋の最終確認を行います。
1-2.料飲部門
ホテル内のレストランでの接客や、客室内で食事が楽しめるルームサービスを担当します。
それぞれ、解説してきます。
レセプショニスト
レストランの入り口で予約の受付やご案内、会計を行います。レストランでお客様が最初に接するスタッフとなり、第一印象を決める重要な役割です。通常の出迎えだけでなく、座席のコントロールも任されているため、お客様のご希望にできる限りお応えする気遣いやお客様をお待たせしない工夫が求められます。
ウェイター/ウエイトレス
メニューの説明、オーダーテイク、ドリンクや料理の提供など、食事がスムーズに進むようにお客様のお食事のサポートを行います。料理の味付けや素材について聞かれることも多く、食材や料理について深い知識が求められます。
ルームサービス
ホテルに宿泊したお客様が客室内でも食事を楽しめるように、料理やドリンクを客室まで運びます。高級ホテルでは、料理を運んだ後にテーブルクロスを敷いて提供するなどワンランク上のサービスを行う場合もあります。また外国人のお客様が多いホテルでは、英語でオーダーを受けることもあるため、英語力が求められます。
バーテンダー
ホテルのバーでお客様においしいお酒を提供します。バーテンダーは、お酒を提供する仕事と思われがちですが、もうひとつ重要な仕事として「接客」があります。飲み物作りのテクニックだけでなく、会話でもお客様を楽しませることが求められます。
1-3.宴会部門
宴会や結婚式などのサービスや予約手配を担当します。
それぞれ、解説してきます。
宴会予約
営業担当が承った宴会や結婚式などの予約を引き継ぎ、幹事のお客様と準備を進めます。お客様のリクエストを伺って、会場のレイアウトや料理の内容、演出、進行などを決めていきます。事務能力、コミュニケーション力、提案力などさまざまなスキルが求められるやりがいのある仕事です。
宴会サービス
宴会内容に応じて、宴会場の設営から当日のオペレーションとサービスまでを行います。お客様に料理やドリンクを提供するだけでなく、会場が大きくスタッフの人数も多いため、進行表を把握し、スタッフをまとめ、指示を出すことも仕事のひとつです。
クローク
お客さまの手荷物やコートを、一時的に預かる仕事です。クロークは、ホテルの入り口付近やレストラン、宴会場の近くに設置されており、いつでも荷物を預けられるようになっています。
1-4.管理・営業部門
人事、総務、経理など裏側からサポートする管理部門と、宴会や宿泊の販売、広報活動などを行う営業部門に分かれています。
それぞれ、解説してきます。
広報
ホテルの魅力を世間の人々に幅広く知ってもらうために、テレビや新聞、雑誌、インターネットといったメディアを活用し、宣伝を行います。具体的には、報道機関に向けて情報の提供や取材依頼の対応などの外部への窓口といった役割もあります。
施設管理
お客様が快適に過ごせるように、ホテルの商品である建物やあらゆる設備を管理します。大きく分けると各種設備の点検やメンテナンスを行う「設備管理」、ホテル内を清潔に保つ「清掃管理」、防犯や防災のための「保安管理」の3つに分かれます。
人事
人事の主な仕事内容とは、「人材によって組織を活性化させること」です。採用活動や教育・研修、評価制度、人員配置などを通して、社内組織(ホテル)を最適化し、発展させていく役割を担っています。
セールス
ホテルの商品である「宿泊」「飲食」「宴会」を個人や法人に向けて販売します。セールスの仕事は、新しくホテルを利用してもらう新規顧客開拓と過去に利用実績のあるクライアント対応に分かれます。外部の方と接する機会が多いため、ホテルの顔としての立ち居振る舞いやコミュニケーション能力が欠かせません。
企画(プランニング)
ホテルの経営方針に沿って、イベントなどの企画を立てる仕事です。企画を立てる際に根拠となるデータを集めるために市場分析や予測を行います。そのデータを元にホテルで開催するブライダルフェアやディナーショーなどの販促のためのイベントや宿泊プランの企画を行います。
1-5.調理部門
ホテル内のレストランの調理場でお客さまに提供する料理を作ります。レストランを多数持つホテルは100人以上の調理スタッフがいることもあります。調理系の学校を卒業した方や飲食経験者が採用される傾向にあります。
それぞれ、解説してきます。
シェフ
ホテル内のレストランにおいてコック達の指揮を取る調理責任者です。シェフの大事な役目はメニューを決めることです。そのメニューに必要な食材の仕入れや調理、味付けのチェックもシェフが行います。
ブッチャー
ホテルで提供する肉料理の内容に合わせて下処理やカットを行います。調理や盛り付けはしませんが、品質管理やグラム数を合わせる高度なカット技術、ハンバーグやソーセージなどの加工食品の仕込みなど専門的な知識や技術が求められます。
ベーカリー
お客様に提供するパンを作ります。多くのホテルは、自家製パンを焼いており、朝食や夕食だけでなくホテルのベーカリーショップでも販売しているため、何種類のもパンを朝早くから作ります。
ペストリー
お客様に提供するデザート類を作ります。デザート作りから盛り付けと提供、メニューの考案などと行います。コース料理の内容に合わせてメニューを考案することもあるため、シェフとの連携も非常に重要です。
ガテマンジャー
お客様に提供する冷製の料理を作ります。担当する冷製料理は、サラダやパテ、カルパッチョなどのオードブルなどがあります。
ホテルには、これだけ多くの職種があることがご理解いただけたかと思います。実際に働く中でこれらの職種の人たちはどのような1日を過ごしているのでしょうか。
次章では、いくつかの例挙げて、ホテルスタッフの1日のスケジュールを紹介していきます。
2.実際に働くホテルスタッフの1日のスケジュール
ホテルスタッフの1日のスケジュールを紹介します。
ここでは、「フロント」「ベルアテンダント」「ハウスキーピング」のスケジュールを紹介します。
※ここで紹介する1日の流れはイメージです。実際のものではありません。
2-1.フロント
基本的には、早番・遅番・夜勤の3シフト制になっています。
早番は早朝に出勤しますが昼すぎには帰宅でき、遅番は午後の出勤ですが仕事が終わるのは夜中です。
2-2.ベルアテンダント
基本的には、早番・遅番・夜勤の3シフト制になっています。
お客様の荷物の運搬が主な役割です。ドアアテンダントやフロントと連携を取り、時にはフォローし合いながら、業務を行っています。
2-3.ハウスキーピング
夜勤はないことが多く、大体は早番・遅番の2シフト制になっています。
お客様がチェックアウトしてから、次のお客様のチェックインまでが1番忙しい時間帯になります。
実際にホテルで働くと、やりがいや魅力を感じる時もあれば、苦労を感じる時もあります。次章では、そんなホテルスタッフの仕事事情を現役のホテルスタッフの方のお話をもとに紹介していきます。
3.ホテルスタッフの仕事事情
3-1.ホテルスタッフの仕事の3つのやりがい・魅力
ホテルスタッフの仕事のやりがいや魅力は以下の3つです。
(1)さまざまなお客様と良い関係を築けること
1度接客したお客様の情報を覚えておくことで、次会ったときには”お客様”ではなく”〇〇様”と名前で呼ぶことができます。そうすることで、食事やホテルでの思い出の話で盛り上がったり、次回宿泊される際にもあらかじめたくさんの情報があるので+αの提案できます。
「覚えててくれたんですね!」「なんで知ってるんですか!」など、お客様の喜んでいる顔や驚いている顔を目の前で見られることは非常にやりがいを感じます。
だからこそ、自然ともっと何かしてあげたい!と良いサービスを追求したくなります。
(2)世界中の人とコミュニケーションを取れること
ホテルスタッフは、ホテルを利用する世界中の人と接する機会がある仕事です。自分の語学力や知識を活かして、文化や国籍が違う方とコミュニケーションを取れるのは、魅力だといえます。
(3)チームで一丸となって働けること
ホテルスタッフは、お客様だけでなく、スタッフ同士のこともよく見ています。この人は次に何が必要か、何をしてあげればスムーズにご案内ができるか、常にアンテナを張りながらお互いに働いています。全員で助け合いながら、信頼しながら仕事をすることが何より楽しいです。
3-2.ホテルスタッフの仕事の3つの苦労
ホテルスタッフの仕事の苦労は以下の3つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
(1)生活が不規則になること
2章で紹介したように、早番・遅番・夜勤のシフトがあるため、生活が不規則になります。早番では午前3時に起き、遅番では深夜1時に帰宅することもあります。就寝・起床時間も定まらず、慣れるまでは負担が大きいでしょう。
(2)体力を使うこと
ホテルスタッフは、仕事中は基本的に立ちっぱなしのうえ、広いホテル内を歩き回ります。ベルスタッフなどは、お客様の手荷物を運搬することも多く、重い荷物を運べる程度の力も必要です。
(3)クレーム対応があること
お客様からの反応がダイレクトに分かることは、やりがいにもなりますが、クレームを受けてしまったときなどはストレスに感じることもあります。
タイミングによって、他のスタッフのミスによるクレームを受けることも。また、お客様の中には気難しい方もおり、「私の名前も知らないの?ふざけないで!」とお怒りになることもあり、クレーム対応が辛く感じる時もあります。
本気でホテルへの就職を目指すなら自身の資質・スキルを磨くことは欠かせません。
次章では、ホテルスタッフに求められる資質・スキルについて解説していきます。
4.ホテルスタッフになるために必要な2つの資質・スキル
ホテルが重視しているのは、「ホスピタリティ」と「語学力」です。この2つの力を高めていくことが、ホテルに就職する近道です。
それぞれ詳しく、解説していきます。
4-1.企業が重視しているのは「ホスピタリティ」
採用選考の過程では「ホスピタリティ」が高い人が採用されやすい傾向があります。
それはお客様に満足・感動していただくには、マニュアル通りの対応ではなく、それぞれのお客様に合わせた、マニュアルを超えた、予想をいい意味で裏切るサービスの提供が必要だからです。
「ホスピタリティ」とは、
・基本マナー
・気くばり
・心くばり
から成り立っています。
自身の「ホスピタリティ」を高めていくことが、ホテル就職のポイントです。
4-2.一定の語学力が必要
ホテルでは多言語に対応できる人材を求めている傾向があります。特に都心部、空港の近く、有名な観光地の近くにある、外国人の方が多く滞在するホテルに就職する場合は必須です。
ここでは日系ホテルと外資系ホテル、それぞれにおいて特に求められる英語力を中心に見ていきたいと思います。
新卒の採用選考の際にTOEIC®600点以上を取得していれば、どのホテルでも受験資格を満たしているといえます。
ただし、フロントなどの宿泊部門は、チェックインや問い合わせなど外国人のお客様と接する機会が多いため、他の部門に比べて英語力が求められます。
採用選考では、少しでもアピールポイントを作るために英語力を磨くことをオススメします。
ホテルスタッフに必要な英語力についてさらに詳しく知りたい方は、良ければこちらの記事をご参照ください。
自分に合ったホテルを探すことも重要
ホテル就職には、自分に合ったホテルを探すことも重要です。
なぜなら、ホテルは大きく分けると6種類のタイプに分かれており、タイプによって働き方や雰囲気などに大きな違いがあるからです。ホテル側も雰囲気が合っている人を採用しやすい傾向にあります。
そのため、事前に自分が「どのような場所で(立地)」「どのようなお客様に(客層)に」おもてなしをしたいのかをよく考えることが必要です。
ホテルマンになる方法について詳しくは、こちらの記事もご覧ください。
5. ホテルへの就職を目指すなら神田外語学院国際ホテル科がオススメ
ホスピタリティと英語力を身につけて、ホテルへの就職を目指すなら神田外語学院の国際ホテル科がオススメです。
神田外語学院の国際ホテル科では、ホテル業界に関する知識を習得することはもちろん、ホテル業界で広く求められている「ホスピタリティ」や「語学力」を学びながら2年間でホテルへの就職に備えることができます。
ホテルでの就業経験豊富な教員による指導や就職センターでホテルに就職するためのサポートも行っています。
また、外国語の専門学校の強みを活かし、基本的な英語力を身に付けると共に就職後に役立つ「ホテル英会話」なども学ぶことができます。
今回は、そのカリキュラムの一部をご紹介します。
5-1.ホテル業界への就職が強い
神田外語学院は、毎年多くの学生を有名ホテルに送り出しています。
2017年~2019年 卒業生のホテル就職者数は198名!
主な進路先は以下の通りです。
5-2.多くの卒業生を輩出しており、ホテルからの信頼が厚い
神田外語学院からホテルへの就職はほぼ100%求人票から決まっています。
求人票とは、企業から学校に向けて送られてくる採用情報です。ホテルによっては学校を選んで求人票を出しています。
確かな「語学力」と「ホスピタリティ」を持っている神田外語学院の卒業生が、いまも多くのホテルで働いており、さまざまな場所で活躍しているので、多くのホテルから神田外語学院へ求人票が届きます。求人票が届くことはホテルからの信頼の証と言えます。
5-3.豊富なインターンシップとホテル実務研修で経験を積める
神田外語グループの国際研修センターである「ブリティッシュヒルズ」で1年次の夏休み、または2学期に約2週間、外国人スタッフと共に英語での接客を経験します。ホテルで接客する際には日本語は一切使えません。
「ホテル実務+英語」での接客体験ができる経験は神田外語学院・国際ホテル科ならではです。
その他にも1年次の3学期に東京都内や舞浜地区、横浜みなとみらい地区のホテルで約8週間の実習を行う「ホテル実務研修」などがあります。(希望制)
5-4.共通英語科目で業務に必要な英語力を強化できる
1年次から毎週1コマ90分×9コマ(=13.5時間)の英語共通科目で総合的な英語力の強化を図ります。
◆外国人教員から「英語で英語を学ぶ」必修共通科目の国際コミュニケーション英語(EIC)では週5回、外国人教員から英語で英語を教わることで、「読む」「聞く」「書く」「話す」の英語4技能を強化します。
授業は20名以下の少人数の習熟度別クラスで、日本語禁止という環境で行われています。授業以外の時間でも留学生と英語で会話ができるECL(English Conversation Lounge)などを活用することで、生きた英語を自分のものにすることができます。
EICについては以下のページで詳しく紹介しています。 共通科目 EIC(English for International Communication) |
◆ホテルスタッフに有利なTOEIC「600点」をクリアするTOEIC®対策講座
神田外語学院2年制のTOEIC®平均点数
TOEIC ®対策の授業が週2コマあり、習熟度に合わせたクラス編成で着実なスコアアップを目指すことができます。神田外語学院2年生のTOEIC ®平均点は627点。ホテルスタッフに必要な「600点」よりも高い点数です。
ぜひ、英語を中心にホテルのことも学びたい方は、神田外語学院の国際ホテル科をご検討ください。
≫神田外語学院の教育の特長について以下の記事もご覧ください!
6.まとめ
いかがでしたでしょうか。
ホテルの仕事内容について理解できましたでしょうか。将来、自分がホテルで仕事をしているイメージが湧いたかと思います。
最後に本記事で解説した内容をまとめるとポイントは以下の4つです。
(2)シフト制で早番・遅番・夜勤もある
(3)ホテルスタッフのやりがいや魅力はこの3つ
・今日会ったお客様に明日も会えること
・世界中の人とコミュニケーションを取ることができること
・チームで一丸となって働けること
(4)ホテルスタッフの仕事の苦労はこの3つ
・生活が不規則になること
・働くうえで体力を使うこと
・クレーム対応があること
この記事を読んでホテルへの就職に向けて、準備を進めていってください。応援しています。